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先日、伊勢丹での展覧会で・・・。
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iwasakiのお着物でいらしてくださったNさま。
平織りの入った緯吉野の入り江の波シリーズから・・・『褐色(かちいろ)に天(そら)』。
本来「褐色」は、藍で染めたものを指す色ですが、このベースの褐色は酸性染料です。
紺よりも紫がかった地に、クニヒサが昨年からよく染めるトルコブルーの段。
昨年秋の代官山での『観月展』で「このトルコブルーが好き!」とおっしゃって頂きまして。

こうしてカタチになって、素敵にお召しいただいて・・・。
製作者としましては、この上なく嬉しい限りですっ!!(涙)。
毎回同じようなコトを思ってしまう私たちなのですが・・・。
反物のときよりも遥かに『佳きもの』に見えるのです。

やっぱりこれは。

iwasaki夫婦の手を離れて『織物』から『着物』になった瞬間に、
お召しくださる方の『格』になっているのだと・・・。それが必ず毎回。
それぞれのユーザーさんのところで、それぞれに昇華してくれておりまして。

iwasaki、結成のときよりずっと思っていた夢が、ひとつ叶ったような気がしています。
私たちのつくる織物は、明治以前の日本の各地でひっそりと自家用に作られていた
自家織物がテーマです。
決して芸術家が目指す美の世界ではありませんで・・・。
どこまでもプリミティブに近いものでありたいと思って制作しております。
日々の小さな小さな幸せだったり、祈りであったり、生きていることへの感謝だったりが
織り込まれたモノでして。
一見どうってコト無い、有難そうにも見えない・・・だけど見る角度や、感じるココロで(!?)
これってもしかして、どうってコトあるかも?って思えるような織物が作れる人に・・・
なりたいというのが夢でした。
でもそれは二人して、一人じゃとても出来ないと思ったものだから(笑)、二人掛かりで!
気がつけば24年も経っていまして。

それらが見えたり、感じたりするごくごく少数派(!?)なお客様方が、美しいモノに昇格
してくださっているという事が何よりも嬉しいのです。

Nさまありがとうございました。
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by senshoku-iwasaki | 2016-04-10 16:38 | 着尺・帯
織りあがったばかりの最新の440シリーズ。
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今回も大師匠、故・宗廣力三のずらし緯絣の技法から。
『練り上げ文様』と名付けられた、春の雲のようなモチーフがありまして。

2センチほど残して括り、そこを染めたヨコ糸を、ずらしながら三日月の
ようなマルを作ってゆきます。
地に対して、絣の部分が濃い色になることを「逆括り」と呼びまして・・・。
それだけ括る量が増える、厄介(!?)なタイプではあるのですが。
たぶん、この場合は逆になるから・・・地の部分の四角四面な吉野格子
まで!まろやかに流水のような動きを見せるのだと思うのです。

大師匠の作品展で、『練り上げ文様』を実際目にしたのは、もう10年以上
も昔のことですし、作品集で見ているだけではワカラナイ。
あーでもない、こーでもないと・・・二人して無い知恵を振り絞って(涙)。
四苦八苦しながら、想像を膨らませて、再構築するコトでしか体感できない
悦びは・・・。自分たちがバカで不器用だからこそ、もしかしたら誰よりも
感じ入ることの出来るものかもしれないと思えてきまして。
もはや・・・柄を作っているとか、技術の継承とか、そんな意識は毛頭も
無くなってしまって。ものすごくアナログな技法を重ねたあとに見えてくる、
飛び出してくるような『織物力』に、私たちが突き動かられてしまうのです。

デザインを描いてから、色味を決めて、実際に実寸大で設計をしてみて。
絣の量を計算して、絣糸を作るために糸を括っては染めて、ほどいて。
ずらしながら織り込む。色を刷り込むのではなく、手結いで絣にする。
そうすることで『手間をかけて不確かなものをつくる』、その不確かさこそが
柄だけじゃない、手織物の魅力であり、魔力なのだと・・・。

