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銀河シルクの山形斜文八寸帯地、『漆朱』。
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愛知のHさまのご注文で、漆黒のタイプをつくりまして。
その漆黒のタテ糸で、ヨコに小豆色のキビソ糸を入れたこの帯地。
ヘーゼルナッツのようにも、漆の濃し布のようにも、酒袋のようにも、
光の加減で不思議な見え方をします。

かなり黒く染めた銀河シルクから・・・控えめながらも、しっかりと光沢
があり、ダイヤの菱形は見えにくいのですが見えてくる・・・。
この不思議な存在感、かなり気に入ってしまいまして・・・。
似たようなシリーズがつくれないかなぁ?と思っております。

銀河シルクの山形斜文のシリーズ、iwasakiでは定番で毎年何種か
制作しておりますが。その都度、色も山形の大きさもイロイロ・・・
変えております。その度に新しい発見がありまして。
こんな単純な織物なのに、まったく飽きません。
織物が深いのか、私がバカなのか・・・。たぶんどっちもなのだと(笑)。

性懲りもなく(!?)引き続き今日、機にセットしたのはシルバーグレー
に染めた銀河シルク。
明日からまた、新しい発見に出会います。
by senshoku-iwasaki | 2015-06-30 21:04 | 着尺・帯
いま、iwasaki家の床の間の部屋を飾るのは・・・。
尊敬する日置先生の布たちです。
私たちが織物を学んだのは、当時郡上八幡にあった専門学校でしたので。
内弟子に入って、修行したわけではありませんから(笑)
『宗廣先生に師事・・・』とかは無いのですが。
私(エツコ)が、特に強烈に影響を受けたのは、日置先生なのだと思うのです。
日置先生の生き方、モノのつくり方、考え方・・・が、今の私を支えてくれています。
日置先生は、郡上紬の職人として大師匠、宗廣力三氏の右腕でした。
私が学生のときには、宗廣先生は足柄に工房を移して・・日置先生は郡上紬を
引退されていて。畑に藍を植え、すくもをつくり、藍を建てて・・・藍染めをされて
おられました。
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郡上紬で晩年、日置先生が考案したタピストリーのサンプル。
グラデーションが効いていて、凹凸感も美しく・・・。
学生時代・・・高山の旧家のコーヒーショップで、外暖簾としてこのタピストリー
が何連にも掛けてあったお店を見つけたときは、『織物力』を改めて体感した私。
宗廣先生の作品もですが。昭和40年代~50年代の郡上紬のタテ糸の、
しびれる様な色糸使いが大好きなiwasaki。日置先生だったのかぁ~!と
知ったときには、もっとお話が聞きたくて二人してご自宅に乗り込んでしまったのに。
「う~ん・・・。織りのことはなぁ・・・。ぜーんぶ忘れてしまったんじゃよぅ・・・。」と。
「かわりに、えっちゃんにコレをあげる。とにかくなぁ、宗廣先生と一緒に仕事が出来て、
本当に楽しかったなぁ・・・。考えるのが楽しかったもんねー。」
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「今もね、手指動かしてると、アタマの中空っぽになってね・・・。」
と、当時・・・蒲団針でダイナミックな絞りを縫っておられていて。
それから数年後、今から20年ほど前に・・・岐阜の画廊での個展のご案内を頂いた
ときに、どーしてもいただきたくて。初日朝、クニヒサが夜行バスで岐阜まで出掛けて
譲っていただいたのが、DMになっていたこの作品、『樹』。
当時私たちが暮らしていた、千葉の県営住宅にはスケール感が全く合わないコトは
わかっていたけれど(笑)。
のびやかでおおらかで力強くて愛に満ちている・・・日置先生らしい、この作品と一緒
にiwasakiも立っていこう・・・と、我が家の守り神。
20年経って・・・。こんなにピッタリな家屋に自分たちが暮らすなんて!当時は考えも
しなかったなぁ・・・。
絣も絞りも。魅力なのは、その『足』にあるのだと思います。
『足』とは絞ったところと、絞ってない部分との中間の部分。不確かでハッキリとして
いない部分。その部分にこそ、手指とその瞬間の、時の神様が見え隠れしていると・・・
私は感じています。
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iwasaki、今年の秋の新作は、この『足』を感じる八寸帯地です。
『ほぐし織り』という技法を使って・・・。ひょんなご縁で私のところにやってきた、大師匠
のキモノ
が発端で、この企画がはじまったわけですが。そのキモノも日置先生がバリ
バリに関わっておられた時期のものかと思うと感慨深く・・・。
織りと染めの中間のような、チョット堅くてチョット柔らかい日置イズムも感じられる新作
になれば・・・と奮闘中なのです。
by senshoku-iwasaki | 2015-06-26 23:52 | 骨子・背景
朝練。
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先日織ったショール、sunriseのお陰(!?)で木枠に残った糸たちが
キレイに無くなって。工房の糸棚も片付きました。
これだけ木枠が空けば、かなり凝った縞の入った着尺だってOK!かな。
あーあ、このクーハンに息子が寝てたコトもあったなぁ・・・。
このところ・・・。バカ息子の先々を考えては、ため息の私(エツコ)・・・。

