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『只此の一つ』。
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雑誌『民藝』を知ったのは10代の終り、郡上での学生時代の頃。
当時は定期購読をして、バックナンバーも気になる辺りから求めて。
帰省のときは、神田の古本屋街でクニヒサと古い号を探したり。
南部町に暮らしてからも、時々・・・持ってない古い号がネットに出ていたりすると買ってしまいます。
八百万の神様を信じている私(エツコ)ですが、最も影響を受けていて。
たぶん死んで肉体は滅びても(笑)、この思想は私の中に残っちゃうんじゃないかなぁ?と。
毎日ではありませんが。時々手に取ってパラパラと読むと、その都度新鮮で。

その日たまたま手にしたのは、柳悦孝さんの吉野格子の八寸帯地(・・なのかなぁ?)ざっくりとした、
まるでヨーロッパの、素朴なクロスの刺繍のような吉野格子が表紙の、昭和36年の12月号。
この年の5月に、柳宗悦さんがお亡くなりになった年でして。私はまだ、この世に影も形も無い年です。
そこに遺稿として『只此の一つ』というお話が。
 ー 今朝、ふと隣室のラヂオから私の病室に、英国の民謡「ホーム・スヰートホーム」が聞こえて
来ました。- 
で始まる、宗悦らしい分かりやすい言葉で宗悦も大好きなこの歌は、当時からざっと半世紀ほど前に
イギリスのアデリナ・バッティーという歌手の十八番で、バッティーといえばスヰートホーム、
スヰートホームといえばバッティーと言われるほど、聴衆は聴きたがり、またバッティーもそれに応えた
という話から『只此の一つ』に活きると、何を作っても悉く美しくなる・・・それはつまり作り手の
『只此の一つ』の心が美しさの源をなしているといえましょう。という内容でして。


その晩、夕食のときにクニヒサにその話をして。
「たぶんさ~。前にも読んだのかもしれないけど、へぇ~って思ってさぁ~。『ホーム・スヰートホーム』
ってどんな曲?って思ってググってみたら、『埴生の宿』なのね。つくづく本当に首尾一貫な生き方だと
思って・・・。」私。
「はにゅうのやど?って何?」クニヒサ。
「えっ!?うっそ?『埴生の宿』だよ。♪ルルルールルルル~」鼻歌で私。
「益々ワカラナイ(笑)。」クニヒサ。
「かぁちゃん、オレもワカラナイ。」中3息子。
「かぁつんの鼻歌で育ったから、しょーこ音痴になったんだわ!」中1娘。
「何をおっしゃる、おサルさんよっ!あーたは生まれたときは、おっぱいも忘れて死んでるんじゃないかと
思うくらい寝続けて。動き出すようになったら、今度はあまりにも運動量が多くて(笑)、突然バタンと
これまた死んだんじゃないかと思うような電池切れで。どこでも爆睡して・・・。
あーたには子守歌も、お休み絵本の読み聞かせも。あたしゃ、何もしてないわよ。あれ!?もしかして。
あーたのジャイアンばりの音痴がバレたん?」私。
「そーなの。しょーこのことモンチッチって呼ぶ男子がいてね。ま、スルーしてたんだけど。
今日音楽でさ、合唱練習でそいつの近くで。歌い終わってボソッとしょーこに、『オンチッチ』って。
敵ながら上手いコト言うなぁと思って、不覚にもブッって笑っちゃったんだよねぇ~。
したら、すんげぇドヤ顔してて。
でもみんなモンチッチ知らないから、ディスられた上に、しょーこがスベったみたいな空気になって!
最悪でしょ~。」娘。

