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ジョーシキ知らず。
「えっと・・・26年度の食物アレルギー調査書って、コレね・・・。」
「かぁちゃん、そこにキノコと貝のアレルギーだって書いてくれよぅ」小5息子。
「何言ってんの!キライなもの調査じゃありませんって、先生に怒られるわ。
まーったく、離乳食時代から・・・できるだけいろんな味を記憶させときたいと思って、はしりや旬の
野菜に果物、魚介類・・・結構多種多様に取り入れてきたのにねぇ。
将来シェフになりたい人が、キノコと貝がキライって、おこちゃまが過ぎるでしょう・・・。
ハイ、大人は久々にボンゴレスパゲッティで、おこちゃまはナポリタン。」私。
「イイねぇ。あさり、久しぶり!」クニヒサ。
「あっ!アタリっ!お父さんにあげるね。」私。
「カニの入ってるヤツでしょ、私のとこにも入ってましたよ。」クニヒサ。
「かぁちゃんは、知らないほうが幸せなのかもしれないけど・・・。」息子。
「またお前のお得意の、まわりくどい話か(笑)?」クニヒサ。息子は幼児の頃から理屈っぽい(笑)。
「それにしても。このカニの入ったアサリって、アサリとしてもなんか痩せてる気がするし、
カニがうまいわけでもないんだけど・・・なんか入ってるとウレシイって不思議だよね。」クニヒサ。
「だから・・・。」モニャモニャと息子。
「何よ!言いたいなら言いなさいよ。キモチ悪いわねー。」私。
「じゃ、遠慮なく言うけど・・・。かぁちゃんが喜んでるそのカニは、
アサリが食べたばっかりのカニじゃなくてアサリに寄生しているカニなんだってば。
アサリの栄養を吸って、アサリを痩せさせて殺すこともあるのがそのカニ、『ピンノ!』」息子。
「お、お前・・・、その情報は、た、確かな筋のものなのかっ!?」アサリ落として動揺が隠せないクニヒサ。
「確かな筋って・・・学校の図書室の本に書いてあったし・・・」息子。
「学校でとってる、『小学生新聞』にも載ってた気がするから、わりと・・・ジョーシキ?」小3娘。
えぇっ~!!!百歩譲って、インドア派の息子はともかく、
日頃からサルの如く野山を駆けずり回る・・・体育バカと思っていた娘までスーッと沖に消えた気分。
潮が引いた海に取り残されたイワサキ夫婦。
アサリのカニに、茶柱が立ったみたいなトキメキを感じていた、私の44年間って一体・・・。
愕然とする私をよそに・・・調子付いてきた息子は
「なんと!ですね、寄生するカニに寄生するムシがいるんですよ。小さなアサリの中でキセイラッシュ!」
ダジャレもオヤジ臭くて忌々しい・・・。
「しょーこはね、兄ちゃんにも寄生虫いると思う!」今だに時々・・寝ぼけた息子に夜中起こされてる娘。
それにしても。
ジョーシキだったのか・・・。私の茶柱・・・(涙)。
by senshoku-iwasaki | 2014-01-30 20:55 | 岩崎のある日
糊付けする前の、まわたつむぎ糸。
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浜松のSさまと・・・お色の最終確認をさせていただいて。
サンプルで織ったヨコ糸より、チョットだけ赤味をプラスしたグレー。
梅春にピッタリの、穏やかなグレーです。

今日は昨日よりも風が無く、日差しも力強く・・・。糊付けには良さそうな日和。
クニヒサ・・・ふのりを煮溶かす間に薪を割り、庭のデコボコになった(笑)砂利を均し・・・。
「エツコさーん、身体を動かすと汗ばみそうですよ。」
ん・・・。なんか今朝から腰に違和感を感じる私。
こーゆー日は、『ムリをしない』が大正解!というのをそれこそ身体で覚えたので(笑)。
キュッキュッキュッ・・・と、カセに糊付けしているのも
パンパンパン・・・と、しょっちゅうカセを叩くのも
間あいだに機場に戻って、帯地を織りながら・・・
また外に出てパンパンパン・・・と、忙しそうに繰り返すクニヒサを眼で追いながらも。
日向で甲羅干ししている我が家のカメを見ながら、手を出さずにいたのだけれど。

午後、ふんわりキレイに糊の乾いた15カセの糸を大事そうに・・・抱えてきたクニヒサは
そのまま自分の機で帯地の続きを織り始め。
すっかり日陰になって、寒そうにバタンバタンと動き出すカメと眼が合って・・・。
仕方なく、カメの水を替えて持ち上げたとたん・・・!!

