カテゴリ:着尺・帯( 295 )
織り上がったばかりの・・・絞り絣八寸帯地。
今年は、4種の絞り絣。
この斜めの段は、山形斜文で・・・色違いで2種。
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ヨコに焦げ茶を入れたタイプは、地色の部分の菱がよく見えます。
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ヨコにピスタチオグリーンを入れたほうは、絣の焦げ茶のあたりでよく見えますが・・・。
こちらのほうが、経縞のブルーが効果的に出ているようにも感じます。
糸を絣にして括るのと違って、一度布にしてから絞って作る絣なので・・・先染めならではの
ストライプにして、織物らしさを控えめに(!?)強調しているのですが。この縞が、絞るときに
目安の一つにもなり、また色が乗ることで独特の深みも出してくれます。

この絞り絣、とにかくヒトの手を感じるモノにしたいのです。

工藝の捉え方として・・・幾度となく繰り返される工程の中で、その都度手の跡を消し去ることで
およそ手づくりとは思えないほどの・・・緻密で精巧で完成度の高い造形を目指すのもひとつ。
美術工藝といわれるジャンルは、こちらが近いのかもしれません。。。

iwasakiが目指すのは、用途があって美も成り立つ民藝の方向なので。
私(エツコ)の大好きな最中でいうなら(!?)『愛おしくて絶品』を目指したいのです。
チョット不細工かもしれないけれど、なんともクセになる愛おしさに加えて・・・絶品の仕事を感じる
そんな織物にしたくって・・・。
440シリーズの絣は、九寸帯地で制作しておりますが。
絞り絣はざっくりと八寸で。とびっきりのフツーの日を彩る帯になりますように!
by senshoku-iwasaki | 2016-09-19 21:47 | 着尺・帯
2016・絞り絣八寸帯地は・・・。
染織こうげい・神戸店さんでの展覧会まで・・・いよいよ1ヶ月を切りまして。
こうげいさんに向けて、昨年から制作している『絞り絣』のシリーズの最大のテーマは『THE HANDS』。

ヒトの作り出す、曖昧で不確かで不均一・・・なんだけど、明確で確信的に帳尻を合わせるコトが出来る
のも高等動物の、ヒトならではの造作で。
ペルーのナスカ/ワリ文化(紀元前~800年/700~1000年)の染織品に、すでに赤やグリーンに染めた
四方が耳の小さな織物を、絞りで柄を作ったものがありまして。
15年ほど前に、古民具・坂田さんで求めた・・・埋葬用のその布の一部に、いつもパワーを頂いて。
純粋に。
1500年以上も経過して、小さな島の日本の山の中で・・・同じくらいパワーのある織物をつくりたい!と。
そして今年も。4種の絞り絣がうまれました。
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一度木綿糸でさっくりと織ってから、絞り染めをしまして。
それも絣の要領で、まずは一番薄い色になる山吹色から染めまして・・・緑にこげ茶。
この色は、絹に染まる酸性染料なので、ヨコ糸の木綿は染まっていません。
染め上げてから・・・再び機(はた)にセット。ここからクニヒサにバトンタッチ。
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クニヒサ、眼鏡を外して(笑)・・・慎重にタテ糸を切ることのないように耳で木綿糸を切りまして・・・。
ヨコ糸を抜いていきます。この姿、なんか・・・お爺ちゃんですねぇ・・・(笑)。
そして・・・。
クニヒサ、いつものタテ糸の綜絖(そうこう)通し、筬(おさ)通しを経て踏み木にセットしまして・・・。
やっと。杼(シャトル)に絹糸を入れまして、本織りに入ります!
by senshoku-iwasaki | 2016-09-17 21:34 | 着尺・帯
平蔵×勝負服でもあり・・・=乳灰色の杉綾織着尺。
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『乳灰色の無地じゃない無地』は、私(エツコ)にとって特別な色。
伊と忠さんが銀座にショップがあったときに、この乳灰色をテーマに展覧会をさせていただいて。
あのときは、九寸の帯地で緯吉野や吉野格子で凹凸感を出しましたが。
今回は杉綾織で。

