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高級でB級な直球を!
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岡谷の宮坂製糸さんの横挽き
(上州式)玉糸。110デニール
の太い原糸を3本撚りに撚糸
してもらったもの。
一昨年前から暖めてきた
『とっておき』の太めの糸。
クニヒサがシルクアレルギーと
いうこともあって、敬遠してきた
精練でしたが(笑)20年振りに
やってみました。
精練は、アルカリでシルクの
セリシンを落とす作業。この方法
にもいろんなやり方があります。
灰汁を使うときは、その灰にワラ
を使うとか雑木の灰にするとか・・
今は酵素練りのものが主流です
が・・。今回は石鹸を使いました。
手織りの意味とか意義といったものは、なんともう80年くらいも前からインテリな手織り作家の中では議論されていたことです。機械にかけられる糸をわざわざ使って手織りするなんてイミがないのでは!と・・・。
そんな出版物を目にする度に、当時の生活格差ってスゴカッタのね~。なんて思ってしまいますが。
ただ、自動繰糸機を使って大量生産された生糸を使ったからといって、手織りの意義が無いとも限らないと今の私たちは考えています。そんな私たち夫婦ですけれど、もともと素朴な自家織物が好きで、郡上紬の風合いが好きで織物の世界に入り込んでしまっているので・・・その辺り・・いっつも考えてしまうところデス。
玉糸はもともとは、たまたま1個の繭に2匹の蚕が入ってしまって出来た玉繭が、自動繰糸機にかけられないために
はじかれたものを集めて、座繰りで挽いた自家用=B級の糸のことでして。それで織られたものが味わい深く・・。紬にはかかせない糸となっていますが、今は、玉繭も商品として作り、玉糸の節も玉繭の配合率で自在に節の感じを作っているものです。100%玉繭だからといって、機械にかけられないわけでもないのも現実。
じゃ、何が手織りの良さなんかなぁ・・・?
それはきっと、いろんな風合いのものが少しずつ織れることかもしれません。
さらっとした、キレイな感じの織物やらゴツゴツとした野暮ったい織物や・・。

高級な 手づくりの宮坂さんの糸を使って今回は、昔の農村の片隅で農閑期にお婆さんが織っていたような、愛おしいB級な感じの織物を作ってみようと思います。
私たちのことだからできる限り『なんてことない』『とっておき』にしたいと思っております・・・。
by senshoku-iwasaki | 2010-04-09 21:35 | 素材
南部町万沢・杉山 白髭神社の桜
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先日・・・ご近所の富河医院での出来事。
「岩崎さん 万沢の杉山でかなり古い桜の木を
切ったらしくて・・・要ります?神社でね。
患者さんの氏子さんが言っていたから・・・」
「・・・杉山といいますと・・・?」
このまちに来て10年が経つけど、行ったこと
がないエリア。ちょっと興味が湧いてきて・・・。
結局、先生がわざわざ電話で聞いてくれ・・・
「そのまま神社にあるから、好きなだけ
持っていってくれて良いそうですよ。」

標識を頼りに行ってみると・・・。
どうやら見落としてしまったのか、その先の集落
まで行ってしまって。諦めかけた帰り道に発見!
『白髭神社』
ほほーっ。
かーなりイイ感じの古さ&こぢんまり感です。
「誰か知らねぇ人間が来たな・・・」てな感じで私達
を見る、神社の隣の畑で農作業中のおかあさんに
事情を話すと
「枯れはじめてな。危ないってんで切ったようだよ。
色が出るんかなぁ・・・。上がって見てみて。」

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うわぁっ!!デカっ!
それも1本2本ではなく・・・。確かに切り株の
巨木の芯が枯れているものの、小枝はちゃんと
芽吹いておりました。
ありがたく染められる分だけ 何本か枝と幹、
そして皮をわけてもらいました。

お賽銭箱に 持っていた小銭300円を入れ
桜の木をわけてもらったことと、どうにか
これで良い織物ができますように・・・とお願い
してきましたが。御神体らしきものが・・・
どうにも木彫りの大黒様のようにも見えて。
山の中の神社だから
何の神様を奉っているのかしら!?と
帰ってから調べてみると。
どうやら道の神様のようです。