平らになった砂利の上で動けなくなった・・・バカな私(涙)。
一体今日の私は、何に細心の注意を払っていたのかしら~。

明日から腰を労わりつつ・・・Sさまの杉綾織り紬にかかります!
by senshoku-iwasaki | 2014-01-28 20:53 | 工程
富士宮・『芸術空間あおき』さんでの・・・
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『身を包む織物』展、無事終了いたしました。
おいでくださった皆さま、ありがとうございました。

新作の模紗織りのマフラーを気に入ってくださって・・・二つもお選びくださった方とか。
ご主人とお二人でそれぞれにマフラーをお選びになられて、さっそくお使いになって
またいらしてくださったご夫婦のお話とか。
有り難いことで、感謝のキモチでいっぱいです(涙)。

今日搬出をさせていただいた後・・・あおきさんご夫妻から会期中のお話や、
私にとって・・とっても興味深い、あおきさんの子育てのお話も聞きだして(!?)・・・
しまいました(笑)。
なんせ、あおきさんは4人の息子さんたちを、それぞれの進む道を見出させて
厳しくも温かく・・・それぞれの道に送り出し、見守ってらっしゃるお二人。
『芸術空間・あおき』さんは、敷地の真ん中に大きなクヌギの木々があって・・・
20年ほど前に、今のウチの子供たちくらいの小学生だったお子さんたちとともに
現在の土地でギャラリーを始められたそうで。
「何度もね、あの木にシジュウカラが巣を作ってね・・・子育てをするんですよ。
見てるとね・・・泣けてくるんだよね~。巣から飛び立たせるときはエサを巣まで運ばない
んですよ、チョット遠くでエサをくわえたまま見てるの。出て来い!飛べって感じでね。」

今日は、昼間はまるで春のような暖かさ。
力強く咲き出した、この蕗のようにiwasakiも進むべき道を、しっかりと歩きたいと改めて思いました。
せめて・・・我が家の子供達が自分で自分の道を見つけ出すまでは!
あおきさんをお手本に。
by senshoku-iwasaki | 2014-01-24 22:36 | 展示会・お知らせ
次にかかる、八寸帯の糸染め。
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大寒から立春に向かう・・・一年のうちで一番寒くて、でも日ごとに日差しが力強くなる
この二週間くらいがキライじゃないかも!?と思えるようになったのは、この数年。
首にはぐるぐるマフラー、アームウォーマー、レッグウォーマー、腰にはフリーススカート巻いて。
この冬知った、国産のシュラフメーカー『NANGA』のダウンベスト着て。

「エツコさん、どこまでが服でどこまで手足かわからないまるで・・・
どこかのゆるキャラみたいになってますね。」クニヒサ。
「寒いっ!んだけどね、近づいてる感じがするのよ。確実に。」
「さっき、糸干したときに・・・隣の梅が二輪だけ咲いていましたねー。
あと、ふきのとうも今期初、一つだけだけど見つけましたよ。」クニヒサ。
「おっ!やっぱり!アタシも今朝ヨモギがチロットだけ生えてるところ見つけたんだけど、
団子に入れるには少し過ぎるなぁ・・・と思ったんだわ。」

真冬の寒さの中で 『春』が、ほんの少しだけ顔を出したり引っ込めたり・・・・。
この季節の糸染めや、糊付けは(クニヒサの仕事なんだけど・笑)冷たくって大変。
でも、乾燥しているから・・・とてもイイ具合に乾きます。
昨年この、iwasakiの工房までおいでくださった、『川越きもの散歩』の方にリクエストされた
赤城の節糸がタテで、宮坂製糸所のキビソ糸がヨコの八寸に、埼玉の『いろどり』糸を散らした
新バージョンに、これからかかるクニヒサ。