今年夏、愛媛県の大三島・大山祇神社の宝物館で・・・緊張感ある美しい鎧兜たちを見て。
あぁこれは。一流の武将たちの、覚悟を決めた一流の勝負服であり、死装束でもあるのかと。
私にとっての着物は、仕事着であり、勝負服であり。。。
だから基本的には汚れの付きにくい(!?)濃い色目のものばかりだったりしますが。
タテ糸のシルバーグレーと、ヨコ糸のアイボリーで織りなす特別な乳灰色で、腹を決めた特別な
着尺を織っております。

20歳くらいのときだったかなぁ・・・。
チョット敷居の高そうな古美術店のショーウインドウに、小ぶりの御所人形が置かれていて。
それまで古いお人形とか・・・全くキョーミ無かったのだけど、ものすごく惹かれて。
珠のような肌と、まんまるで無垢で、健やかなのに高貴な感じのするその赤ちゃんに、
『江戸期 大木平蔵』とキャプションが。
学生ごときがそんなお店に入れるワケもなく、外から眺めつつ・・・。いつか子供を持ったときに、
こんなお人形を買えたらイイなぁ。。。と思ったコトがありました。
そのときに大木平蔵という名称と、艶のある乳灰色の色の美しさがアタマの隅に残りまして。

それから干支が一周したころに・・・息子が誕生したものの。
クニヒサと両輪で、必死に漕がないと生活が出来ない自転車操業のiwasakiだもの。
子供が出来て余裕など全く無くなりまして(笑)。
しかもよく考えたら、クニヒサの実家は玩具問屋でしたので。
クニヒサ誕生のときに、お爺ちゃんが揃えてくれた・・・鎧兜に、鍾馗様、金太郎に桃太郎・・・。
ガラスケース入りの五月人形がどっさりありまして。あぁぁ。御所人形じゃないわねぇ・・・。と。
じゃ、せめて。
人形師なら大木平蔵、龍村織物といえば龍村平蔵、鬼平は長谷川平蔵、竹中平蔵さんもいらっしゃる。
一瞬、息子の名前にあやかりたいとよぎったものの。あぁぁ。母親はアタシじゃ・・・違うわねぇ・・・と。

iwasaki家では取り入れることの出来なかった・・・大木平蔵の御所人形でしたが。
染織iwasakiとして、陰影礼賛な乳灰色の織物として取り入れることができそうです。
只今1丈6尺。ちょうど山の中腹です。
息を止めて、緊張感を保ちつつ・・・折り返したいと思います!
by senshoku-iwasaki | 2016-09-05 20:41 | 着尺・帯
今、クニヒサが織っているのは・・・。
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青木間道をモチーフにした八寸帯地です。今回はモノトーン。
そういえば。
無彩な感じは久しぶりかもかも。
セリシンを残した、ちょっとマットな生糸ベースのタテに、光沢あるグレーや黒の銀河シルクを利かせて。
奥行きのある・・・モノトーンを目指して。

ポップなカラーも大好き。アースカラーもステキ。となると、色の無いのも新鮮だったりして(笑)。
結局のところ・・・何でもアリで、何でも好きなのです。
iwasaki、夫婦して二人とも・・・。色そのものよりも、その色と色の組み合わせ(織りによる交差)で出来る
思いもよらない風情のようなものが好きなんだと。。。

なので、この秋は。
一見無地なんだけど、実は縞で実は格子でもある・・・なーんて新作の杉綾織着尺に私(エツコ)は取り掛
かっておりまして。それも無彩な感じです。
偶然にも。工房はストイックなカラーになりまして。
となると。
きっとこの次にかかる帯地は、ぐっとカラフルな絞り絣になりそうです。

行ったり来たり。
寄せては返す波のように・・・いろんなカラーで、全部がiwasakiカラーになりますように・・・。
by senshoku-iwasaki | 2016-08-30 22:09 | 着尺・帯
itonosakiさんにお納めした八寸も、秋の新色です。
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銀河シルクの山形斜文といえば。
itonosakiさんに、ご注文いただいていたのがこのお色。
タテ色は濃いグレー、ヨコ色は深いブルーです。
こっくりと。深まる秋に似合う青い鉱石『Lander Blue』。
夜明け前の、空の色のようです。
今日もイイ日になりますように!

