昨年12月のギャラリー工さんでの『ゆきかうもの・ⅩⅤ』に
おいでくださったAさまは、着尺と帯を作らせていただいた お方です。Sさまとお召しになっておいでくださり…本当に 嬉しかったです!ありがとうございますっ!! 紬のほうのタテ糸は、まわたのつむぎ糸に生糸を絡めた 柔らかな糸を用いたもので、結城のようなフワっとしつつも 腰のある織物になりました。 帯のほうは、宮坂製糸所さんの艶やかな『銀河シルク』を タテ糸に、マットなキビソ糸をヨコ糸に山形斜文という組成 で。シンプルなんだけれど、iwasaki的には最大限に糸味 を引き出した(つもり?・笑)シリーズです。 iwasakiの織物。 ショールやストールなどは、カラフルでポップなカラーのもの も多いのですが。着尺や帯などは、あんまり多色づかいを しないものがほとんどです。 Aさまのものは、Aさまのご希望のお色目を、出来る限り近 づけた(つもり?・笑)ものですが。 キモノや帯は、作るのにより・・時間がかかるだけに、出来 れば一見、『何てこと無』ければ無い程・・着込んでゆくうち にそれこそ『無二の良さ』が出てくるように思えます。 それはもしかしたら・・・私たちが二人して古い時代の自家 織物が好きで、そこからこの世界に入ってしまったからかも しれません。昔の、庶民の織物のなかに、ビックリするくらい今っぽい小粋でシックなものがあります。そういうものこそ、 多く着古され・・・ボロボロになっていたりするのです。できれば来世、iwasakiの紬や帯たちが、そんなボロたちになって また出会うコトができたら・・・そう思ってなりません。
by senshoku-iwasaki
| 2013-02-08 22:30
| 着尺・帯
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