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縮絨(しゅくじゅう)前の新作『赤ケット』
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~やがて障子の奥から赤毛布(あかけっと)が飛び出してきた。-中略-実際この男は
赤毛布で身を堅めていた。その代り下には手織りの単衣一枚だけしきゃ着ていないんだから、
つまり〆てみると自分と大した相違はない事になる。~
夏目漱石の小説『坑夫』の一節です。
漱石先生の人物描写が大好きで、高校時代よく読んでいました。
なかでもこの・・・『赤毛布』のくだりは、映像的にバーンと浮かんでくるシーンのひとつでして。
ブランケットをはじめて織ったときから、いつかこの『赤毛布』をイメージしたものを作りたいと
ずっと思っておりました。
この場合の赤はきっと・・・レッドではなく、オレンジ。それも田舎くさい・・・今風に言うとダサカワ!?
高校時代は、『手織りの単衣』なんてのはあんまり想像できてなくて、きっと縞のウールの半纏地
みたいなものを浮かべていたのだけれど。今になって考えると、この『赤毛布』の単衣はたぶん・・
絹ではなくて木綿の着物ではないかなぁ・・・?と推測。
だとすると、インテリ漱石先生が田舎モノをイメージしまっくって描いたこの『赤毛布』という男、
今ならかなりのお洒落野郎。全然そうは見えないかもだけど、相当高価な着こなしになりますネ。
実は私(エツコ)の真冬の定番スタイル、杉綾の紬の単衣にブランケット・・・というのは、この
『赤毛布』のスタイルからきているものだったりします・・・。

「エツコさーん、私は『坑夫』の記憶がないんですけど・・・。
『赤毛布』なんて悪いイメージのキャラではないんですか?」クニヒサ。
「たしか本の中では・・・茨城かどこか田舎の出身で、変な訛りがあって、赤毛布が臭いの!(笑)」
「じゃ、ダメじゃないですかっ!!」クニヒサ。
「いーの!いーの!『坑夫』の『赤毛布』と、iwasakiの『赤ケット』は別モノだもーん。」私。

この新作の『赤ケット』、これから縮絨をして仕上げる予定です。
今回のラドナー種のブランケット、ジャコブのブランケットより少し軽く仕上がっております。
クニヒサ、今日はこの色違い『青ケット』を機にセットしまして。
性懲りも無く・・・!?少量ずつ増産中。
by senshoku-iwasaki | 2014-10-20 21:21 | 纏う布・暮らしの布
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