機織りをすると必ず出る、切らなければならないタテ糸。織物を初めて勉強した、25年前から一度だって捨てたコトは ありません。 だって・・・捨てたら、次に繋がらない!そんな気がして。 いつだって手指は止めない、ビンボー症にピッタリの内職。 ショールのタテ糸は、着尺や帯のタテ糸より太いので繋げる と、わりと早く貯まるので。今までもストールやマフラーの ヨコ糸に使ったりしてきましたが。着尺の糸となると・・・。 繋げても繋げても、再び着尺に活かすくらい貯めるのは至難 のワザ(笑・でも、ホント)。過去に着尺の繋ぎ糸を使って織っ たのは10年くらい前に遡り・・。それも紬のスーツ地でした。 ・・・ってコトは、10年に一度くらいの、ある意味大作(笑)。 百貨店での催事のときなどは、忙しいのが理想なのだけど 意に反して(!?)ヒマな時間が多いので(涙)。 この内職を、立ちっ放しにもかかわらず・・・黙々と続けるの が私(エツコ)のもう一つの仕事でして。 昨年も新宿伊勢丹だったかなぁ・・・。シコシコ繋げていたとこ ろ・・・10年以上お付き合いいただいているMさまが。 「今度コレ、いつ着尺になる?」 「うーん・・・。結構繋げているんですけどねぇ。まだ足りませ んねぇ。でも、百貨店でコレを稼いでいちゃダメですよねぇ。」 「いえね私、次はその繋ぎ糸の着尺欲しいと思って。」 Mさまの着尺や帯、はたまたekkaでコートやジャケット地・・・と。今までにもイロイロ作らせていただきましたが。 とってもお洒落なMさまは、超有名トップブランド服や靴や お帽子にバック・・・だけどどれもブランドで選ぶってコトが 無く。ご自分のセレクトで・・・その中に、iwasakiやekkaが 入っているという・・・この奇跡(!?・笑) 「私もさ、ここまで来るのに寄り道をイッパイしたんだけどね。 結局、『何でも兼ねられる』ってのは一番つまんないコトなん だと思ったのね。そうなると『何にも兼ねられない』ってコトと 同じになっちゃって。だったら、エツコさんみたいに『日常着』 や、『労働着』として割り切って着るのってサイコーに『贅沢』 だよね~って。ホラ私、他に着るモノいっぱいあるし。」 正月早々なんだけど、Mさまのお誘いでこの着尺の打ち合 わせを先日、クニヒサも一緒にさせていただきました。 「繋ぎ糸をタテにも散らしたモノは、結び目がぬけ易いので 古い物でもボクもあまり見たコトが無いので。せっかくなの でタテヨコで散らしましょうか。」繋ぎ糸を作らないクニヒサ。 「キホンいつもどおり、全部お任せするわ!」Mさま。 心あるお客様に支えられて・・・2013年もはじまりまして。 なんだかよい年になりそうです。 でも、繋ぎ糸づくりにやっぱりクニヒサ関わらず。(何で?) 結局、エツコの内職初め。
by senshoku-iwasaki
| 2013-01-05 23:17
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