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乳灰色の紬着尺。
絹糸を染めて織る、という仕事をやってきて ずっと気がかりだったことが
糸を染めるときにいつもよぎる、「せっかくの無垢の糸を、自分は汚染してはいないか?」
ということ。生糸ならもちろん、紡ぎ糸だって絹ならではの光沢や透明感が美しいもの。
要は、なんにもしないほうがキレイなんじゃないか?という、作り手としてはどうにもならない
泥沼にハマってしまいそうになるときがあります。
でも、そういう心のブレーキは大切だとも思っています。
パールベージュのような、すこしに濁った白のなかにある艶めき。
一日機に向っていると、時間ごとに違って見えるこの紬。
ピンクに見えたと思ったら、ベージュになって、そしてグレーにも見えてくる。
6歳の息子が、「目玉はみんな違うのに、おんなじものが見えていたのか・・・」なんて言って
笑った私。いやいや・・・たしかに人それぞれ見えてる(感じてる)色は違うことが多いにある。
この、不思議な色。ずっと作りたかったけど、なかなか踏み出せなかった私にとって、禁断の色。
矢車附子で染めた経糸と、桜の枝で染めた緯糸。交叉をくりかえして出来た いとしい色。
伊と忠さんでの展示会でご覧下さい。
どういう色に見えますか。


      『岩崎 訓久・悦子 染織展  墨灰色から乳灰色へ』
      2009年3月26日(木) ~ 4月5日(日)    
      ※月曜定休
      11:00~20:00 (最終日は18:00まで)
      伊と忠GINZA にて
by senshoku-iwasaki | 2009-03-23 23:47 | 着尺・帯
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