<   2017年 11月 ( 7 )   > この月の画像一覧
来春に向けての新シリーズは。
一見どーってコト無い、ありふれているようで実はありふれてはいない・・・。
iwasakiはいつもこんな感じですけれど(笑)、今回は特別。iwasaki夫婦の大好きな自家織物の凝縮版。
チョット懐かしくって愛おしい・・・紬のシリーズです。
f0177373_19405465.jpg
キャンディだったら、カンロ飴?純露?はたまたライオネスコーヒーキャンディ?バターボールかも?
先日郡上の湯のし屋さんが送ってくださった、懐かしい『肉桂玉』をクニヒサと口に含みながら・・・。
先月織らせていただいたSさまの紬のような、シンプルでダイレクトでストレートな、手織りらしい紬
って、そういえば近頃あまり目にする機会が無いなぁ。。。と。
流行っていないといえば、そうなのかも!?な話なのですが(笑)。

iwasakiでも生糸と玉糸の、キラキラとした綾織りの無地着尺のご依頼をよく頂いておりまして。
そういった織物は、手織り着尺でも献上品だったという過去を持つ種のモノですから別格といえば別格。
タテ糸の本数も、ヨコ糸の越し数も多いので、織り進みも悪く・・また綺麗なモノだけに織っていても
細心の注意を払いながらなので、かなり体力を消耗しまして。
私(エツコ)は、立て続けに3反以上はムリ!(笑)。全く別の織物を間に入れないと!!となります。

それでという訳ではないのですが。
今回の豆格子は、その対極にあるのかもしれません。
お殿様に献上するものではなく、愛する家族の為か、もしくは売って現金化して家族の生活費とした
ような・・・。私たちが、手織物の何に惹かれたかって言いますと、まさにこっち側でして・・・。
だって同じように見えて全く同じなんてあり得ない、まるで即興のジャズのように。
どこかの山里で。農閑期にお母さんや、お婆ちゃんが引いたり、紡いだ糸を織った反物のイメージで。

f0177373_19423181.jpg
このシリーズ、決め手になるのは原始的だけどスバラシイ道具であると、私は信じてる・・・
『久米島式まわたつむぎ台』を使って、私が手のひらだけで紡ぐこのマーブルなまわた糸。
学生の頃からこの、まわたつむぎに魅せられまして。ただ、これを活かしきる織物がナカナカ出来ない。
このパワフルな糸のチカラを、効果的に使うコトで健やかでiwasakiらしい、自家織物にしたくて。
結成から25年。ずっと悩みながら紡ぎながら。その都度ショールに入れたり、コート地に入れたり。
Sさまの千筋の紬に散らしたときに、この使い方が一番だと何故かやっと確信出来まして。。。

織物は奥行きのあるものでして。
色だけでも、糸の太さだけでもなくて。
デザインや配色の向こうにある、曖昧で不確かでモヤモヤとした中に、小さな神様が見え隠れします。
とっても小さな神様なので、声もちっちゃいから耳を澄まして。
小さな神様のちっちゃな「ココじゃ!」を素早くキャッチして(笑)、織り込みます。

不思議なもので。
献上系の織物にやって来る神様と、自家織物系にやって来る神様は大きさは同じくらい小さいのですが。
たぶん、違います(笑)。




by senshoku-iwasaki | 2017-11-27 21:46 | 着尺・帯
庭の蜜柑。
現在の我が家を手に入れたのは、14年前で。
この蜜柑の樹は、その時から既にあったものですが・・・。
こんなに色づくまで木に生っている姿を目にしたのは、初めてです。。。

今年は奇跡的にサルが出ないのです。
いつもなら、蜜柑が色づきはじめる頃には柿もどんぐりも無くなって。
酸っぱいのは好きじゃないなサルも、仕方なく(!?)そのくせ容赦なく食い荒らすので・・・。
汚くなるから、青いうちから採ってしまうのですが。

中部横断道の工事のせいなのか、地元の猟友会の方々のお蔭なのか・・・。
いづれにしてもサルが出ないというコトが、こんなにも秋の景色を豊かにしてくれるとはっ!
ご近所の柿も、我が家の蜜柑も。
太陽のような元気なオレンジ色に、心が弾みます。
f0177373_20060550.jpg
f0177373_20061566.jpg
我が家のサル・・・じゃなかった(笑)娘は、小さい頃から酸っぱいのが大好きで。
ホンモノのサルも食べない、青いうちから搾って飲んだり、そのまま食べたり。
今年はカボスがほとんど生らなかったので、夏場の彼女の大好物のところてんは、青蜜柑汁入り。
胃がムカムカするような酸味も、彼女は全く平気のようで・・・。

