あじろのようにも見えるのは、タテヨコともに地色と隣り合わせの色が対照的な色だからなのですが。今回はタテ糸に赤城の節糸を濃い茶に染めて。隣り合わせは、カラフルな生糸を。ヨコ糸にはキビソ糸と1対1で、銀河シルクを中心にした繋ぎ糸を。そうです。今までに銀河絹の山形斜文八寸帯地を制作する度、織りつけと織り上げ時に出る切り糸を。せっせせっせと暇を見つけては繋げておりました。繋ぎ糸は、色がイロイロ入っているので。タテの影のカラフルな色の効果もあってか・・・。光の加減で、グラデーションに織っているわけではないのに、機から下すときにこんな感じに見えまして。ナカナカ面白い、自家織物チックな八寸になりました。 iwasakiの八寸帯地のヨコ糸に使用するコトの多いキビソ糸は、自動操糸機で生糸をとる際に繭から糸口を見つけるときに取り出す、最初のジョリジョリっとした繊維の束を再生して糸にしたもので。以前はB級とされていた糸でしたが、手間がかかるので今は国産のものは無く、絹紡糸などの加工用になるそうで。中国産のものでもB級価格では無いのですけど、それすら今後の生産の見通しは悪いのが現状です。20年ほど前に、初めて宮坂製糸さんをお訪ねした時。宮坂社長さんが、ご自宅のお母さまのお部屋を案内してくださって・・・。日当たりの良い、明るい暖かなお部屋のベッドに腰を掛けて、お母さまが繋げてらしたのはあのジョリジョリで!「おばば様の糸と呼んでるんですよ。」と宮坂さんがおっしゃっていたのが一番印象的でした。iwasaki版、ババァの糸(!?)じゃありません(笑)。iwasakiならではのiwasaki yarn(糸)、えつ糸です。iwasakiのMOTTINAI(もったいない)は、コンセプト重視のものではなくて。ガチでもありますから(笑)。さり気なく、何気なく、当然のごとくいつの間にか(!?)に・・・また元に戻って次に繋がってゆくモノにしたいと思っておりまして。今までも何度か八寸帯地に入ってきました。今回は、タテの節糸に負けない、味わいたっぷりの結び目も見どころのひとつになりました。
by senshoku-iwasaki
| 2017-02-05 22:50
| 着尺・帯
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岩崎 訓久・悦子
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