早起きはあんまり得意じゃない(笑)、チームiwasakiですが・・・。
息子の部活の練習試合とかで・・・やたら早起きさせられた日には、こんな空にも空気にも出会えまして。
家族の、日々の些細な出来事に・・・巻き込まれたり翻弄されたりする中で、織りなされるモノもあるのだと。
この歳になっても。ぜーんぜん!思い通りにならないコトだらけの毎日ですが・・・(涙)。

iwasaki家の、暮らしの中で生まれてくる織物たち。
猪鹿駆ける山の中、築140年の明治の家で、iwasaki家の生活まみれ(!?)で生まれるこの織物が。
都会の中のオアシスのような・・・itonosakiさんで。
クールでスタイリッシュな帯として、凛と佇む姿が浮かびます。
by senshoku-iwasaki | 2016-08-27 21:39 | 着尺・帯
銀河シルクの山形斜文の八寸帯地、秋に向けての新色は・・・。
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煉瓦づくりの街並みのようなカラーです。
iwasakiの、今までに無かったニュアンスのあるものになりました。
蔦の絡まる!?古味を帯びた!?私(エツコ)の妄想の旅は、すっかり晩秋。
街路樹は、赤に黄色にチョコ色に・・・。夏は跡形も無く消え去って。

妄想の旅先で、すっかり日本が恋しくなりまして(笑)。
ひとつ制作したところで、クニヒサにバトンタッチ。
このほかにヨコ糸がアイボリーのタイプも、只今クニヒサ制作中です。
まだ夏は終わらないで・・・と思って帰って(!?)きたのに。
度々やって来る台風に、夏の終わりが憎らしくもなってみたり。。。

本当の秋が来る頃に始まる、染織こうげい・神戸店さんでの展覧会に向けて・・・。
糸の染色やら、整経もするクニヒサも。織ったり、絣を括る私も。
今を名残惜しみながら・・・キモチは次の季節に。
おっとそうだった・・・。
いよいよもうすぐ新学期の、我が家の子供たちも!(大丈夫・・・なんだよねぇ?大丈夫ってことで・汗)。
なんだか。毎年夏休み最終週は、我が家に巨大な暗雲が・・・。
by senshoku-iwasaki | 2016-08-23 21:35 | 着尺・帯
Hさまの杉綾織り紬。
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昨年の、染織こうげい・神戸店さんでの展覧会で。
iwasakiの杉綾織りの紬をご覧になって、『デニムのような感じ』でご注文くださったHさま。
本日ようやく織り上がりまして、機から下しました。
写真ではグレーのようにも見えますが。ヨコが紺で、いつもよりチョット太めのつむぎ糸。
小さな菱は、大きくなったり小さくなったり・・・私(エツコ)の心のまま(!?)に。

綾織りの紬は、iwasakiの定番でして。
タテ糸の密度もiwasakiの基準的な平織りよりも1.4倍あるし、ヨコ糸も1・4倍くらい入るので冬の単衣にも
向くように作ったのがきっかけです。
もちろん、袷ならより暖かいし。何よりしっかりしているのに、身体に馴染むしなやかなドレープがキレイです。
私(エツコ)にとって紬は、カジュアルなストリート系であり、仕事着でもあり、無地ならたまーにフォーマルに
も使ってしまいます(笑)。そんなとき、綾織りは織物力を一番感じます。垂れモノの着物より光ります。

平織りの場合もそうですが、綾織りの着尺はヨコ糸に玉糸を使うと、シャキッとした織物になります。
そして今回のように・・・まわたのつむぎ糸を使うとふっくらとした質感に。
着初めのうちは・・・
まわたの毛羽が少し出てくるのですが、そのうちにそれらが摩擦で落ちると光沢が生まれます。

質実剛健でロングライフ。なのに、キモチを揚げてくれるお洒落も楽しめる・・・。まさにデニムのよう!
そんなiwasaki秘蔵っ子(!?)の杉綾織り紬に、最高のイメージでのリクエストですからね。
毎日楽しく織らせていただきました。Hさまありがとうございますっ!
これから糊ぬき、湯のしを経て・・・完成いたします。

