カテゴリ:着尺・帯( 295 )
新作の着尺は、地紋のあるシリーズです。
タテに濃いチャコールグレーを経てまして。
ヨコに赤味の強いグレーを入れたタイプと、濃いグリーンを入れたタイプの2反制作しました。
このシリーズは、ヨコ糸の越し数を数えながら杼(シャトル)を入れるので・・・無口になります(笑)。
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グレーのほうはクニヒサが先に1反織りまして、そりゃぁもう!無口。
私(エツコ)は、そのとき杉綾織りの着尺を織っていたのですが。
いつもの机上ならぬ機上会議は、一切ナシ(笑)。
お互い仕事が捗ります。。。
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グリーンのほうは、今朝織り上がりました。
この地紋のシリーズは、正面で見るとマルがぼーわんぼわーんと。
斜めから見るとウネがぼわーんぼわーんと。
こちらはヨコ糸に赤城の節糸を使ったので、節と太い細いが激しくて。
越し数で入れるから、マルの大きさが大小さまざまになりまして。それが面白い感じになります。。。
クニヒサ、自分がこの地紋から離れると・・・。
「エツコさん、次なんですけどね。・・・あ、ごめんなさい。」
しばらくして・・・今度は糸染めの途中で、窓の外から。
「このくらいの色(の濃さ)でイイですかね?・・・あ、すいません。」
わざとかも!?とも思うものの。
わかっていても。
何か別のコトを考えたり始めたりするとスグ・・・ちょっと前のコトを忘れちゃうのは、私も同じ。
いや、私のほうが重症かも。
ナカナカ越し数が覚えられずに、毎回チェックしながらの自分が一番信じられない日々(涙)。




by senshoku-iwasaki | 2017-01-25 21:35 | 着尺・帯
昨年末最後に織りあげた、杉綾織の紬は・・・。
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ちょっぴりエキゾチックなトルコブルーです。
タテ糸は宮坂製糸さんの生糸、ヨコ糸に赤城の節糸を。
昨年秋以降・・・杉綾織のシリーズに取り掛かり、乳灰色に白金色と。
ノーブルでフォーマルな感じのものでしたので、少しだけクセのある(!?)一品にしてみました。

生まれてこのかた・・・あらあら50年近くも!ずっと鎖国中の私(エツコ)ですが。
実はものすごく。
海の彼方に憧れがありまして。それも厄介なコトに(笑)、恐ろしく辺鄙な所ばかり興味がありまして。
ちょっとやそっとじゃ行けそうもない所ばかり。
秘境と言われるような不便な所ほど・・・自家織物のイイ匂いがしてきます(笑)。
生きるコトに精一杯な、過酷な地であればあるほど力強い、生命の花のような織物が。

手織りをしていると、ふと天のチカラを感じる瞬間がありまして。
それがココロと通じていると思えてならない不思議な感覚が、この掌にやってきます。
それはランナーズハイなキモチにも似ていて、アタマの中が空っぽになって織り進めているとき。
あぁ、なるほど。これは幸福感なのだと。。。
秘境といわれるような場所で作られた、生きるための織物たちからも・・・。
ちいさな幸福がいっぱい溢れ出して見えるから。
この幸福感を知らない、大きな国の誰かの利益のために・・・
暮らす場所が戦場になって、織物どころじゃない土地がどれだけあるのだろうと思うと。
なんとも切ないキモチになりまして。

何のチカラも無い私だけど・・・生命の花を感じるような織物力ある織物を、一見なるべく
どーってコトの無い、カタチの無いモノを!信じて作りたいと思っております。








by senshoku-iwasaki | 2017-01-04 21:40 | 着尺・帯
久々に、白い銀河絹の山形斜文八寸帯地を織っています。
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今ではiwasaki定番の、銀河絹の山形斜文八寸帯地ですが。
すべてはこの乳白色の、シロから始まりました。

当時宮坂製糸さんで新たに取り組んだ、銀河シルクがとにかくキレイだったから。
このテープ状のキラキラの絹糸を、そのままに近い淡い色に染めて使った半巾帯が始まりでした。
その後にお客さまのリクエストから八寸に・・・。

いまだにだけど、初めは特に。
白いって、やっぱりドキドキ。
だって『糸を染めて織る』のが仕事なので。
染めているといっても白茶なのでわかりづらいし(笑)。

いつでも素材のチカラを信じているし、それが一番引き出せる仕事がしたいと希っていますが。
ただ『白っぽい合わせやすい帯』じゃなくて、チカラのあるシロでありたいと思って制作しております。