結局。
『埴生の宿』メロディーを聴いても、我が家では誰も知らず。。。
「誰でも知ってゐる曲」と宗悦が記述してからざっと半世紀。
モンチッチは、私が小学生だったからざっと40年・・・。
「みんなが知ってる」は、いつかモヤモヤと・・・みんなの記憶から消えてしまうかも!?だけど。
この『民藝』のスピリッツは、きっとずっと時を超えて引き継がれて。
『只此の一つ』は、宗悦の魂なのかもしれないと改めて読み返したりして。
この号、興味深くて。
この年の民芸館展入賞者に、大師匠の名前を見つけて。
織物の部の、柳悦孝さんの講評の中に、~この郡上の宗広さんの仕事は一番織物の玄人の仕事となって
きている~とあり、若かりし日の大師匠が、ここから駆け上がっていった様子が浮かびまして。
きっと。毎日苦しくて、楽しかったに違いありません。
それは今のiwasakiも。





by senshoku-iwasaki | 2017-10-31 21:59 | 岩崎のある日
来月末からのギャラリーkujiraさんでの『秋・優しく包むニットとストール展』に向けて。
ストール展なのに、せっせとブランケットを織っています(笑)。
ギャラリーkujiraさんでは、
今までに帯や着尺、絹のストールなどを出品したことはあるのですが。
大判のウールのタイプは、季節的に無かったもので・・・。
kujiraさんからブランケットのリクエストもあり、今年のカラーで制作中なのです。
幅広でボリュームのあるブランケットは、4枚ずつの少量生産でして。
織るのもアーチいっぱい使っての、重労働。夜の寝つきが更に良くなります(笑)。

今年は。
秋という季節を一気に飛び越えて、いきなり冬がやって来たものだから・・・。
絹となめらかで肌触りの良いウールとの交織のショールや、マフラーよりも先に
ブランケットが!一部の(心優しい少数派!?)iwasakiユーザーさんの中では、
盛り上がってくださっているようで。。。
お世話になっている、染織こうげい・浜松店さんからもリクエストが。
それはとっても嬉しいことで。ラドナー種のウール糸を、追加で注文しまして・・・。
さて・・・作れるかなぁ?(汗)。
キモチと。時間と。体力と。

kujiraさんは4人展だけど、ストール・マフラー展ですから。
ちゃんと(!?)ストール・マフラーも制作中ですっ。
昨年も一昨年も制作した、冬の楊柳ストールの準備も進めながら。
もうすぐ10月も終わってしまうのね~!と近正千広さんのコヨミをオヨヨ・・・と眺め。
何よりも。今年があと2枚で終わってしまう・・・と、また千広さんのコヨミでウルウル。

あとどれ位織れるんだろう?
何を織っているときも、ふとよぎるから。
一越一越キモチを込めて、先に進めます!


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秋・優しく包むニットとストール展
11月29日(水)~12月9日(土)
10時~18時 定休日 日曜日・月曜日
ギャラリーkujira
ニット 田中明子
ストール・マフラー 洲崎英美 岩崎訓久 岩崎悦子

ギャラリーkujira
愛知県刈谷市御幸町1‐301



by senshoku-iwasaki | 2017-10-28 21:44 | 纏う布・暮らしの布
Mさまのご主人のマント地は、絹×カシミヤです。
クニヒサが神戸に出ている間・・・私(エツコ)が織っておりましたのは、Mさまのご主人のマント地。
随分と前からリクエストを頂いておりまして。
ようやく取り掛かることが出来ました。
タテに節のある玉糸と生糸を、紫がかったチャコールグレーに染めまして。
ヨコはご主人のご希望でカシミヤです。
ヨコ色はライトグレーなのですが、光の加減で茶っぽくも見えます。

服地としてあるカシミヤ地は、製織後に縮絨をあてるので、織り用のカシミヤは編み用のカシミヤ
よりも肌ざわりが良くないのですが。
iwasakiでは10メートル以上ある生地を、縮絨するような設備も技術も無いので・・・。
編み用の、トロトロのカシミヤ糸をヨコ糸に使用して。
雨続きのお天気の、合間を縫って湯通しをして仕上げをします。
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Mさまは、iwasaki初期の頃からのユーザーさんのおひとり。
サカタと3人でekkaとして年に一度、iwasakiの手織り地でサカタのデザイン、仕立てのコートなどを
制作していました。
15年ほど続けてきたのですが、サカタの体調や家族の事情などなどで、最近は出来ておりません。。。

が、Mさまはご注文頂いてからお納めするまでの間に、次のご注文をくださる・・・サイクルでしたから
追い付かず(笑)。サカタが止まっている間も、Mさまは継続中だったもので。
またMさまも気長にお待ちくださったので・・・。
現在はサカタ、体調と時間と相談しながら・・・Mさまの発注分を少しずつお納めしているカタチです。