今年も。
染織こうげい・神戸店さんでは、10月に展覧会をさせて頂くことになっておりまして。
iwasaki工房では、機が空くタイミングも無いくらい(織り手は二人なのに、機は4台・笑)フル回転してます!
by senshoku-iwasaki | 2016-08-21 22:31 | 着尺・帯
Eさまの『入り江の波の格子着尺』。
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私(エツコ)が藍の着尺にかかっていたときに・・・。
クニヒサが取り掛かっていたのは、昨年Eさまにご注文いただいた格子の着尺。
タテの水色の縞は、グリーンよりのトルコブルー。ヨコはトルコブルー。
ベースは、タテがシルバーグレーで、ヨコはヤマモモで染めたアイボリー。
前回Sさまにご注文いただいた、ブルー系のこのシリーズのときとも違う感じになりました。
キラキラと穏やかに光る、瀬戸内の海が私には浮かびまして。
Eさまの、透明感あふれるステキな笑顔と勝手にリンクして(笑)眩しく眺めておりました。
私がかかっていたのは、江戸チックなものでしたので、グッとモダンに感じられました。
Eさまのイメージに近いものになってるとイイのですが・・・。

これらの仕事に掛かり始めた、6月中旬ころから・・・。
iwasaki家では、いろいろなアクシデントがありまして(オヨヨ・・・)。
7月に入ってすぐ、突如パソコンが壊れたり。
私はタブレットもスマホも無いので、1週間ほどカンペキに世間から切り離された状態で。
これはこれでイイかも!?とも思ってしまったり、いや、イカンとも思ったり(笑)。
先週はなんでか・・・選挙の立会人を頼まれてしまって(いや、他にいくらでも適任者がいるはず!
とか思いつつも)ぽっかーんと、13時間も!手指を動かせない時間の苦痛なこと(笑)。
つくづく。自分は織物以外なんにも出来ないクズだと、なんだか落ち込んだり。
中2息子の学校の三者面談では、テストの結果に・・・暑いのに背筋が凍る納涼体験を。
気がつけば。
今週から夏休み!?・・・だったのか~!と、これまたダメ母ぶりに落ち込み(涙)。

工房にはなるべく私情を持ち込まないコトにして(笑)。
青山のitonosakiさんにご注文いただいている、新色の銀河シルクの山形斜文八寸帯地を織り
進めながら・・・。今年も秋に開催される、染織こうげい・神戸店さんでの展覧会に向けて・・・。
新作の絞り絣のシリーズに取り掛かり始めました。
by senshoku-iwasaki | 2016-07-17 23:12 | 着尺・帯
湯のしが上がった・・・森くみ子さんとのコラボ着尺。
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昨日、郡上八幡の湯のし屋さんから帰ってきました。
サラサラと。ナカナカ良い感じの肌触りの、夏の紬になりました。
こちらは、タテに森さんの藍染め糸の中でも・・・一番贅沢な褐色(かちいろ)がベース。
紺よりも深く、赤味を孕んだその色は、代々徳川家でも愛されたという、『勝ち』の勝負色。
森さんは、藍の勢いのある状態のときに・・・わずか数回で染め上げるという、やっぱり贅沢な色。
ヨコ糸分は褐色が足りなかったので、ヨコ糸は『御納戸色』を。
前回の写真ではわかりにくかったのですが、しじらのような組織を・・・1寸ごとにひっそりと。
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タテにもヨコにも使った玉糸に、かなーり味があり・・・。その分織りにくかったのですが(笑)。
まるでホントに(!?)大好きな、江戸後期の織物のような風情になりました。
リサイクルが徹底していて、無駄が無かった・・・というiwasaki憧れの江戸時代。
森さんの藍染め方法は、江戸時代と同じ技法で極めてシンプル。
すくもに含まれる藍分を、甕の中の発酵菌をすべて生かして使い切る・・・『甕覗』といわれる一番
淡い水色も染まらなくなった液は、薬品を一切使わないので、最終的に土に還ります。

このヨコ『御納戸色』のタイプと、『瑠璃色』3越に『水色』1越を入れたバージョンと。
透け感もあり、涼やかな夏の織物になりました。
現代と江戸を、行き来するような夏衣になるといいなぁ。。。