440シリーズは、二人掛かりでもやっとやっと。
仕事は分業で挑んでおります。
今回も絣のコカセを作って、絣を括ったのは私(エツコ)。染めて織ったのは
クニヒサ。こちらの帯地、織り上がったばかりで湯のしまで間に合いません
でしたが、30日からの伊勢丹での展覧会に出品いたします。
ご覧いただけたら嬉しいです。
by senshoku-iwasaki | 2016-03-27 22:32 | 着尺・帯
新作の山形斜文の八寸帯地。
伊勢丹新宿店での展覧会に向けて・・・iwasaki定番の、銀河シルクの山形斜文
の八寸帯地も新色です。
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枝豆色のヨコ糸が、光の加減で濃くも薄くも見えるのは、タテの銀河シルクが
プラチナシルバーのような色と輝きだから。
キラリと朝露光る、若葉のようにも見えたら嬉しいなぁ・・・。
春は、生命のエネルギーを一番感じる季節。
芽吹きの力強さも感じるような、新しい山形斜文になりました。
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昨年、お客様のリクエストで黒い銀河シルクの山形斜文を制作いたしまして。
銀河シルクを、濃い色に染めるのが難しい・・このシリーズですが、すっかり
気に入ってしまいましたので(笑)、再びの『黒瑪瑙』。
写真では右が茶っぽく見えますが・・・黒っぽい茶と、紺っぽい黒の2種作りました。
左の紺っぽい黒は、味わい深くもクールな印象ですので。春から初夏、そして初秋
にも・・・。真夏以外の3シーズン、いろんなシーンで控えめに映えそうです。
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今回の伊勢丹のご案内状に使用したのがこちら。
アイボリー、ライトグレー、ターコイズ、ラピスラズリのようなブルー。段の巾が変化
していきます。妄想の旅の『青い街』は、こんな感じ(!?)細い路地、白い壁、ブルー
のタイル・・・子どもの声に、カフェからは楽し気なおしゃべり、涼しげな花々。
身に纏った瞬間に・・・非日常に連れ出してくれるコトも多い着物。
そんな日に、こんな帯も一緒に連れて行ってもらえたら・・・。幸せ!
by senshoku-iwasaki | 2016-03-25 21:35 | 着尺・帯
緯吉野九寸帯地・『ゼリーのミルフィーユ仕立て』。
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いよいよ伊勢丹新宿店での展覧会が近づいてきまして。
いつものことながら・・・。
ギリギリまで足掻いて制作を続けながら、ご案内状をどうにかこうにか・・・
本日出すことが出来まして、ひとまずほっとしてみたりして(トホホ・・)。
これから少しずつ・・・iwasakiの冬ごもりの仕事を、アップしていこうと思います。

まずこちらは
先日郡上の湯のし屋さんから仕上がってきた、新作の九寸帯地。
緯吉野の楕円を、ぷっくり膨らませて・・・ジューシーにしてみました。
タテ糸がクリーム系のバージョンと、チョコ系のバージョンでは印象がかなり違います。
ミルフィーユなので、今回は色の重なりがテーマのひとつ。
シンプルなボーダー(段)を心がけてみました。

iwasaki、二人で織物をはじめて・・・25年になりますが。
やればやるほど・・・深~い奥の細道(!?)に迷い込みまして。
業界のセオリーみたいなものとか、自分自身の勝手な思い込みであったりとか。
一回違うテーマを持って作ってみると、ほほぅ~と新たな発見がありまして。
学生の頃にバイト代で買った、大師匠の作品集。
最近は、教科書のように何度も何度も・・・ひっくり返して眺め入って。
大師匠が常々おっしゃっていた、「日々耕うんを楽しめば、仕事は後からついてくる」
がなんとなく・・・わかるような気がしています。
耕うんを楽しむ→収穫の喜び。収穫は、人によってそれぞれ。
量だけでなく、その品質、種類、希少性・・・。大師匠はそれが楽しくて仕方なかった
のではないかしら・・・とか。
その楽しさを、今更ながら知ってしまいました。
少しずつ変化、それを繰り返して・・・もしかするとぐるっと回って元に戻ってくるかも!?
いやいや・・・。まだまだ(笑)。
by senshoku-iwasaki | 2016-03-23 22:01 | 着尺・帯
八寸帯地もコツコツと・・・織りためております!
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1月2月・・・と二人して、せっせと織っておりますけれど。
うーん・・・思った以上にマシーンになれてない・・・(涙)。
今日クニヒサが織りあげたのは、
チェルシーみたいな(!?)八寸帯地。