まだまだ・・・。
取り掛からなきゃならない八寸の帯地が何種かありまして。
クニヒサ、朝は8時前から工房入り。
帯地のタテ糸をグルグル・・・。整経をして、仮筬を通して・・・。
部活の朝練で、6時半に家を出る息子と、7時半に出る小5の娘。
往復2キロの山道を、2往復歩くことになってしまった私が朝練(笑)。
私が工房入りするのは、すっかり汗も引いた8時半くらいから。

早朝は獣の出没率も高いので・・・。まぁ、46歳のオバハンが同行したところで
そんな非常時に、何か役立つとはとても思えないのだけれど。
一応・・・息子のバカみたいな大荷物の一部を持って、なるべく大きな声で
おしゃべりをしての獣避け(笑)。

「部活の朝練って言うけどさ、あーた(ソフト)テニス部なんでしょ?
学校からテニスコートが1キロくらい離れているけど、そっちに集合なの?」私。
「朝はテニスコートには行かないよ。時間が無いから。」息子。
「じゃ、何すんの?」私。
「体育館で腹筋とか・・・。」息子。
「なぬぅ~?腹筋なら各自、家で出来るじゃんっ!」私。
「まぁ・・・オレは一年だし、滅法ヘタクソだからね。でもホラ見てかぁちゃん!
指のマメがつぶれたんだ・・・。」息子。
「おおっ!でも頑張ってんだ、素振りか?ん!?・・・・なんで指先?」私。
「放課後の練習ではさ、先輩の球拾いと、ボールの空気入ればっかりなのよ。」息子。
・・・もしかして、あのプシュプシュ(!?)で出来たマメ?あわわ・・・。