着ぐるみが脱げる季節になる頃までに・・・
着ぐるみの下に蓄え続けている皮下脂肪を、どうにか燃やして暖をとりたいっ!
by senshoku-iwasaki | 2014-01-23 20:40 | 工程
御神楽舞の小正月。
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iwasakiの工房のある集落には、御神楽がありまして。
南部町内でも、御神楽が残っているエリアは少ないらしく・・・。
住まいを工房に移した、3年前。何やら早朝から外がザワザワ・・・と。
普段はシカやらサルしか出ないけど(笑)、首から見るからに本格的なカメラを下げた
シルバー世代を中心としたカメラマンがズラリといて・・・ビックリしたコトが。
今年はなんと!クニヒサも御神楽に誘われまして(笑)、篠笛でデビューです。

何で?でしょうか・・・。郡上踊りのときにもそう思ったのですけれど。
囃し方、舞い方、歌・・・それぞれ上手な方がおりまして、この日ばかりは惚れ惚れとするカッコよさ。
笛吹いてなきゃ、太鼓叩いてなきゃ、舞ってなきゃ、歌ってなかったら、
間違いなく・・・タダの酔っ払いのオッサンなのだけど(笑)。
全く呑めない、篠笛なんてほとんど吹けない・・・およそ祭りに見せ場の無いクニヒサですが
いやいや何年かしたら、この地区に今も語られる・・・『伝説』のひとりにならないとも限らない・・(笑)。
・・・それは無いかぁ・・・。

60軒ほどあるここの集落、道祖神が4箇所ありまして。
iwasaki工房の上には、市小路道祖神があります。
私(エツコ)は、なんといっても一番シンプルな丸い石のタイプが好きでして、市小路道祖神はこのタイプ。
なんてことない、丸い石に神様を感じた先人の、謙虚な心のカタチそのものようで・・・。
悪霊が入ってきませんように、疫病が入ってきませんように、この土地が生き続けますように・・・。
御神楽はその、道祖神を中心に・・・多いときで50軒は回るのだそうだけど。
高齢化も進んで・・喪中のお宅も多いので、今年は20軒くらいだったのだそうで。
大抵は、縁側から入って居間で御神楽を舞うそうなのだけど・・・。
我が家は一番広いところが機場なので(笑)、
「玄関の土間でやったのは、ウチだけでした」クニヒサ。
・・・知らなかったなぁ。そうだったのか。でも、来年も玄関で悪霊退散を、ヨロシクお願いいたします。
アルコール除菌かもしれませんが・・・(笑)。
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by senshoku-iwasaki | 2014-01-20 21:11 | 岩崎のある日
浜松のSさまの杉綾の紬。
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『赤味を帯びたグレー』がご希望のSさま。
意外と・・・難しいのが、赤味を感じる淡いグレー。

植物で染色する場合は、赤味の強い茶系の染液だったりすると
鉄媒染で赤味のグレーが染まったりしますが。
植物染めは、色味が時間と共に変化するのが特徴のひとつだったりします。
学生の頃、郡上では先生方が『色が老たげる』のだと話していて。
とてもイイ言葉だなぁ・・・とつくづく思ってすぐさまインプットされてしまったのですが。
あれは25年ほど前。
19、20くらいのときの私だもの・・・。
自分が45になるときなんて、途方も無いくらい先のコトに思えたし、
自分はそのとき、スゴイ(どんな!?・笑)オバサンなんだろうって思ってたから。
今はキレイな色でも、自分とともに地味になってゆくのならそれもアリだと納得したものの。
思ったよりもずっと早く月日は流れ・・・。
あっという間に・・・今年はあの日、想像どおりの!?45のオバサンの私(涙)。
私自身はともかく(トホホ・・・)。
回りを見れば、同世代もお姉さん世代も・・・みんなお若くってキレイなままだもの。
現代社会では昔より、植物染めの『老たげる』速度のほうが速いのかもしれません。

