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Sさまの桜の紬。
f0177373_2035782.jpgSさまに過去に桜で染めた糸で織った、無地の紬のサンプル
を見ていただいたのは昨年の秋のこと・・・。工房までおいで
いただいて、糸を見ていただいて。色味のご希望を伺って。
クニヒサ、たて糸を染めた段階で一度糸サンプルをお送りし
てはたにセットしてから、よこ糸は濃淡2パターン染めて。
Sさまの最初のご希望は、濃いほうの無地に近いけど、淡い
無地も試し織り。更に、3越しずつ濃淡で入れたパターンと、
2越しずつのパターン・・・と。4種の試し織りで先日やっと
サンプルを、Sさまにお送りできました。
昨日、Sさまからお電話いただいて・・。「だいたい決まった
のだけど、せっかくだからもうチョット悩んでイイですか?」
喜んでいただけて・・二人してホッとしたのと同時に、とても
嬉しくなりました。

織物をはじめて勉強した、10代の終わり。
とてつもなく面倒臭い作業の連続のあげくの果てに・・・(笑)
こんなに『どうってコトないもの』しか出来ないのかぁ・・と
つくづく嫌になって、つくづく面白いと生意気にも思いました。
自分にしか出来ないモノがもし、あるのならそれを作り出せ
る人になりたいと思っていた、ティーンネイジャーだったから。
カンタンにカタチにならないもの。
カンタンに自分らしさが出ないもの。
織物を、知れば知るほど・・『無地に始まり無地に終わる』と
いう言葉の意味を思い知るコトになります。
『誰が作っても似たようなもの』かもしれないけれど、確実に一つだけ言えるコトは、『似ていても誰かが作ってる限り全部違う』という至極当たり前のコトが、20年経って出た結論なのです。

Sさまの桜の紬、たて糸は宮坂製糸所の玉糸(双子の繭の座繰り糸)が実にイイ節味になる予定です。写真の色が実際の色とはチョット違うのが残念ですが・・。
by senshoku-iwasaki | 2012-04-10 21:28 | 着尺・帯
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