なんでチェルシーかといいますと。
タテ糸にチェルシーのパッケージのような、いろんな色が
経っておりまして。その色を、ヨコ糸で包み隠すように
あじろのように一越ずつ入れてみたり。
半巾帯のときに、試してみたコトを少しだけ発展させてみて。
あじろのように見せるために、タテもヨコも濃い色と淡い色が
交互に入っているので。全体的に薄いカラーにはならない
のだけれど。軽やかに、ふわりと透け感もある八寸になって
おります。

いよいよ来月末に迫ってきました、新宿伊勢丹での
グループ展に向けて。
まだまだ・・・手指のマシーン化を図りますっ!
日曜日の今日も。
私(エツコ)は、九寸の緯吉野のミルフィーユシリーズを
織り進めつつ。25年使ってきて、ボロボロになった機の
タテ糸を結びつける『送り出し布』の修繕を完了させて。
クニヒサは私が次に織る、銀河シルクの八寸の糸染めを
終えて。あぁぁ・・・。エンドレス(笑)。
絣くくりもそろそろ始まります。

手指を動かす人は、ボケにくいっていつか聞いたけど。
もともとボケボケの私には、あんまり関係無いみたい(涙)。
ひとつひとつ、指さし確認でガンバリます!
by senshoku-iwasaki | 2016-02-28 22:10 | 着尺・帯
ゼリーのミルフィーユ仕立ての新バージョンは・・・。
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ちょっとビターです。
前回クニヒサが織ったのは、春らしいスウィートなカラーでしたので。
今回は私(エツコ)が少しだけ・・・辛口(!?)にしてみました。
カカオ率の高いチョコレートのような、ローストの濃いコーヒーのような!?

いつの間にやら・・・。
手織物の世界に入って、四半世紀が過ぎてしまいましたが。
概念がグルグル回るのです。二人して!(笑)。
手織りならでは、とかなると。
柄となる段を不規則にしたり、色糸を散らしたりして『膨らませる』のが
機械織りとは違いますよ、というセオリーみたいなところがあるのですが。
一昨年前、色見本として織った・・・1寸ずつのベタな段の杉綾織りの
紬を、このまんまがイイ!とご注文くださった方がありまして。
その方がお召しくださったお姿が!とってもカッコよかった・・・。
それは帯でも。
勇気を持って(!?)敢えて単調な等間隔のボーダーで織った帯地を、
ものすごく潔く、美しくお召しくださるお客様に出会ったときも。
あぁ・・・やっぱり。これもまたアリなのだ・・・と。
等間隔の段だからといって、安っぽくなるわけでは無いのだと・・・。

なので、ミルフィーユ仕立てのシリーズは、色の重なりを楽しむシリーズ。
あんまり小細工をせず、今まであまりやってこなかった段の入れ方で。
ビターなタイプ、こちらのほかにあと2種。
3本目の辛口(!?)に今日から取り組んでおります!
by senshoku-iwasaki | 2016-02-26 22:06 | 着尺・帯
半巾帯もコツコツと・・・織りためております。
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八寸、九寸帯地を織り進めながら・・・。
半巾帯も少しずつ、増えてきました。