『日本の夏じたく』のときに、中間テスト直前にも関わらず・・・祖母宅でまったく勉強
しなかったバカ息子。自業自得のものすっごい結果に(涙)、私にゲーム機、マンガ、
娯楽の全てを取り上げられて(笑)、リベンジを約束させられた息子なんだけど・・・。
息子自身、変身願望なのかどうなのか・・・。
小学校のときから、忘れ物を回避するために鞄に全部の教科書、ノートを持ち歩く癖
があり・・・そのくせして忘れ物はしょっちゅう(涙)。
その、鉄のように重たい鞄の中には『松岡修造の修造思考』が・・・。
テニスじゃないんかいっ!!
by senshoku-iwasaki | 2015-06-23 21:41 | 岩崎のある日
一昨日、無事Sさまに納品もできまして・・・。
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ホッとしておりますiwasakiです。
でも本当は、キモノになったこれを・・・Sさまがお召しになって
しばらく経って・・・うっかりこの存在も忘れそうになった(!?)頃・・・
「あれ!?これ、やっぱりヨカッタわ~」なーんてSさまに思って
いただける日が来たら、それは一番幸せです!!
最初の印象よりも。
一緒に時を過ごしていくうちに、いつのまにか寄り添うような織物
になったらイイなぁ・・・と希っておりまして。
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今日、私(エツコ)が織り上げたこの八寸の帯地も。
最初の印象は、きっとホントに何てこと無い(笑)・・・かも!?
でもでも。
ゆるゆるのど真ん中、最中のような直球を抛ってみたつもりです。
クニヒサが経てたタテ糸は、カラフルにいろんな色が入っています。
緯吉野の組成は、ヨコ糸が出るので・・・一見はわかりにくいのですが。
よーく見ていると、いろんな色を感じます。
とても『織物的な織物』になったと思っています。
永ーくお使いいただくうちに、当たり前になり過ぎて気づかなかった
ってコトに気が付いて。
なんだかしみじみ嬉しくなっちゃうような日が、ひょっとして来るんじゃ
ないかなぁ・・・。来て欲しいなぁ・・・。そう思って織っておりました。
by senshoku-iwasaki | 2015-06-20 19:56 | 着尺・帯
絹と苧麻と楮糸の緯吉野八寸帯地。
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神戸のTさまからご注文いただいたこの帯地。
もともとは半巾帯で制作したものでした。
自然布と呼ばれるような、木綿以前の天然繊維の織物は
土地土地の風土に根ざした『産地』のものですが。
iwasakiは、いつかどこかのだれかが・・・ありあわせの素材を工夫して
生きるために作られた、たくましくて美しい織物をお手本にしているので。
『産地』では作らないような、交織も面白いと思って以前から・・・そういった
素材が手に入ったときに作っています。
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この半巾帯、私(エツコ)が先月の『日本の夏じたく』で締めておりました。
いつもは、新しい規格の帯地のサンプル的に私用の半巾として・・・(強度や
締め心地を試すために)使っているので。販売用は4メートルで制作して
いるのに対して、3メートルくらいだったり・・と寸足らずのコトも多いので専ら
貝の口ばっかりの私ですが(笑)。
お婆ちゃんのような、職人スタイルとしての着物が大好きなのもあります。
しかし、なんとコレは正規品!今度は長くてぇ~と困っておりましたら・・・
着付けをしていただきました。
確かに。
こういう結び方をすると、生地がたっぷり見えますので。
素材の質感がより、見えてきます・・・。Tさまが半巾ではなく、八寸で欲しい
とおっしゃってくださったのもこういうことだったのですね。
八寸なので半巾のときよりも、緯吉野の巾を大きくして。
絹だけのバージョンで今度は・・・秋らしい新シリーズに取り掛かっております!
by senshoku-iwasaki | 2015-06-15 21:31 | 着尺・帯
染織こうげい・浜松店さんより・・・。
嬉しいお写真が届きました~!
染織こうげいさんのお客様方のお仕度・・・。
今回は、半巾帯と九寸帯地。
毎度のことながら・・・iwasakiの帯たちがググッとステキになって!
制作者といたしましては、ドキドキしつつ最高に嬉しく思っております。
なんといいましても。
こうげいさんでは、iwasakiも尊敬する大先輩の先生方の作品を
たくさん紹介されているお店ですので(汗)。
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藍のグラデーション縞と、絣が美しくも爽やかな・・・
青戸柚美江先生のお着物に締めてくださっているのは、
緯吉野の「メンデストライプ」の半巾帯。
これほど『夢のある普段着』は!!
無類の(笑)『何でもない日好き』のiwasakiとしましても
本当に有難く嬉しく思います(涙)。
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こちらもまた・・・大変『夢のある普段着』、松枝玉記先生の久留米絣に
iwasakiの緯吉野の半巾帯です。
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やわらかな貝紫の縞のお着物に合わせてくださっているのは、
緯吉野の「車道と歩道」の半巾帯です。
右の方は、久米島紬にiwasakiの吉野格子の九寸帯地、
「イヅレアヤメカカキツバタ」を合わせてくださって・・・。
こちらは、2年前に初めてこうげいさんで展覧会をさせていただいた
ときにお選びいただいたものです。こうしてお使いくださっているお姿
が嬉しくて・・・。感激なのです。

染織こうげいさんでの展覧会。
今年は10月に予定しております。実はiwasaki、今まで禁じ手(!?)
にしていました新しいシリーズに取り組んでおりまして。
織り上げてみないと、まだどうなるかもワカラナイものだから(涙)・・・
途中段階もブログにアップ出来ずに(笑)、悶々と作業を進める日々。
手間がかなりかかっているだけに、失敗だったら相当落ち込むなぁ~
と。どんよりしかけておりましたが、今回こうげいさんからのお写真で
また元気になりましたっ!!
秋に、新しいiwasakiもお見せできるよう・・・ガンバリます!
by senshoku-iwasaki | 2015-06-10 21:28 | 着尺・帯
東京・調布 藤屋の『南瓜最中』と、石川・小松 御朱印の『富樫最中』。
先日・・・またまた頂いてしまいました、最中たち。
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「エツコさん、コレは近所のお店のものなんです。」
と、Nさまから手渡された包みを開けると・・・。
掛け紙いっぱいに描かれた、見覚えのあるかぼちゃの絵と文字。
おぉぉ・・・こ、これはっ!ひょっとして武者小路実篤先生ですかっ!

