昨年登場した『sunrise』のシリーズは、たくさんの色の絹糸
を挿しながら全体をぼかしたように織る、織りでないと出来な い『ボワーンと感』を、日の出の頃の一刻一刻の光や影を イメージしながら出したものです。 秋から冬にかけては、何色かのつむぎ糸を合わせてほっこり させた風情のものを織っていましたが。年明けからサラッと させるために、糸使いを変えてみました。 ヨコ糸には、細めの生糸、セリシンを少し残した生糸、そして つむぎ糸・・。こう見えて、7丁もの杼を使って無地の部分を 形成していたりするのです。 本来えらく時間がかかるのだけど、娘が入院していたときの 私(エツコ)の集中力は自分でもビックリ(笑)。 なんせ、時間が経つとグラデーションの流れが止まってしま う気がするのです。一日クニヒサと替わってもらった日には トイレにも食事にも(この私が!笑)機からほとんど立つコト無 く・・・ひたすら一筆書きのように織りまして。 エスキースもない、設計図なんてもちろん作らない、思いの ままの『sunrise』。新しく出来たサラッとした5本と、ほっこり した数本を、来週からの新宿伊勢丹での『春のクラフト展』に 出品いたします。 色柄は当然全部違うのだけど、それだけじゃない・・・ 同じ絹でも風合い、質感の違い。ぜひ触って、纏って感じ ていただきたいです。 今回の伊勢丹には、この『sunrise』のほかに、新作の 『parade』のシリーズ、楊柳のストールも新作が加わり ます。 集中集中!・・・と、全部違うショールやストールを織って いた私(エツコ)でしたが。一昨日から取り掛かっているの は一転、かなりストイックな白い帯地。 なんだか・・・ 手と目が慣れるまでにもう少しかかりそう(笑)。 iwasakiのショールやストールは、イロイロな色が入ること でアクセサリーのように使ってもらいたい・・・との思いが ありますが・・着尺や帯は逆でして。帯などは特に色味を 抑えて(息を潜めることで)本体のキモノを引き立てながら 存在感を織りで出したい・・・と思い制作しております。 どちらもiwasaki。 帯、着尺は関東では5月の『日本の夏じたく』展で。 2月27日~3月12日までiwasakiは出展しております。 伊勢丹新宿店本館5階=ザ・ステージ#5にて。 『春のクラフトフェア~暮らしの中のメイドインニッポン~』
by senshoku-iwasaki
| 2013-02-22 22:08
| 纏う布・暮らしの布
|
ファン申請 |
||