ここまで色づくと。
娘に言わせると、十分熟した美味しい蜜柑のようですが。
我が家の胃袋ではまだまだ、彼女以外はひとつでおなかいっぱい(!?)の酸味(笑)。
娘は嬉しそうに、皮をむく前の蜜柑をモミモミしながら・・・。
「一応ね、平日は一日3つまでって決めてるの。でも休日は、倍はいっちゃうかなぁ~。
毎日少しずつ味が濃くなるの。年末くらいまで食べられるかなぁ?サル来ちゃうかなぁ?」

サルもだけど。
そろそろヒヨドリたちも狙っていまして。娘にはライバルがまた増えそう。




by senshoku-iwasaki | 2017-11-21 21:08 | 岩崎のある日
春向けのショールに掛かりました。
Sさまの千筋の着尺を織ってから、
iwasakiの中で千筋のようなシンプルな縞に(もともと大好きだっただけに)、火が付きまして(笑)。

今シーズン一の冷え込みなのに、石油ストーブつけて織っているのは・・・春向けのショール。
平織りの中に綾織りが入って、筋が段で消されます。
今日織り始めたこれは、ヨコ糸に太めの玉糸を平織りに入れましたが。
昨日まで織っていたのは、細い生糸を中心に透けるようなものでしたが。織っていても寒くって(笑)。
今日は少しだけ地厚で、色も濃い目に・・・。
この手のショールは、織るのに時間が要りまして。1枚2メートルが、一日で織り上らないコトも多々。

f0177373_18435585.jpg
「エツコさん、織りにくいですか?」ブランケットを織りながら・・クニヒサ。
はいはい。予定よりペースが落ちてるのは、わかっているんですけれど。
クニヒサは私のペースを見ながら、次にこの機に掛けるタテ糸を準備するので。
『おっせーなぁ。』というクニヒサの心の声も聞こえてくるのです。。。

この規格は初めてなので。
ヨコ糸使いが、どんな感じがイイのか・・・何が効くのか、悩みながら考えながら。
今回は6枚分のタテ糸なので。自分の中で、ピタピタッとくるのは5枚目以降かもしれません。。。(笑)
何をするにも時間がかかり、ほとほと自分の不器用さにウンザリしながら。

それでも。
こんな感じの着尺もイイなぁ。。。なんて、次のヒントが必ず生まれる新規格だったりするから。
あ~ん(涙)。ほぅほぅ。ふむふむ。なるほどぉ~。独り言連発で。
年明けからの春に向けて。
我が家にも明るい春が来るとイイなぁ。。。(いや、必ずやって来てくださいョ!神様ぁ~!)
なんて、ココロは便乗しながら(笑)、シルク100パーセントの新作に取り組んでおります!


by senshoku-iwasaki | 2017-11-18 20:07 | 纏う布・暮らしの布
増孝商店・冬場所’17 休場(!?)のお知らせ。
東京蔵前にあります年に数回のiwasakiのshop、増孝商店(ますこうしょうてん)なのですが。
今年も冬は開きたいと思っていたのですが・・・。
どうにも場所が・・・無いっ!。いや、蔵前という場所はあるんだけど、スペースが無い。(笑)

来春から・・・増孝商店上階に拠点を一時移すコトとなりまして。
これからイワサキ一家が暮らす所を、リフォーム工事中なのです。
住まいにする部分は、増孝商店が玩具問屋だった時代の会議室や、更衣室、事務室。。。
そこここに、天国の祖父母や父が感じられ・・・(もちろん、現役時代の若き母も!)
貧乏性の嫁の私(エツコ)には、とても捨てられませんで。
スチール製の書庫に、ロッカーに、デスクと。
設計施工をお願いしている・・・つみき設計施工社の河野ご夫妻は、快く新居に組み込むように
考えてくださって。有難いなぁ。嬉しいなぁ。
となると。
それらの荷物は、改修工事が終わるまで・・・1階の増孝商店に置かれまして。
そうなると。
ムムム・・・。床が見えない(笑)。お店が開けないっ!のです(涙)。

「今年の冬場所はいつですか?」とか・・・何人かのお客様にお声をかけて頂いたりして。
楽しみにしてくださっていらっしゃる、心優しいマニアックな(!?)iwasakiのお客様・・・。
来春以降は、1階奥が工房になり・・・より狭くなりますが、定期的にオープンしたいと思います。