銀河絹の山形斜文八寸帯地は、それから幾度となく制作させていただいて。
すっかり定番となって(とはいっても少量生産ですが・笑)。
おかげさまで密かに(!?かもですが)一部のお客様方にご愛用頂いている・・・iwasakiでは一番制作
している八寸帯地に成長いたしました。

一番最初にリクエストして下さったHさまに、心から感謝をして・・・。
時々、この乳白色の山形斜文に取り掛かって・・・キモチを新たにしています。




by senshoku-iwasaki | 2016-12-01 22:17 | 着尺・帯
Kさまの銀河絹の山形斜文八寸帯。
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昨日お納めさせて頂いた『ピスタチオチョコ』なKさまの八寸帯。
キレイにかがって仕立てて頂くと、帯地だったときの顔ではなくなって、おすまし顔のお姉さんのようです。
Kさま、ご注文くださってからお送りさせていただくまで・・・一度も現物を、ご覧になっていないので。
画像ではご覧いただいていても。
実はこの帯を目の当たりにして、本当に気にいってくださるかどうか・・・とても心配だったのです。

息子の中学の学校行事で出掛けている間も・・・。そろそろ届いた頃かなぁ・・?と気は漫ろ。
戻ってくると。
「エツコさん、Kさまからメール届いていますよ。」クニヒサ。

>いい帯ですねぇ。早く締めたいです。

あぁぁ。。。ヨカッタ~!ほんとうに。何よりのKさまのお言葉に、心からホッとしました。
だってこれから・・・永くお使いいただきたいから、Kさまに少しでも残念なキモチがあったら
きっとそれは、叶わなくなってしまうから。
Kさまが気にいってくださったのなら、大丈夫。
ちゃーんとお似合いになるイメージは、こちらではバッチリありましたので!(笑)。
嬉しくて。
昨夜はいつも以上に早く!?布団に入ってすぐに良い眠りにつけまして。。。まだ夢心地(笑)。

Kさま、次回お目に掛かれます日にはぜひ!お召しいただけましたら幸いです!!









by senshoku-iwasaki | 2016-11-24 22:10 | 着尺・帯
愛おしい半巾帯。
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昨日織り上がったのは、緯吉野の半巾帯。
タテ糸もヨコ糸も。
お陰様で今年もイロイロ・・・八寸帯地を作るコトが出来まして。
それらを制作した残りの糸が、まぁまぁだったりチョットだったり出るものだから。
主にそんな糸たちを使っての、愛おしい半巾帯なのです。
以前にも書いた気がしますが、これを作ることで生まれる発見がありまして。
特にこのシリーズのタテ糸は、ビックリするくらいカラフルだったりするので。
おぉぉ。ココの、この見え方面白いじゃーん!なんて、二人で盛り上がり(笑)。
また八寸で再現したりして、ぐるぐると幸せな行ったり来たりを繰り返しています。

この写真の半巾帯ではないのですが。
最新の『美しいキモノ・冬号』の中で、染織こうげいさんで取り扱って下さっている
iwasakiの半巾帯をご紹介くださいました。
今年の初めに取り掛かっていた、これと同じ緯吉野の組成のものと山形斜文のものと。

二人して、すぐに忘れちゃう悪い習性(!?)がありまして。
ホントにダメじゃーん!(涙)って、そのことについては落ち込みっぱなしの私(エツコ)。
でもでも。
すぐに忘れちゃうから、毎日本当に発見がありまして。
メモをとっても、写真に残しても気がつかなかった小さな小さな驚きが、織物制作を
続けさせてくれています。やり尽くすコトも、飽きるコトもさせてくれないのです。
同じタテ糸で、これだけ違う3本の半巾帯。
色柄だけではないのが、織物の最大の魅力なのだと今日もまた改めて実感しました。