Mさまのトンビコートを制作している頃から、ご主人から「ボクはねハーフサイズでいいんだけどね。」
と控えめに(!?)でも「・・・お願いしますね。」とおっしゃってくださっていて。
ようやく生地の準備が出来まして、ホッとしています。
ご主人が気に入って下さるといいのですが・・・。
織り生地は、しばらく寝かせてからでないと鋏を入れられませんで・・・。
織りたては糸たちが元に戻ろうとして大暴れするそうで、サカタに送るまで織地を落ち着かせます。

織っている間も。
フワフワでトロトロ。なんて幸せな肌触りなのかしら~!と癒されながら。
Mさまのご主人のマント姿を思い浮かべて。織り上がりがチョットだけ・・名残惜しかったです。。。


by senshoku-iwasaki | 2017-10-25 21:20 | ekka
Sさまのまわたを紡いでいます。
Sさまから着尺ご注文のご相談をお受けしたのは・・・2年ほど前の増孝商店で。
清野恵里子さんの本のなかの、細い縞のイメージで。
清野さんのその着尺は伊兵衛織りでしたので、同じような規格でお作りすることも出来ますが・・・。
糸が太いので重くなるとお話しをすると、iwasakiの通常の紬くらいの規格がお好みとのことで。
本では淡い茶にこげ茶のような縞でしたが、その後何度かSさまと増孝商店でお話しを重ねて。
縞は紫っぽいチャコールに決まりまして。
ちょうどそのときに(ほぼ暇な商店なので・笑)、私(エツコ)が愛用の久米島式まわたつむぎ台で
マーブルのまわたつむぎ糸を紡いでいたもので・・・。
そのお話の中で「実家に確か・・祖母が作ったっていう、まわたがあったような・・・?」Sさま。
もしよければ、そのまわたからとった糸を散らしましょうか?
「ホントですか!?じゃ、こんど帰省したときに見つけてきます!」Sさま。

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Sさまはいつお会いしてもナチュラルで、とてもやわらかな方。
ご希望のお色味も、どちらかというと渋めなので・・・。ベースの淡い茶は、工房庭のシャリンバイ
とヤマモモで染めまして。そのまわたも!
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染めない白いままのまわたと、濃淡に染めたまわたを合わせて・・・オリジナルの絹糸を。
Sさまにお預かりした、おばあ様の作った角まわたは約100g。
ヨコ糸のつむぎ糸は、全部でも400g無いくらいなので。分量としては少なくはないです。
紬のヨコ糸のベースに使うつむぎ糸よりも、チョットだけ太く紡いでいます。
一見では分かりにくいけど、実はひっそりと。おばあ様を主張させる作戦なのです。

Sさまのお母さまのお嫁入りのときに、おばあ様が作って持たせた角まわただそうで。
おそらく半世紀以上経っているかと思うのですが。
とってもキレイ。繊維はまったく傷んでおりません。。。
嫁ぎ先で娘が使えるように・・・。まわたは、布団にも着物にも絹ならではの保温材だもの。
おばあ様は、まだ見ぬ孫のSさまのことも想像しながらこの角まわたを作ったに違いありません。
きっと。
Sさまが生まれたときのお布団にも一部使ったんじゃないかなぁ・・・?

脈々と。
細く柔らかく繋がるこのまわたのように、今度はSさまの着尺になって。
Sさまは、二人のお嬢さんとまるで姉妹のように仲良しだもの。いつかお嬢さんたちも着たい!
と思うような「何てことない」万筋の紬を目指しながら・・・。

結構な量の糸紡ぎ。久々で嬉しいのです。
なんといっても!休憩のティータイムには、こうげいさんに頂いた『ご存知仙太郎最中』に、
Rさまからも頂いてしまった・・・とらやの最中も!
お陰様でずんずん捗っております。

