<< 湯のしが上がった・・・森くみ子... 奈良磯城郡・たばやの『算額最中』。 >>
森くみ子さんとのコラボ着尺。
阿波藍を、森さんの手によってたっぷりと蓄えられた絹糸たちが・・・ようやく2反の着尺になって。
先日水通しをして、砧打ちを済ませまして。郡上の湯のし屋さんに湯のしをお願いしました。
まずは森さんと、私(エツコ)の生紬から。
織っているときお腹のところに、わざと白い手拭いを挟んでいたのですが。
一反3丈4尺、約13メートル。1週間ほどかかって織るものですから、摩擦で真っ青になるハズ・・・
と思っていたのだけれど。意外にも。ほとんど青くならず、普通に洗濯したらキレイに真っ白に。
それは、この水通しをした後にも。
f0177373_201753.jpg

今回は森さんから「最初はお湯にしばらくつけて、灰汁を抜いて欲しい」とのことで。
お風呂くらいの温度の湯にしばらく漬け込んだ後、水に何度か漬け込みまして。
そのとき反物を引き上げると・・・水は青ではなく、黄色のような色が少しでました。
そして何度か水をくぐった反物は、外に干して生乾きの状態でアイロンを当てまして。
そのときも。わざと真っ白い手ぬぐいを乗せてのアイロンがけでしたが。
これまた、ビックリするくらい青くならない(笑)。
手のひらには青が付くんです。でも、手は水で洗うと落ちてしまうので、色の付き方が違うのかと・・・。
f0177373_20181522.jpg

iwasakiの大好きな縞木綿は、江戸後期の京阪西日本に集中しておりまして。
私もクニヒサも。なんでか西日本にずっと・・・惹かれっぱなしなのもそのせいもあるのかもかも。
今回は昔の小倉木綿の縞を意識しました。微妙な藍のグラデーションが活きるかと。
織物らしい、だけど作家モノっぽくない無名な産地の織物っぽくしたかったのです。
森さんの藍を使うということは、iwasakiにとっては冒険です。
阿波藍は、高級品です。他の藍の追随を許さない、立派な理由があるからです。
まずは、お米や野菜と同じだけ手がかかる農作物でありながら・・・食べられないのに、広大な敷地が
要ります。そして収穫された良質の藍の葉っぱだけが、約100日かけて特別な『発酵菌』を持った『阿波
のすくも』となります。それを作り出せるのが、ごく数人の藍師と呼ばれるエキスパートでして。
森さんはその発酵菌のチカラを全て使い切る、無理のない藍建てをされる人。
正直なところ・・・。iwasakiは『高級』にはあんまり興味がなかったのです。
『高級』な食材で、『高級なお料理』を『最高級店』で食べるより、『ありふれた』食材を、『丁寧な仕事と
工夫』で美味しいお料理を作るシェフのお料理を食べられるほうが幸せだと思っているから。
出来ることなら、そんなシェフのような織物づくりがしたいので、『高級』だから阿波藍を使いたいと思った
わけではないのです。
森さんのお話しを聞いているうちに・・・いかに阿波藍が独特で、秀逸で。だからこそ江戸時代にどれだけ
の人の憧れの染料であったことか。その直後に、時代は明治になり合成藍が入ってきても阿波藍のブラ
ンド力を使って(!?)阿波藍をブレンドした合成藍の紺屋が全国に広まって・・・。
その中で藍は色落ちがする、という認識も広まったのではないか・・・という森さんの解釈に納得しまして。
森さんがそこまで愛する・・・阿波藍の『発酵力』を、全部出し切った森さんの藍染め糸だからこそ!
使ってみたい、出来たら魅力的な織物にして・・・このコンセプトに賛同してくださるユーザーを見つけたい、
そんな大冒険なのなのです。

水をくぐって、砧で打って、しなやかに変化した着尺。
まずは自分で使ってみてから。でも、使う前から明らかに・・・きっとこの摩訶不思議な藍が、好きになって
しまう予感だらけの(笑)楽しい制作期間でした。
この夏は、iwasaki家恒例(!?)ビンボー家族旅行に、森さんの徳島のアトリエも組み込まれまして。
今回織りあがった2反のうちから・・・森さんに気に入った方を選んでいただこうと思っております。
by senshoku-iwasaki | 2016-07-10 23:25 | 着尺・帯
<< 湯のしが上がった・・・森くみ子... 奈良磯城郡・たばやの『算額最中』。 >>