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『下町のブルースが聴こえる』
「エツコさん、suicaって 都営浅草線も乗れるの?」

なんて、真顔で訊く、クニヒサは 実はかなりのシティボーイだったのだ。
お婿さんだった お父さんは、京都の四条生まれの四条育ち。
お母さんは、東京蔵前生まれの蔵前育ち。
私が岩崎家のヨメになったのは19年前。
写真で見る限り・・・クニヒサそっくりのお父さんは、すで亡くなられていてお会いできなかったのは残念だけど
お母さんは、この20年ちかく何にも変わらない・・・・チャキチャキなのだ。
映画『男はつらいよ』のイメージとか、テレビドラマとかでもよく描かれる、下町の人間模様・・・。

「アレって、下町バカにしてるよ~。あんな人いないって・・・」っとずっと否定していたクニヒサだったけど。

実家を離れて20余年。
最近 冷静に実家も含めて ご近所のキャラクターの『独特な感じ』に気づいたようで・・・。
その『独特な感じ』・・・私はモチロン、イイ意味で(笑)『下町のブルースが聴こえる』と表現。
お母さんも気づいていないかも!?だけど、人情温かなご近所の皆さんに たまにやってくるヨメにまで優しくしてもらっている。これは本当。

「キィ~ッキィ~ッ」背後から自転車の気配。どかなきゃ・・・。
都会の人は 自転車に油とか注さないのかな?当初そう思っていた私。
いやいや・・・。
「チャリンチャリン・・」とベルを鳴らすより、なんとなく気づいてくれという合図かなぁ~。とクニヒサ。
(これは最近 私たちの間で、『下町の鐘』と呼んでいる。)
右に避けてるのに、まだ「キィ~ッ!」あれぇ・・?と思ったら・・・

「あれぇ!?エツコさん、いつから来てたの?子供さんも一緒かい?」かなりの大声で(笑)お隣のおじさん。
「あ・あぁ・・・どうも。ご無沙汰してます・・・今回は私一人で・・・・」あれっ!!もういない・・・。
「子供さん、キュウリの漬物好きだから、後で持ってくよ!」
「あ・・・だから・・・こどもは金曜の晩に・・・」ありゃりゃ・・・行っちゃった・・。
と、思っていたら・・・ちゃんと、金曜の晩に漬物を届けてくれた。聞こえてたのぉ~!?
聞いてないようで、ちゃんと聞いている。

私のように 田舎ボケしている人間には 『下町の鐘』は鳴らせそうにない。
by senshoku-iwasaki | 2010-03-01 21:12 | 骨子・背景
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