来年の冬は、纏う織物もイロイロ取り揃えて・・・賑やかな場所になるように、今から少しずつ
織りためておきますので!!(あまりに気の長い話で、鬼も呆れますね・笑)
でも自作自演の手織り屋は、本気で今も制作中・・・。
仕事のほうは、来年の今頃も見据えて進めているつもりなのですが。
私事のほうは・・・。
息子は来春どうにか・・東京の高校生になっているのかしら。なれなかったりして(!?)とか。
娘の転校も何事もなく進むといいんだけど、とか。
引っ越しは、なるべく簡単に済ませたいけど無理だろうなぁ・・・とか。
どすこいは体型だけで、母親としては全くどすこいになれない・・・トホホな私。
f0177373_22072905.jpg
先週末、息子の高校見学説明会のために上京しまして、解体工事中の住まい部分を見まして。
おぉぉ。ここがこれから・・・いつも開けっ広げな(笑)、イワサキ家の合宿所のような住まいに。
僅かな床には、南部町産のヒノキのフローリング材を注文しまして。
12月から本格的な工事が始まるそうで。楽しみな年越しです。


by senshoku-iwasaki | 2017-11-14 21:58 | 増孝商店 KM
楊柳のマフラー・sunny days。
今年もエキストラファインウールとシルクで、柔らかくって暖かいマフラーが出来ました。
sunny daysは、カラフル。
冬将軍とだって戦える(笑)、元気でパワフルなカラーです!
くるくるッと巻いて。
その日の気分で、今日の気分の色をお顔の近くにポイントを持ってきていただけたら・・・と。
f0177373_19494912.jpg
楊柳のストールは、もう20年以上作ってきていますが・・・。
そういえば毎年少しずつ・・・明るくなっているような!?

我が家のソファーでタブレット持って、YouTube眺めながら20年モノのiwasaki初期のブランケット
に包まってる中1娘。
「かぁつんたちの商品でさ、これはイイと思うんだよね。シックで、メンズライクで。」
「そりゃ、どーも。あ、チョット待て、『コレは』ってどーゆー意味よっ!」私。
「こういうシックなのだけにすりゃさ、カッコイイ感じになるんじゃない?」娘。
娘のお気に入りは、ジャコブウールの天然色がベースでタッサーシルクの茶色の天然色がポイントの
かなーり地味なスタンダードタイプでして。

確かに若い頃は私も。
とにかく地味なカラーが好きでした。今もそれは変わらず好きだけど。
それだけじゃ物足りないっ!体力も気力も、どよーんと落ち込む日だってあるんだもの(涙)。
そういう時には、せめて首元だけでもパッと明るくしてみると・・・。あれあれキモチも前向きに。

「年を取ると。もっと欲張りになるんだわね。『カッコイイ』は、その年輪。要はその人。
その人がどう生きているかが、モノでわかるコトもあるだな~。
あーたみたいに大人に憧れて背伸びして、高級文具の定番LAMY2000を持つキモチもわかるけど。
でも、ホントにカッコイイ大人になるとさ、何持っててもカッコイイのよ。」私。
「ふぅ~ん。わかるような気もするけど、よくわからない気もする・・・。」娘。
「わかんなくってイイんじゃない?だってあーた、まだ13歳じゃーん。羨ましいっ!」私。
「・・・中学生も何かと大変なのよ。こう見えて。ストレス解消にさ、東急ハンズ行かない?
ステッドラーのハンズ限定色が欲しいのよ~。」娘。
「あらゴメン。アタシ、ストレス無いのよ。オバサンだから(笑)!」

楊柳のマフラー・sunny days。今年も大判サイズも作りました。
娘の好きな、ヘリングボーンのブランケットよりも平織りだから軽くて。
カッコよく日常に、カラフルを楽しんでくれる、大人の方々へ。。。



by senshoku-iwasaki | 2017-11-10 21:37 | 纏う布・暮らしの布
山の水源。
2週連続でやって来た台風の後に・・・。
糸染めにコーヒーに、はたまたカメのお水と。大変お世話になっている、工房の山の水が!
ピタリと止まってしまいまして。
日曜日に水源地まで様子を見に・・・連れて行ってもらった(!?)クニヒサ。
f0177373_19573215.jpg
「いやぁ・・。兄さん方が健脚で。ピョイピョイずんずん大股で、登っていくのよ。
それもしゃべりながら、笑いながら。もうこっちは、ついていくのがやっとだからね~。」クニヒサ。

まだ町水道がこの集落に来ていなかった頃、山の岩清水からパイプを通して各家庭に引いて。
「そりゃぁもう!その時に、劇的に便利になったんだよ。」頼りにしているご近所のお母さん。
ここは高台の集落なので、蛇口をひねれば水が出るというのは本当に有難いことかと・・・。
亡くなられたご主人が結婚をしたときに、新妻の為に引いた水でもあります。ご主人は山師で。
お父さん世代がみな、町の工場勤めをはじめても林業に生き、炭を作り、田畑を耕して。