神戸から戻った翌日・・・集落の御宮の秋祭り当番で雨の中準備をして。
その翌々日は、来年の『日本の夏じたく』の打合せと、蔵前の住まいの改修設計をお願いしている
つみき設計施工社さんとの打ち合わせで上京しまして。
帰りに東名の事故渋滞で6時間かかって(涙)。クニヒサ、とうとうダウンしてしまいました。。。
お疲れ気味のクニヒサもしっかり休息をとって、美味しい最中を食べて(笑)。
いよいよSさまの紬に掛かります。




by senshoku-iwasaki | 2017-10-20 22:31 | 工程
お陰様で染織こうげい・神戸店さんでの展覧会、終了いたしました。
今年で4年目となりました、こうげい・神戸店さんでの展覧会もお陰様で終了いたしました。
会期中、お天気があまりよくなかったにもかかわらず・・・iwasakiをお召しになってお着物でいらして
くださったお客様もありまして。本当に嬉しくありがたく思っております。。。

毎回同じようなコトを書いているかも!?な私(エツコ)ですが。ほんとうに。
こうしてお召しくださったお姿のお写真が、iwasakiの宝物。明日への糧となります。
おいで下さった全てのお客様、こうげい・神戸店のスタッフの皆様に感謝申し上げます。
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Rさまは昨年の展覧会で銀河シルクの山形斜文三色の段の八寸帯地と、
杉綾織りの着尺をご注文くださって。
初夏に帯地を、初秋に着尺をお納め出来まして・・・。お時間をいただきましたのに、
とっても喜んで頂き素敵なお便りも(涙)。とてもお似合いです!
この写真は初日に撮らせていただいたものですが、Rさま3日目にもまたいらしてくださり。
「一昨日着たあの着物を、着物ハンガーに掛けていたらね。いつもは何も言わない主人が
『この着物はイイ』って言ってくれたの。それで岩崎さんというご夫妻が作っていて、一年がかりでお願い
したものだと伝えたら『色違いで欲しいのなら、頼んでおいたら?』って。
ならば主人が忘れないうちに直ぐお願いしようと(笑)思って、また来ました!」と。
来年秋までに、淡いお色の杉綾織りの着尺の嬉しいご注文を頂きまして。
Rさまを思い浮かべながら・・・また一年、楽しく準備を進めていきたいと思います!
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神戸店での初めての展覧会のときに制作した、『青木間道をモチーフにした八寸帯地・アポロチョコ』を。
ショールも以前制作した『shawl,shawl,soul』です!iwasakiではピンク系は少ないのですが、これまた
とてもお似合いで。「あらピンク系少なかった?じゃ、私ピンク好きなのかもネ・・・」

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Kさまも昨年ご注文くださり、この秋にお納めさせていただいた杉綾織りの着尺。
織っているときにも、織り上がってからも。写真に撮るのが難しかったお色だったのですが。
クニヒサ曰く「Kさまの杉綾、ホント凄かった。まず光沢がまるで天蚕のようだったのよ。」
あーわかります、わかります。淡いお色ほど光沢が美しく、そして綾織りだからこその
ドレープが、生地の質感をより際立たせてみせるのですが・・・。これまた不思議なことに。
お召しになる方の、オーラみたいなもので見え方が変わるのです。
オーラみたいなもの。その方の持っているお色なのかもしれません。
とか感じるコトはできても、自分のカラーはまったくワカラナイ私です(涙)。

クニヒサが滞在した3日間、とにかくお天気があいにくな中・・・。
お運びいただきましてありがとうございました。
心より感謝申し上げます。


by senshoku-iwasaki | 2017-10-18 22:27 | 展示会・お知らせ
染織こうげい・神戸店さんでの展覧会、明日までとなりました。
12日より始まりました、染織こうげい・神戸店さんでの展覧会も明日(月曜)まで。。。
12・13・14日と・・・クニヒサ、神戸店さんにお邪魔してきました。
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神戸店さんも今年で4年目となりまして。
初めての年からiwasakiの織物をお使いくださっているお客様も、初日からいらしてくださったりと。
今回も温かなお客様と、こうげいさんのスタッフの皆さまに感謝でいっぱいです!
新しいシリーズも試みも。楽しんで頂けたようで・・・留守番の私(エツコ)もホッとしています。