なので、色味からのご注文の場合は酸性染料(化学染料)を用います。
メーカーによっても色味が違うので、クニヒサ、イロイロ試して・・・今回初めてのメーカーのものに。
タテ糸総数1472本。
本日やっと機にかけるところまで・・・。これから綜絖に通して、筬に通して・・・
機にセットできたら、通し間違いがないか確認して(ここで間違いに気づき戻るコト多々・・・)
ヨコ糸を何色か入れてみて、Sさまのイメージに近づける予定なのですが。
しばらく・・・ビミョーな作業が続くので、私(エツコ)は新作ショールの房やら、糸つむぎやら、糸繋ぎ。
平行して準備をしておかなきゃいけない仕事なんだけど、なかなか進まない仕事のほうに配置です。

春までに
取り掛かる着尺の予定は、あと三種。うち二種はご注文のもの。
どうしても時間のかかるiwasaki。
お客様には長い時間お待ちいただくこともしばしばで、ご迷惑をおかけしていることもよーく・・・
わかってはいるのですが・・・。
お受けさせていただいたときに、みなさんある程度・・私達におまかせしてくださっているので。
その中でiwasakiらしさ、またそのお客様らしさがどうやったら出せるか?を二人して悶々と考えて
いる時間が長くなっちゃうのです。
ほんのチョットの糸使いだったり、色味だったり、僅かなコトだったりするのだけれど。
たくさんあるもののなかから、私たちに依頼してくださったお客様に、少しでもよかったなぁ・・・って
思ってもらえるように・・・気を引き締めてガンバっております!!
by senshoku-iwasaki | 2014-01-15 21:38 | 着尺・帯
iwasakiの『身を包む織物』展・・・
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富士宮市の芸術空間・あおきさんで、23日まで開催しております。
色のいっぱいあるもの、色のほとんどないもの。
平織りのもの、平織りじゃない組成のもの。
ふわっとしたもの、さらっとしたもの。
どれもiwasaki夫婦の4本の腕と、10本の指と、
二つの小さな(笑)脳みそから生まれたものです。
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我が家の、小5の息子の憧れの
富士市のイタリアンレストラン、『マーノ・エ・マーノ』さんから。
あおきさんでiwasakiの模紗織りのマフラーをお求めくださって纏われて
ご来店の客様が・・・と嬉しいお写真が。
南部町の工房から、こうしてタンポポの綿毛のように・・・ふわりと飛び立って
どなたかの身体をふんわり包む・・・なんて嬉しいことでしょうか!!
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芸術空間・あおきさんのスグ近くにある・・・青木平の貯水池から見える富士山。
元旦の日の富士山。ぼんやりとした、鏡のような水面の富士山がにっこり笑って
見えた気がしたのは・・・今年も脳天気な私(エツコ)だけ!?(笑)
by senshoku-iwasaki | 2014-01-11 21:04 | 展示会・お知らせ
宝物といえば・・・の供米袋。
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前回の古袱紗を、小母さんから戴く数ヶ月前・・・。
出会ってスグの26年前の春のこと。
当時通っていた学校は、バウハウスをお手本とした工芸の専門学校でして。
私(エツコ)は第1期生ということもあって、学校は何もかもピカピカのおNEW。
本校は飛騨高山にありまして、染織学科だけ郡上八幡にあったのですが。
春休み中に郡上入りをしまして、2日目にして齋藤さんと出会った私。
入学式は、本校のほうで・・・。
1週間のオリエンテーションは、本校の学生寮に泊まらせて貰うというコトで。
郡上八幡も初めてだったけど、飛騨高山も初めての街。心踊りました、ハイ。