この岩と岩の間から、ポコポコと水が湧いているそうで。
私(エツコ)は、行ったことはありません。。。なんせ山は今かなり荒れていて。倒木で道なき道に。
先達が引いてくれたパイプも老朽化している上に、シカなどの獣が乗って割れてしまったり。

今回は幸い、大したコトではなかったみたいで。
兄さん方に直してもらっている間・・クニヒサは少し足場の良いところで落ち葉や枝のお掃除を。

冬になると。
私はムショーに山が欲しくなります(笑)。
手の入っていない杉を払って、薪になる堅めの雑木を植えたいなぁ。
山ヒルが怖いので、春から秋まではちっともそんな気にならないのだけど。。。

f0177373_21433691.jpg
今年は何だかずっと慌ただしくて。
夏のうちに薪の準備が何一つ出来なかったから。キリギリスになってしまった気分。
薪ストーブは諦めて。
せめてほのかな温かさを求めて・・・。川合さんの囲炉裏テーブルに炭が入りました。

さっそく我が家に届き始めた山の水を、吉田美保子さんから頂いた大きな鉄瓶に。
しゅんしゅんと言い始めたらお茶の時間です(笑)。

クニヒサは健康診断の結果と、今回の山登りでも運動不足を痛感してしまったらしく・・・。
機から織りて綾棒を動かす動作にも、スクワットを加えながら(笑)。
チラッと見たお皿の羊羹に、「今日はお茶だけにしておこうかなぁ・・・?」


by senshoku-iwasaki | 2017-11-07 22:34 | 岩崎のある日
Sさまの着尺が織り上がりました。
Sさまのご注文の紬は、つむいでいても織っていても本当に楽しくて、楽しくて。
気がつけば。あっという間の数日間でした。

iwasakiは、もともと何てことのない縞や、格子の紬が好きでして。。。
産地の匂いがする、そこに自家織物っぽいhandsを感じるものであれば私たちにとって・・最上級!
今回のSさまのリクエストは、そんなiwasakiにスイッチが入ってしまいましてぇ~。
f0177373_20023143.jpg
Sさまがお持ちになった『こんな感じ』の写真は伊兵衛織りでしたので、2本2本の『万筋』でしたが。
ご希望の紬の質感は、iwasakiのいつものタイプでしたから・・・糸が細い分4本4本の『千筋』に。
f0177373_20193810.jpg
Sさまのおばあ様が、お母さまのお嫁入りに持たせたという真綿を私(エツコ)が手つむぎしまして。
約1センチ度に散らします。
右は本来は糸に紡げない、最後の屑の部分からも無理やり・・糸にしました。ゴツゴツとして、着尺には
向きませんが、おまけの1尺ほどに・・これを入れました。
おばあ様手作りの角まわたを、余すことなく使い切りたかったのです。。。
趣味でパッチワークのように帯を仕立てたりもされるSさまなので、きっと何かにしてくださるのでは?
f0177373_20031840.jpg
タテ糸に入った玉糸も、所々ぽつぽつと表情があります。
これからいつもお世話になっている・・・郡上の湯のし屋さんで湯のしをしてもらって完成です。

Sさまの着尺を制作させて頂いて。
私の、久米島式まわたつむぎ台を使っての手つむぎ糸も、こんな風に散らすとやはり・・・。
よりhandsを感じます。
四六時中どっぷりと、手織りの長い工程の中で仕事をしていると。
落としどころが分からなくなるコトがあります。
手をかければかけるだけ・・織物として良くなるかというと、そうではないコトもあります。
ヨコ糸を、全部私の手つむぎ糸にしても、この着尺のような良さが出ないのです。
その分の付加が無ければ、商品としてコンスタントに作るコトは出来ないし・・・。とか。
私もクニヒサも。
とにかく作り続けたいのです。
なので、これからは。
杉綾織りの着尺とはまた違う、ざっくりとした平織りにマーブルの手つむぎ糸を散らした
『愛される定番』としての紬らしい紬のシリーズも。
今までに作ってきた縞の『小径シリーズ』のほかに格子も含めて・・・。
handsを感じる、iwasakiならではの「何てことない、気負いのない」日常着の新シリーズを。
2018年春までにいくつか・・・。作ろうと。実は胸が躍っているのです。。。



by senshoku-iwasaki | 2017-11-03 22:24 | 着尺・帯