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浜松のSさまの杉綾の紬。
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『赤味を帯びたグレー』がご希望のSさま。
意外と・・・難しいのが、赤味を感じる淡いグレー。

植物で染色する場合は、赤味の強い茶系の染液だったりすると
鉄媒染で赤味のグレーが染まったりしますが。
植物染めは、色味が時間と共に変化するのが特徴のひとつだったりします。
学生の頃、郡上では先生方が『色が老たげる』のだと話していて。
とてもイイ言葉だなぁ・・・とつくづく思ってすぐさまインプットされてしまったのですが。
あれは25年ほど前。
19、20くらいのときの私だもの・・・。
自分が45になるときなんて、途方も無いくらい先のコトに思えたし、
自分はそのとき、スゴイ(どんな!?・笑)オバサンなんだろうって思ってたから。
今はキレイな色でも、自分とともに地味になってゆくのならそれもアリだと納得したものの。
思ったよりもずっと早く月日は流れ・・・。
あっという間に・・・今年はあの日、想像どおりの!?45のオバサンの私(涙)。
私自身はともかく(トホホ・・・)。
回りを見れば、同世代もお姉さん世代も・・・みんなお若くってキレイなままだもの。
現代社会では昔より、植物染めの『老たげる』速度のほうが速いのかもしれません。

なので、色味からのご注文の場合は酸性染料(化学染料)を用います。
メーカーによっても色味が違うので、クニヒサ、イロイロ試して・・・今回初めてのメーカーのものに。
タテ糸総数1472本。
本日やっと機にかけるところまで・・・。これから綜絖に通して、筬に通して・・・
機にセットできたら、通し間違いがないか確認して(ここで間違いに気づき戻るコト多々・・・)
ヨコ糸を何色か入れてみて、Sさまのイメージに近づける予定なのですが。
しばらく・・・ビミョーな作業が続くので、私(エツコ)は新作ショールの房やら、糸つむぎやら、糸繋ぎ。
平行して準備をしておかなきゃいけない仕事なんだけど、なかなか進まない仕事のほうに配置です。

春までに
取り掛かる着尺の予定は、あと三種。うち二種はご注文のもの。
どうしても時間のかかるiwasaki。
お客様には長い時間お待ちいただくこともしばしばで、ご迷惑をおかけしていることもよーく・・・
わかってはいるのですが・・・。
お受けさせていただいたときに、みなさんある程度・・私達におまかせしてくださっているので。
その中でiwasakiらしさ、またそのお客様らしさがどうやったら出せるか?を二人して悶々と考えて
いる時間が長くなっちゃうのです。
ほんのチョットの糸使いだったり、色味だったり、僅かなコトだったりするのだけれど。
たくさんあるもののなかから、私たちに依頼してくださったお客様に、少しでもよかったなぁ・・・って
思ってもらえるように・・・気を引き締めてガンバっております!!
by senshoku-iwasaki | 2014-01-15 21:38 | 着尺・帯
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