「えっちゃん、高山はどうやった?」小母さん。
「楽しかったですぅ~!!古道具屋さんがイッパイあって。」私。
「古道具屋!?下手物なんか好きなんかん?」小母さん。
「カワイイのがあったんですよ~。ほら、パッチワークなんです。カワイイなぁ。」私。
「おまん、まさかそれ買うたんか?しかもカワイイって!?」小母さん。
「そーですよー。あ、でも結構迷ったんですよ・・・」私。
「買うか買わなんだでやろ?」チョット入れ食い気味に・・・小母さん。
「いやいや、もう一つだけ似たような巾着があって・・・。」私。
小母さん、急に立ち上がって。仏間の引き出しから何やら持って・・・。
「あっ!!同じだ!」私。
「えっちゃん、コレはな、お寺さんにお米持って行くときに使った袋やん。」小母さん。
「それでか!だから絹の着物の端切れをパッチ したんですねっ!
うぁっ!齋藤家のは流石ですね。虫喰ってますけどココ更紗だし、ココなんて帯地ですね~。
やっぱり敬意を込めて、端切れの中でもハレのものを組み合わせたんですね~。感動ですぅ。」繁々と私。
「それ、欲しかったらおまんにあげる。」小母さん。
「えっ!?でも齋藤家のが無くなる・・・」私。
「お寺さんに米持って行く時代じゃないわなぁ・笑。
えっちゃんが大事にかわいがってくれるなら、この袋縫ったご先祖様も喜ばれるわな。」小母さん。
「・・・。」
「でもな、えっちゃん、おまんはご両親から仕送ってもろてるんやで。無駄遣いは、だしかんで!」小母さん。

『だしかん』は、郡上弁で『ダメダメ』の意味。(笑)
これから始まった2年半の学生生活・・・。小母さんにどれだけ『だしかん!』を連呼されたことか・・・。
ただ小母さんには申し訳ない・・・。ビョーキはとうとう治らず今日に至っておりますが(笑)。

それにしても、齋藤家の供米袋。
文政八年・・・って、調べたら190年くらい前!!裏地の晒しは木綿ではなく上布のような麻。
ビョーキはとうとう治りませんでしたが、
二つの供米袋に出会っていなければ、あまり糸を繋げて繋げて・・・の着尺なんてゼッタイ作らなかった
だろうから。この袋にはよく・・・切り糸をどっさり入れた缶を入れて、リビングでチョットの時間に繋ぎ糸。
200年後、カワイイ!なんて言われたら嬉しいなぁ・・・。

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by senshoku-iwasaki | 2014-01-07 20:59 | iwasakiの持ち物
古袱紗といえば・・・の宝物。
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「えっちゃんが!?ほんにお茶習いたいんか?ほぅーか。ほぅーか。
私な、おまんには言わなんだけどな。本屋の奥さんからおまんがウチに来てすぐに
表と裏千家のそれぞれの解説本、買うとったって話聞いとって知っててん。
感心やわーって話してたんやで。・・・そやけど、おまんの性格からすると。
おまん、ホントは花嫁修業みたいな習い事、大っキライやろ?」

織物を勉強しに18で行った郡上八幡で、郡上入りした翌日の郡上散策で見学させて
もらった『齋藤美術館』。そのときに館主のご主人に、なんでか・・・受付のアルバイトに
スカウトされて。すっかり齋藤家の一員のごとく(笑)、出入りさせていただいていた私。
いやぁ。何が感激って、齋藤家の建物は町屋づくりの商家、それは立派な古建築で。
齋藤家はもともと・・・郡上のお殿様とともに茶人としてやってきたご先祖さまから始まって。
14代目のご主人は、お婿さんで。
えっちゃん、えっちゃんと・・・私を娘のごとく可愛がってくださった奥さんが齋藤家の血族。
郡上八幡町は、小さいけれど文化的な町で。町内で大体のものは揃うし、なんの不自由も
無かったのだけれど。齋藤家は町の中心に君臨していたし、齋藤さんの小母さんも中心的
存在の方だったので、何でもバレちゃうというのが難点といえば難点だったけど(笑)。
美術館では、代々の齋藤家のお茶道具を展示しているものだから、バイトの受付とはいえ
それらのお道具がどうやって使われるのかぐらいワカラナイのもどうかと・・・。
私なりに考えて・・・小母さんには、お免状が欲しいワケでは無いというコトと、
学生の体験の一環で教えて下さるどなたか・・・良い先生が町内でいらしたら紹介して
いただけないかと相談したときの小母さんの反応。
小母さんは、眼を細めて喜んでくれて。すぐさま素敵な先生を紹介してくださり・・・
お陰で私の郡上留学が、本当に充実したのは言うまでも無く・・・。