この半巾帯も、増孝商店・冬場所に並びます。
iwasakiの織物の中でも特に、『ぱっと見』と『じっと見』でかなり見え方が変わるタイプ
のひとつですので、じっくりとご覧頂けたらウレシイです。




by senshoku-iwasaki | 2016-11-20 22:36 | 着尺・帯
Kさまの銀河絹の山形斜文八寸帯地。
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昨年の増孝商店・冬場所で、ご注文頂きまして・・・。
実はKさま、以前からおっしゃってくださっていたのですが・・・出来れば具体的なお色のイメージが
あると助かります・・・という私たちに、お手持ちの素敵な帯揚げをお持ちくださって。
生まれましたのがこの、ピスタチオ&チョコです。
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Kさまの帯揚げは、焦げ茶と挽き茶といったシックなお色目だったのですが。
銀河シルクが光るので、透明感が出てチョット明るくなってしまいましたが・・・美味しそうなカラーです。
何種かヨコ色の違うサンプルをKさまにご覧いただいて・・・。この濃い茶に。
定番のこのシリーズと同じ、ヨコには艶の無い、キビソ糸なので・・・工房の蛍光灯の元ではこのように
輝きますが。室内や、日陰や暗がりともなると・・・また別の表情を見せます。

iwasaki夫婦の間では、とてもイイネ!と勝手に盛り上がってしまっているのですが(笑)。
さて。
Kさまのお気に召していただけると良いのですが・・・。
神戸に行く前に機にセットして。クニヒサがただ今織っております。。。
私(エツコ)は、まだまだ杉綾の着尺を引き続き制作中です。
二人して合間合間に、新作のショールやブランケットの準備や制織作業を進めつつ。
機にかかったKさまのこの帯地を眺めては、楽しいキモチになっております。
なんだかコーヒーが欲しくなる(!?)ピスタチオショコラな帯地です。
by senshoku-iwasaki | 2016-10-20 22:24 | 着尺・帯
無地じゃない無地、杉綾織りの着尺『乳灰色』と『錫色』。
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先月取り掛かっていた・・・杉綾織りの2反の着尺。
昨日、郡上八幡の湯のし屋さんから戻ってきました。
この2反、タテ糸が違いまして。
淡いライトグレーに、ヤマモモで染めたアイボリーをヨコに入れた乳灰色。
それより一色濃い、淡いシルバーグレーに更に一色濃い、シルバーグレーを入れたのが錫色です。
今回はつむぎ糸ではなく、玉糸なので光沢が紬のときよりもありまして。
どちらも色なんだけど、色だけじゃない、織物らしさを控えめに主張しています(笑)。
陰影礼賛な織りの無地は、明るい場所で見るときよりも・・・薄暗い場所で地模様が浮かび上がります。
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無地だけど、縞であり格子でもあるのがこの杉綾織りのシリーズ。
3寸で切り替わり、2寸の間だけ不規則に切り替わる菱が・・・さーっと、静かに力強く落ちてくる・・・
私(エツコ)の勝手な(!?)池波正太郎の雨のイメージです(笑)。
一番最初にこのシリーズにかかったとき、5寸で切り返したのですが。
3寸のほうがしっくりくるような気がして・・・それからはなんとなく3寸に・・・。
ぱっと見ではワカラナイ、じっと見でスーッと見えてくる・・・雨のしずくに気づいていただけたらウレシイです。
by senshoku-iwasaki | 2016-10-08 23:01 | 着尺・帯
吉野格子九寸帯地 440シリーズ・緯ずらし絣『練り上げ文』。
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今年の春に取り掛かっていた440シリーズ。
時間にゆとりがあるときでないと・・・二人がかりでもナカナカ出来ない(涙)、難易度の高い440シリーズ。
これも丸文と並んで、大師匠の代表的なモチーフのひとつです。
絣染めしたヨコ糸を、少しづつずらしながら・・・三日月を作ってゆくのですが一番高い山は、10回括るので。
多少のずれが出てきたり、ちょっとぎこちない三日月になってしまったり・・・。

440(しーしーおー)と書いて、師匠。
師匠の完コピを目指しているワケでは無いのです。
完コピなんて、出来るわけ無いっ!ただ少しでも。
あのとき、そのとき、師匠がどんなキモチで向き合っていたのかを知りたくて。
直弟子でもない、学校の生徒だった私たちだけど。アイデアだけでも技術だけでもなくて。
絣という、古典的な技法を使って。後染めで生地に絵を描くのとは違う、織物ならではの柄、文様。