春から夏に、夏から秋にも活躍してくれるとイイなぁ・・・
とか思いながら。

このシリーズの半巾帯のヨコ糸は、八寸帯にも使用して
いるキビソ糸なので。八寸を織った残りの半端な糸たち
を、出来れば一番イイカタチで使用したく。
逆算をして考えるのが難しくも楽しい、私(エツコ)にとっ
ては燃える(!?)時間のひとつです。
線香花火みたい?木漏れ日みたい?送電線みたい?
うーん・・・チェルシーみたい!?
思い通りにならないコトも多いけど、思った以上の驚き
も同じくらいあったりするから、やめられない・・・(笑)。

規格や、タテ糸の色の配置などなど・・・サンプル的に
半巾で作ってみることもあるクニヒサ。
今回織りあがった半巾からも・・・。『チェルシーみたい』
な!?新しい八寸帯も生まれています。
そうすると、またまた半巾にちょうど良さそうな(!?)
半端な糸たちが・・・。あぁ、終わらない・・・・。

エンドレスに作り続けるコトでしか生まれない、そんな
走り続けてる『今』な半巾帯たちでもあります。
by senshoku-iwasaki | 2016-02-20 21:10 | 着尺・帯
『ゼリーのミルフィーユ仕立て』。
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1月末からクニヒサが掛かっていたのは、緯吉野の九寸帯地。
ゼリービーンズのようだと私(エツコ)は思っていたのだけれど。
クニヒサに言わせると、『ゼリーのミルフィーユ仕立て』なのだそうで。
まぁ、なんでもいいんですけど(笑)。
3種のゼリーのミルフィーユを織りながら、私が掛かっていた半巾
帯の糸巻きやら、整経・・・機にセットを繰り返して。
私は、というと。
ずーっと織っていて。
織りあがりそうになると、次のタテ糸が準備されておりまして・・・。
二人で機にセット、織りあがるとスグ隣の機に移動。
一昨日クニヒサが染めていたのは、この九寸のタテ色違い。
チョコレートに、ピスタチオ。おぉぉ。美味しそうなカラーです。
今日は日曜日だけど、息子の中学の授業参観、保護者会。
午前中、チョコレート色のタテ糸を二人で機に巻きつけて。
夕方学校から帰ってくると。
クニヒサ、早くも綜絖通しを終えて・・・筬通しを。
バレンタインデーは、チョコレート色の次作の準備にどっぷりです。
次の色違いは、私が担当になりそうなので・・・。
こんなキッチリとした、ミルフィーユにはならないかもしれません(笑)。
by senshoku-iwasaki | 2016-02-14 21:55 | 着尺・帯
今織っている、銀河シルク山形斜文の八寸帯地は・・・。
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ちょっと・・・海な感じです(笑)。
私(エツコ)の妄想の旅の景色としては・・・
北アフリカ北西部の海岸でしょうか。
対岸に見えるのはスペインかなぁ。

寒くてもすくすく育つ、裏庭のクレソンに
タコのマリネを加えて。
新しい山形斜文の八寸が生まれております。

立春を過ぎてから
日がどんどん長くなって。
まだ夕方の4時くらいかしら!?と思ったら
うっかり5時半に。
織りのリズムも弾んできて。
少しずつ春のリズム。
by senshoku-iwasaki | 2016-02-10 22:00 | 着尺・帯
新作の九寸帯地には、ゼリービーンズが・・・。
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いっぱいいっぱい並んでおります(笑)。

緯吉野の組成は、糸の密度や太さや質感の違いで、
驚くほど表情が変わります。
ごつごつとした、八寸帯地の『アカギブシノコブシ』
この、帯地と同じ緯吉野。
伝統的で基本的な織り方ではあるのに、これほど
変貌するのは・・・平織りよりも綾織りよりも強力かも。

今回は。
さらりとしてるんだけど、こっくりとした・・・ジューシーな
オレンジのつぶつぶ(砂じょう)のようなイメージで。
新宿伊勢丹での展覧会に向けて。
フレッシュで、ジューシーで、ポップなんだけどトラッド!
地色が変わると、きっとまたグッと変わるはず。(たぶん)
なので、こちらシリーズ化して・・・と思っておりますっ!
by senshoku-iwasaki | 2016-01-28 21:34 | 着尺・帯