「ちょっと待って!お茶習うなら使うから、おまんにコレあげる。」
差し出されたのがこの古袱紗。
「私のお祖母さんの丸帯から作ったんや。チョット小さいんやけどな。私とお揃いや。」

小母さんはいつも心配そうに。
「おまん、学校卒業したらどうするんや?」
「おまんにとっちゃ、大先生の宗廣さんかて・・・そりゃぁ苦労なさってたんや。
そんな世界で、ほんまに生きてこうなんて思うとるん?」
実家の母よりよっぽど小うるさく(笑)、私のアパートの部屋がぐっちゃぐちゃなコトや
買い物の仕方に関して・・・私の将来を心配してくださった方。
反面。
「えっちゃんを見てるとな、ほんに羨ましいんや。おまんはどこまでも自由で。
そやけど、そんなんでおまんが女として幸せになれるんやろかとも思ったり・・・。」

小母さんには、旧家の血筋がゆえのご苦労も当然あるわけで。
郡上八幡で、齋藤家を継ぐために祖父母に育てられたのだとそのとき聞いて。
この古袱紗には、天国の小母さんと小母さんのお祖母さまが一緒に鎮座されてるようで。

25年ほど昔の、私(エツコ)の郡上時代の物語。
大好きな小母さんの古袱紗は、私の宝物。
by senshoku-iwasaki | 2014-01-05 21:31 | iwasakiの持ち物
古袱紗のような小さな敷物。
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今年のお正月は、チクチク手縫いをしております。
昨年の『日本の夏じたく』展に、iwasakiの生地見本のように・・・
チョットだけ出品したこれらの小さな敷物は、主に帯地などにかかったときに
コレ用に、少し長めに織って・・・。
仕立ては素人の(笑)、私(エツコ)がチクチク・・・と手縫いしたもので。
古袱紗と同じ寸法です。・・・ですが。
でもですね・・・。「茶道でお使いください」とは思っておりません(笑)。
そもそも。
古袱紗などのお茶道具における織物とは、『上等な布が良いでしょう。主に
金襴や緞子、間道など』・・・と言われるのですけれど。
金襴や緞子が上等なのはその組成、金糸などの糸量からもわかりますが。
間道といったら、縞や格子を指すものでして・・・。うーん・・・となるわけなのです。
利休格子と呼ばれる、間道などは艶の無い木綿のような質素な平織りの格子で。
およそ金襴とは対極にあるようなものです。
だけにきっと、奥が超深いのがお茶の道・・・なのだと思うわけですが。
布の断ち方も、無駄の無いようにとってあるので、『本式ではない』といえば
iwasakiの織物全てが『本式ではない』のかもしれない・・・と。

『本式とは何ぞや。』というギモンは、『茶道とは何ぞや。』というギモンとなり・・・
『着物とは何ぞや。』いや、そうなると『文化』とは??なーんてなっちゃうのだけれど。
流派やしきたりに関係なく、茶の湯の心は誰にでも持てるハズ。

夏じたく展で、この小さな敷物をお選びいただきましたギャラリー空箱さんに
今回お声をかけていただきまして。

1月9日~15日までギャラリー空箱ソラノハコ さんでの器の二人展に
ひっそりと数点出品いたします。
美しいうつわの敷物として、お使いいただけたら大変嬉しいです。


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ギャラリーソラノハコ
漆×木展

城崎月甫(漆)×河村寿昌(木)

2014.1.9thu - 1.15wed

12:00 - 19:00(最終日:17:00まで)
 
by senshoku-iwasaki | 2014-01-03 20:53 | 纏う布・暮らしの布