こちらの藤屋菓子店さんは仙川にあり、仙川に移り住んだ武者小路
実篤氏に、屋号の掲額『フジヤ菓子店』と書いていただいたのをきっ
かけに・・・この『南瓜最中』も誕生したそうで。
実篤先生のかぼちゃそのもののような、ゴツゴツっとしたカタチの皮
はフワっとしつつパリっと、中の餡はやわらかめ粒餡に求肥入り。
とってもバランスのよい・・・おそらく誕生から半世紀くらい経つので
しょうか・・・。きっと当時と変わらないこの最中を、実篤先生もいっぱい
食べたんだろうなぁ・・・。頬張ったとき、やっぱり目は閉じたかなぁ・・・?
人は、生まれ育ちは選び取れずに出てくるわけだけど。
実篤先生のような、お育ちに憧れつつも。そーゆー方だから表現できる
世界観を、ド平民だけど(笑)現代人のアタシは、安い文庫本で知るコト
ができて幸せだなぁ・・・と、高校時代に思ったコトを思い出しました。
そこから30年・・・。実篤先生もきっと幸せを感じたに違いない、この
美味しさを共有できて。またまた幸せを実感いたしました!
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「エツコさんが最中好きと聞いて・・・。百貨店の地方銘菓コーナーで
見つけました!」とEさまから頂いたのがこちら・・・。
石川県!私はまだ未踏の地ですっ!行ってみたいな、北陸地方!
株式会社 御朱印とありましたので、個人規模の和菓子屋さんのもの
とはまた違うオーラ(!?)も感じます。
これって、私のものすっごく個人的な思いなのだけど・・・キモノとか
でも「個人名のようなんだけど、メーカー」という製品に近いものを
感じます。ちゃんと会社で、たくさんの職人さんが関わってできている
ものだから、完成度が低いワケが無いっ!そーゆーオーラなのです。
iwasakiのように、メーカーみたいな名前のくせして実は二人っきり
で作ってるというのの真逆ですね(笑)。

カタチがキレイです。香ばしい皮に、粒餡。
最中の王道のような最中です。粒餡のほかに抹茶餡もあります。
多くの方々に愛されてきている最中、という感じです。

Nさま、Eさま、おごちそうさまでした。
iwasakiは個人規模だけど、気概だけはメーカーのように(!?)
織物も素材のチカラを最大限に引き出して・・・真ん中つらぬく独自
の世界観を目指したいと思いますっ!
この美味しい最中たちのように・・・。
by senshoku-iwasaki | 2015-06-06 22:39 | 最中
織り上がったばかりの、『Sさまの格子の紬着尺』。
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ようやく織り上がりまして。
クニヒサ、機からはずしました。
緯吉野の組成で入った部分が、控えめにキラリと光ります。
細長いシンプルな格子のなかに、ブルーの交差、少し光る段。
予定よりも・・・かなり時間オーバーになってしまいました。
Sさま、遅くなってしまってスミマセン!!
明日の便で、郡上の湯のし屋さんにお送りして最終の仕上げ
をしてもらいます。
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この、緯吉野を散らしたシリーズの着尺。
秋までに・・・またタイプの違うものを作ろうと思っています。
毎年展覧会をさせていただいている、『染織こうげい』さんで
今年は10月に神戸と浜松で展覧会を予定しています。
9月末には、『日本の夏じたく』メンバー10名と、代官山ヒルサイドテラス
で『観月』をテーマにグループ展も。

iwasaki、また新しいシリーズに取り組み始めておりまして・・・。
まだまだ途中段階。きっとまだまだ初期段階(涙)。
うまくいくとイイんだけどなぁ。
by senshoku-iwasaki | 2015-06-03 20:59 | 着尺・帯