世の中 不況で大変キビシイ中、ちっぽけな
染織iwasakiが どれだけ作り続けることが
できるかもわかりませんが(トホホ・・・)
白髭神社の神様が、進むべき道をぼんやりと
照らしてくれたような気もします。
by senshoku-iwasaki | 2010-03-14 17:26 | 素材
玉繭100%
今準備している着尺、
経糸に玉糸をたてているのですが、
この玉糸、京都の友人から頂いたもので
節がかなりあり、太い細いがかなりはげしい。

現在、普通に入手出来る日本の玉糸ではありえない感じ。
友人のお父さんが、昔どこからか入手した糸だそうで、
すっごく自家製っぽい糸。

一反しか出来ない。

どんな風情になるか楽しみ。037.gif
by senshoku-iwasaki | 2009-08-06 21:15 | 素材
上州式座繰り機
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長野 岡谷の宮坂製糸さん  上州式座繰り機

iwasakiでは、この上州式座繰り機で繰糸した玉糸を 着尺や帯、ショールなどに使っております。

玉糸というのは、双子の繭(玉繭)を使ったものですが、その玉繭の配合率によって糸の節の感じが変わります。例えば、玉繭10%で普通の繭90%の場合 節の少ない玉糸が出来ます。玉繭50%の場合 かなり節の多い玉糸になります。
絹の艶やかさと人の手が入ったあじがたいへん魅力的で・・・大好きな素材です。
by senshoku-iwasaki | 2008-09-26 20:02 | 素材
南国の糸と香り
「日本の夏じたく」展でご一緒させていただいた 染織をされている二家本さん(大島ご出身)から、大島紬の糸を譲っていただきました。二家本さんは、この糸を使い 抽象画のようなステキなショールを織られています。iwasakiは・・・どうしようか・・・。
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テーチキで染められ 泥で媒染されている絹糸、かなり存在感があります。

この糸と一緒に パッションフルーツも送られてきまして、箱を開けた瞬間 南国の風と香りが工房内の空気を さわやか に変えました。(工房内 連日の雨・雨・雨でどんよりしておりまして)
二家本さん、めずらしいものをご馳走様でした。(写真を撮る前に子供達と食べてしまい画像ありません)
by senshoku-iwasaki | 2008-07-01 10:17 | 素材
ツヤツヤでピカピカ
昨年末に久し振りに岡谷の宮坂製糸所に伺った。

宮坂さん、8年前に伺った時よりなんだかとてもお元気。

娘さんの旦那さんが宮坂製糸所を引き継がれることになったそうで、いっしょにお仕事をされて

いるそう。

いろいろと新しい繰糸機(繭から糸を繰る機械)の開発もされていて、その中でも目をひいたのが

太繊度低張力繰糸機。(一度に300粒~1000粒の繭を低張力で繰糸して1000デニール~

3000デニールの極太の原糸を作る機械)

そのnewマシンで出来た糸が銀河シルク。

糸とりの槽の回転が銀河系の動きに似ていること、糸が天の川のように美しく輝いていることから

銀河シルクと名づけたそうです。

とにかく、このツヤツヤでピカピカな美しい糸を使って半巾帯やショールを織ってみました。

 う~ん。絹って美しいなぁ~。

そういえば、シルクプロテインなのか?宮坂さんいつお会いしてもお肌がツヤツヤ、まるでこの

銀河シルクのような方です。

宮坂製糸所は、昔ながらの手挽きの糸をずっと作り続けておられる製糸所。

最新の技術のそこには必ず人の手指があってこそ。

織り手の私達にとって糸の作り手は、ずーっとなくてはならない人。

どうか細く長く、いつまでもつながっていけますように。

と、星降る冬の星空を見上げて思いました。(銀河シルクにかけてみました)


えつ



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by senshoku-iwasaki | 2008-02-10 00:00 | 素材