吉野格子は、立体的な格子。
格子の部分のタテ糸、ヨコ糸の密度が、倍量入っています。
その立体的な格子でさえ・・・この絣が入ることで、背景にしか見えなくなる不思議に出会いました。
この龍の鱗のような?、雲のような?絣が更に手前に浮き出て見えてくるのです。
イワサキ夫婦がまだ小学生だったころに・・・大師匠が発表した『練り上げ文』。

見れば見るほど、やればやるほど・・・奥の細道に入り込みます(笑)。
大師匠のような「織物力」を手に入れたくて。まだまだ腕を磨きたくて。(でもそれが難しくて~・涙)

13日から始まります・・・染織こうげい・神戸店さんでの展覧会に、この440シリーズも出品いたします。
伝統的?、原始的?、民俗的?工藝的?民藝的?・・・いろんなアリを、いっぱい詰め込んで。
おととしよりも、昨年よりも、もっともっと!iwasaki的な織物展になっていると思います。
ご覧いただけましたら嬉しいです。
by senshoku-iwasaki | 2016-10-06 21:44 | 着尺・帯
青木間道をモチーフにした八寸帯地、『障子越し』。
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10月ともなると。
いつもだったらカラッと晴れて。障子越しの真白い日差しに秋を感じる頃なのですが。
あぁぁ。今年は。
雨雨雨・・・で。この夏前に畳替えをした床の間のある6畳間は、カビとの戦い(笑)。
せめて気分だけでもカラリとドライに、スカッとした細格子で。
モノトーンのほかに、こんな青空も入れてみました。
この青木間道をモチーフにした八寸帯地には、タテの縞をかき消す組織の段が入ります。
太めのタッサーナーシや、これも野蚕種の柞蚕の太い生糸が・・・まるで刺繍を刺したみたいに、
ぽつぽつぽつと愛らしい風情になりました。
この感じ・・・なんだかすっかり気に入ってしまいまして。
只今制作中の、タテ絹の幅広マフラーにも登場します(笑)。

先日ようやく山の水も出るようになりまして。
雨雲の合間を縫って・・・洗濯大臣でもあるクニヒサ、糸染めやら糊付けやら・・・。
「あのぅ・・・。シーツ洗いたいんですけど、今日はダメですかねぇ・・?」私(エツコ)。
「今日は糸を干すのでダメです。それに午後から雨の予報です。」なぜかきりっと!?クニヒサ。
あぁぁ。恋しい秋晴れの日。
by senshoku-iwasaki | 2016-10-05 21:35 | 着尺・帯
文字よりも言葉よりもココロに響く、チカラのある織物。
絞り絣八寸帯地のシリーズは、iwasakiの織物のなかでもチョット特殊。
なんといっても。
一度仮織りをしてから・・・絞り染めの要領で布を後染めすることで作る絣。
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糸を括って作る絣との違いは、この絞り足・・・。
もやーんと、ぼわーんと。
織物は特に、キッチリと計算しないと作れないのですが。
そこに後染めの要素が加わることで、ジャズのような即興性が生まれます。
ざっくりとした八寸なので、繊細な絞りは向きません。
いやいや、こればっかりは繊細じゃダメなのです。
大胆で、健康的で、のびやかで、生きている歓びを絞りたいのです。

アンデスの、ナスカ/ワリ文化・6世紀から11世紀のものといわれる染織品。
えっ!?1000年前の人々も。
獣毛を梳いて撚りをかけて・・・糸にして。小さな織物を作り、それをはぎ合せ・・・。
絞って染めた鮮やかな布。
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iwasakiの絞り絣は、これをリスペクト。
ワリの人々は、死者を葬るときに・・・あの世で着るものに困らないように?
生まれ変わっても織物が出来るように?死者にこのような鮮やかな布を纏わせて。
死者の脇には・・・織り糸や、機織り機まで出土しているというから。
もしも文字を持っていたならば、インカ文明の前に栄えていたという、ワリの人々の
謎がもっと解明されていた・・・ということらしいのだけど。
ムズカシイことはワカラナイ、おバカな私(エツコ)にとっては。
この布が、紀元前でも10世紀でも中世でも、仮に最近のモノだったとしてもでも。
そんなことは実はどうだって構わなかったりします(笑)。
だってこの織物に、文字よりも言葉よりもココロに響く、チカラを感じてしまったのだから。
そんなパワー溢れる織物に、iwasaki心の底から憧れて・・・。そんな織物を目指して!!
by senshoku-iwasaki | 2016-09-26 22:16 | 着尺・帯