JAPANBLUE SPACE  森くみ子 http://www.japanblue.info/
by senshoku-iwasaki | 2016-07-13 21:41 | 着尺・帯
森くみ子さんとのコラボ着尺。
阿波藍を、森さんの手によってたっぷりと蓄えられた絹糸たちが・・・ようやく2反の着尺になって。
先日水通しをして、砧打ちを済ませまして。郡上の湯のし屋さんに湯のしをお願いしました。
まずは森さんと、私(エツコ)の生紬から。
織っているときお腹のところに、わざと白い手拭いを挟んでいたのですが。
一反3丈4尺、約13メートル。1週間ほどかかって織るものですから、摩擦で真っ青になるハズ・・・
と思っていたのだけれど。意外にも。ほとんど青くならず、普通に洗濯したらキレイに真っ白に。
それは、この水通しをした後にも。
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今回は森さんから「最初はお湯にしばらくつけて、灰汁を抜いて欲しい」とのことで。
お風呂くらいの温度の湯にしばらく漬け込んだ後、水に何度か漬け込みまして。
そのとき反物を引き上げると・・・水は青ではなく、黄色のような色が少しでました。
そして何度か水をくぐった反物は、外に干して生乾きの状態でアイロンを当てまして。
そのときも。わざと真っ白い手ぬぐいを乗せてのアイロンがけでしたが。
これまた、ビックリするくらい青くならない(笑)。
手のひらには青が付くんです。でも、手は水で洗うと落ちてしまうので、色の付き方が違うのかと・・・。
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iwasakiの大好きな縞木綿は、江戸後期の京阪西日本に集中しておりまして。
私もクニヒサも。なんでか西日本にずっと・・・惹かれっぱなしなのもそのせいもあるのかもかも。
今回は昔の小倉木綿の縞を意識しました。微妙な藍のグラデーションが活きるかと。
織物らしい、だけど作家モノっぽくない無名な産地の織物っぽくしたかったのです。
森さんの藍を使うということは、iwasakiにとっては冒険です。
阿波藍は、高級品です。他の藍の追随を許さない、立派な理由があるからです。
まずは、お米や野菜と同じだけ手がかかる農作物でありながら・・・食べられないのに、広大な敷地が
要ります。そして収穫された良質の藍の葉っぱだけが、約100日かけて特別な『発酵菌』を持った『阿波
のすくも』となります。それを作り出せるのが、ごく数人の藍師と呼ばれるエキスパートでして。
森さんはその発酵菌のチカラを全て使い切る、無理のない藍建てをされる人。
正直なところ・・・。iwasakiは『高級』にはあんまり興味がなかったのです。
『高級』な食材で、『高級なお料理』を『最高級店』で食べるより、『ありふれた』食材を、『丁寧な仕事と
工夫』で美味しいお料理を作るシェフのお料理を食べられるほうが幸せだと思っているから。
出来ることなら、そんなシェフのような織物づくりがしたいので、『高級』だから阿波藍を使いたいと思った
わけではないのです。
森さんのお話しを聞いているうちに・・・いかに阿波藍が独特で、秀逸で。だからこそ江戸時代にどれだけ
の人の憧れの染料であったことか。その直後に、時代は明治になり合成藍が入ってきても阿波藍のブラ
ンド力を使って(!?)阿波藍をブレンドした合成藍の紺屋が全国に広まって・・・。
その中で藍は色落ちがする、という認識も広まったのではないか・・・という森さんの解釈に納得しまして。
森さんがそこまで愛する・・・阿波藍の『発酵力』を、全部出し切った森さんの藍染め糸だからこそ!
使ってみたい、出来たら魅力的な織物にして・・・このコンセプトに賛同してくださるユーザーを見つけたい、
そんな大冒険なのなのです。

水をくぐって、砧で打って、しなやかに変化した着尺。
まずは自分で使ってみてから。でも、使う前から明らかに・・・きっとこの摩訶不思議な藍が、好きになって
しまう予感だらけの(笑)楽しい制作期間でした。
この夏は、iwasaki家恒例(!?)ビンボー家族旅行に、森さんの徳島のアトリエも組み込まれまして。
今回織りあがった2反のうちから・・・森さんに気に入った方を選んでいただこうと思っております。
by senshoku-iwasaki | 2016-07-10 23:25 | 着尺・帯