グレーというのか茶というのか。
植物染めの色にはたぶん、 『気配』があるのだと思っていま す。桜だったり矢車附子だった り。その木や草を想像して・・・ イメージした色が、実際の色を 鼠色にしてみたり茶色にしてみ たりするのだと・・・。 植物染めでグレー系にするとき は、iwasakiでは木酢酸鉄を使 っていましたが、現在は鉄媒染 での植物染めはしていません。 というのも、糸にわずかに残った 鉄分が、色味を変化させることが あるからなのです。 今織っている、綾織りの着尺は iwasakiの織りサンプルからのご注文だったのですが、チョイスされた色は以前、梅で染めた糸を使った部分だったもの だから。クニヒサ、酸性染料でこのビニョーな色を染めるのに大変苦労しました(笑)。だって、黄味、緑味、茶味・・・の 入ったグレーなんだもの(笑)。こういう『不確かさ』こそが色だけじゃなくて、手織り物の魅力の全てではないかと思うの です。人生における不確かさって・・・愛のカタチだったり、幸せ度だったり、見様によって捉え様によって様々。 良い織物って何だろう?iwasaki、いつもの自問自答。もしかしたらそれは、いい人生に繋がっているのかも!? この歳になってやっと、大師匠の『織りは人なり、人は心なり』のホントの意味がもうチョットで理解できそうな・・・ うーん・・・。やっぱり・・・もうチョットかな(笑)
by senshoku-iwasaki
| 2013-06-13 21:00
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