よーく見ないと気づきにくい(笑)、チョットわかりにくくてマニアックなiwasakiの織物たちですが。
こうげいさんのお蔭で、神戸でも少しずつ・・・素敵なユーザーさんの元へ嫁ぎまして。
そんなユーザーさんたちとお話しが出来て、嬉しい3日間を過ごさせていただきました。
昨晩遅くに南部町に帰ってきましたクニヒサに、会場での話をたくさん!聞きまして・・・。
私も一緒に会場に居たような気になって(もしかして織り目の何処かに私の分身がいたのかも!?笑)。

今年のiwasakiも、神戸では明日までです。
お近くの方や、神戸方面にお出かけでご興味がございましたらぜひ!





by senshoku-iwasaki | 2017-10-15 21:23 | 展示会・お知らせ
いよいよ明日から、染織こうげい・神戸店さんでの展覧会が始まります!
10月12日(木)~16日(月)までの5日間です。
染織こうげい・神戸店さんでは、今年で4年目のiwasakiです。
今年は帯も着尺も、織り半襟もブランケットも、模紗のショールも!!いろんな『織り』が揃います。
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写真は、新しい『青木間道をモチーフにした八寸帯地・篠竹』。
篠竹は、機織りで重要な綾を置く「綾棒」の素材でもあります。
細い竹が群生しているような・・・銀河シルクがキラリと光る、竹の縞です。

明日初日から14日の土曜日まで、クニヒサがこうげい・神戸店さんにお邪魔いたします。
染織こうげい・神戸店さんは、三宮にありまして。
産地の希少な織物や、染織工芸の諸先輩の作品が充実の専門店です。
iwasaki、関西方面での展覧会はこうげいさん以外では皆無ですので・・・。
よろしければお出かけくださいませ!



by senshoku-iwasaki | 2017-10-11 20:33 | 展示会・お知らせ
『帯揚げにもなるストール・小弁慶』も秋冬カラーです。
このサイズのストールは、もともとiwasakiでは絹のマフラーとして作っていたものですが。
染織こうげい・浜松店の佐浦店長さんが、帯揚げとしてもステキに使ってくださっていることから・・・。
こうげい浜松店さんでは、そうやって楽しんでお使いくださるお客様が一人二人・・と増えまして。

何でもないフツーの日をこよなく愛し、一見何てことはない織物の織物力を信じているiwasakiに、
ルールなんてそもそも皆無だから。帯揚げはこうあるべき!みたいな先入観を抜きにして
自由にフツーの日を、一緒に謳歌してくださる仲間が出来たみたいで・・・
私(エツコ)はとっても嬉しいのです。
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春の浜松店さんでの展覧会では、パステルカラー系の小さな弁慶格子を出品しまして。
ラムネ菓子のようなポップな小弁慶でしたが。
今回はちょっとシックに、深めの色のまわたつむぎ糸も使って。
このシリーズ、織り半襟のときもそうでしたが。
基本的に着尺や、帯地を制作したときの残糸で構成しています。
クニヒサが経てたタテ糸も、残糸で構成された縞。私が入れるヨコ糸も。

織物は、経糸は変えられないので運命のようなもの。それに対して緯糸は、明るくも暗くも心次第で!
キモチの持ちようで良くも悪くもなる、日々の生き様みたいに感じます。
それがホントに面白くって!
デザイン先行ではゼッタイに出来ない面白さなのです。

生きていると、理不尽なことも不条理なこともあるけれど。
それが偶然自分にだけ降りかかった不幸ではなくて、あれは必然として自分に与えられた・・・。
後にしみじみやってくる、この幸福感のためだったのかもかも!?なんて(笑)。
大袈裟みたいだけど、実は本当に。
この小弁慶たちは、織っている私が一番ワクワクしているのかもしれません。
160センチの長さの中で、色もイロイロ変わるので。
チラっと見える部分もその日の気分で変えてみて、楽しんでくれる同志(!?)が
染織こうげい・神戸店さんでもいらっしゃるといいなぁ。。。と思って
8枚分の経糸を機にセットしたものの。
ギリギリまで楽しく粘りまして(笑)。とりあえず半分の4枚だけ神戸に間に合いました!




