<< Handsな織物。 6台目の機。 >>
真夏の昼下がり。
甲府ほどではないけれど、昨日今日と・・・連日猛暑の南部町。
築130年の仕事場は、田の字だから全方角窓全開で、更にそれぞれマイ扇風機。
アタマには汗止めにターバン巻いて(笑)着尺をせっせと制作中。
・・・にしても、あづい。
でも、お昼ごはんまではがまんがまん。
お昼ごはんを食べて、もう一度仕事場に戻る午後1時頃にやってきてくれる郵便屋さん。
この暑いなか、町内でもこんな不便な山の上まで・・・カブに乗って郵便物を運んでくれているのかと思うと。
家中締め切ってエアコンをつけるのも・・・と。
一応午後2時になったら仕事の効率アップのために(!?)エアコンをオン!
うは~。爽やかだわねぇ~。文明だわねぇ~。天国だわねぇ~。もうチョット頑張らないとねぇ~。

4時になると、山の下までバスで帰ってくる子供たち。いつもだったら40分くらいかけて歩いて上ってくるのだけれど。
「途中で倒れても、誰も通らないかもしれない・・・(これは充分有りうる・笑)」と車を出すクニヒサ。
歩いてないけど、まっかっかに火照った顔して戻った子供ら。ランドセルを置くと仕事場に・・・。
「うは~。爽やかだねぇ~。文明だねぇ~。ココは天国だねぇ~。」・・・親子って嫌だわ。

「かぁちゃん、『人間国宝』ってなに?」いつものごとく唐突に、小5息子。
「生きながらに国の宝物って認定された人のことだよ。あーたたちみたいに未来あるチビッコたちも宇宙の宝だけどね。」
「それで『お子様』って言うんだ~!」小3娘。
「・・・そーじゃないかもしれないけどね・・・(笑)。」
「かぁちゃんは、『大師匠』が『人間国宝』だから機織りの学校に行ったの?」息子。
「バカ言っちゃいけない・・・。あーた、バカの生み親を舐めちゃいかん。あたしゃ、人間国宝も機織りも知らんかった」
「へっ!?かぁちゃん、なんでその学校に行ったの?」息子。
「行ったコトも無い、郡上八幡って町で一度暮らしてみたかったの。やったコトも無いコトもやってみたかったし。」
「それだけ?」息子。
「それだけ。でもおとーさんはちゃんとイロイロ知ってたよ。」
「調べなかったの?」息子。
「アタシはね、調べなくてよかった。今みたいにパソコンですぐ検索できたら、きっと行かなかったもん。そしたら、こんな
に面白いモノに出会うチャンスを失っていたワケだ。もちろん、おとーさんにも。」
「『大師匠』は、かぁちゃんにとって最初から『大師匠』じゃなかったの?」息子。
「そーなんだよねぇ。これで仕事させてもらうようになって10年以上経ってからかなぁ・・・。ひしひしと『大師匠』が言って
いた本当の意味がわかってきたのね。そういうコトだらけだね。」
「ふぅーん。」息子。
「親は選べないけど、師匠は選べるってワケだ。自分の中で『この人さすがだなぁ。スゲェなぁ。』と思えばその瞬間から
心の師匠となるワケよ。あーたたちもいい師匠に出会えるといいね。」
「親は選べないもんねぇ~」息子&娘。
・・・・ハモらなくても。
by senshoku-iwasaki | 2013-07-09 22:29 | 岩崎のある日
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