by senshoku-iwasaki | 2017-10-10 20:49 | 纏う布・暮らしの布
仕上がったばかりの、今年のブランケットは・・・。
ちょっぴりミリタリーです。
今回も英国原産のラドナー種のウールを使って。
定番のジャコブウールもなのですが、ラドナーも繊維が太くてコシが強いので。
こういったブランケットに、とても適しておりまして。
しっかりとした杉綾織りの中に、温かな空気も孕んで。
使い込むほどに、身体に馴染んでゆく・・・『愛おしい系』ケットと思って制作しております。
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12日から始まる、染織こうげい・神戸店さんでの展覧会に間に合わせたくて。
今回は4枚分だけ機にセットしまして。
ブランケットは幅が広いので、分量が多いと整経も機に巻き取るのも・・大変でして。
以前は6枚分とか頑張ってセットしていましたが。
年寄り二人なので(笑)、無理はせず(もっと・笑)少しずつ生産することにしました。

とはいっても。
ずっとそれぞれに、帯だったりショールだったり同時進行していたので・・・。
初めの2枚はクニヒサが、残りの2枚は私(エツコ)が織りました。

ちょっぴりドライで、ミリタリーな雰囲気ですが。
クニヒサはそんな感じ(!?)のままに。私は、シルクもたっぷり挟み込みまして・・・。
ほっこりと。シルクツイードの風情のタイプも。

今シーズン中には、まだもう一回(二回!?)機に掛けたいなぁ・・・と思っておりまして。
次回はどんな感じにしようかなぁ?と。残ったウールを眺めながら。。。
織り上がった傍から、せっせと房をヨリヨリ。
湯通しをして仕上げをして・・・最速のコース。

今日はタグを付けて。
新作の着尺や帯地たちとともに、こうげい・神戸店さんへの荷造りに追われて。
つくづくと。
織物屋以外だったら、私は織物が充実した古道具屋になりたかった。
そんな想いがiwasakiの織物たちに乗り移りまして(笑)。
古今東西、iwasakiのいろんな顔を詰め込んで。
愛おしい系の織物好きな方々に、ご覧いただけたら嬉しいなぁ。。。




by senshoku-iwasaki | 2017-10-08 22:11 | 纏う布・暮らしの布
最新の八寸帯地には・・・。
極太のガッチガッチのコレ、国産のキビソ糸です。
iwasaki定番の山形斜文の八寸帯地のヨコ糸にしているキビソ糸の約3倍くらいあります。
現在iwasakiでは中国のキビソを使っているのですが、国産のものもお願いはしてあるのですが・・・。
他からの注文も多くあるそうで、ナカナカ使いやすい太さのものが手に入りませんで。
ならば。
この極太でしか出来ない、手織りでないと扱いきれない規格の、新作にして次なる定番を目指したく。
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ガッチガッチは、絹のたんぱく質であるセリシンによるもので。
これをどれくらい落とすかが、大きな大きなポイントになります。
キビソは、練りすぎるとホワホワになり過ぎて・・・帯には使えなくなりますので。
また、染めるときにも気を付けないと柔らかくなってしまうから。
そのあたりも考えて・・・灰汁で練りまして。
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染めあがった、紺と白茶。
この規格を思ったのは、Aさまからもう・・・10年近く前からリクエストされている三つ崩しの八寸。
フツーに作ってしまうと、三つ崩しは糸の細さからよーく見ないと・・・三つ崩しに気づかない
無地のようになってしまうから、Aさまがイメージしている三つ崩しのサイズ感と合わず。。。
ずっと考えあぐねていたもので。

iwasakiにリクエストくださるときには、定番として制作しているものならばご注文としてお受けさせ
ていただくのですが・・・。まだ制作したことの無いものですと、考えさせていただいて。
それがこうして長引くことも多々(笑)。でも決して、忘れて長引いているわけではないのですっ。
新たな糸を目にする度に、これはあれに向くかな?と大体二人して同じコトを考えていまして。
このキビソを手にしたときに、イケルかも!と同時に・・・でもチョット難しいかなぁ・・・?とも。
でも。いまだに、やってみないとワカラナイことだらけなので。

かなーり味わい深い、でも好き嫌いが分かれそうな(笑)、魅力的な新作がちょうど今・・・。
生まれ始めております。染織こうげい・神戸店さんでの展覧会で初お目見えとなりそうです。




by senshoku-iwasaki | 2017-10-03 22:05 | 素材