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Handsな織物。
先月今月と・・・iwasaki、糸をたくさん買いまして。
お金は無いけど、材料は有る。
とりあえず仕事は出来る・・・チョットだけ安心(笑)。
宮坂さんから以前・・・わけて頂いた生糸を、30キロ近く撚糸してもらいまして。
着尺に使える太さ、帯に使える太さ、うーん・・・どんな風に使おうかなぁ・・・と。
もうひとつは、紬のヨコに使う、まわたのつむぎ糸。
iwasakiの大好きな、自家織物の代表選手のような紬はもともと・・・。
繭を生産している農家で、出荷前に蛹が孵ってしまった『出ガラ繭』を、農閑期にまわたにして紡いだ糸で織ったものなどがルーツです。
今私たちが買うことのできる『まわた』は、ほぼ中国でつくられたものです。
日本国内では、結城紬の材料になる・・・福島県の『入り金まわた』というものも僅かですがありますが・・・。
中国でも山間地などで作られている、まわたの紡ぎ糸が昨年から高騰が続いているのです。
中国国内での需要というものはほとんど無くて、日本の紬向けに僅かに作られているのが実情のようです。
中国の人の、ライフスタイルが変われば・・・
そりゃぁ、キレイな生糸がとれる繭を、わざわざ・・・まわたにして、更にモーターフライヤーという、機械ではあるものの、
ほとんど手作業で糸を作る人なんていなくなるのは日本がそうだったように必至なのかも。
失ってしまってから、郷愁だけで戻るコトなんて出来ないし、それこそそんな懐古趣味な蚕趣味にしたくはないなぁ・・・
と思うのです。
iwasakiでは、久米島式と呼ばれるモーターフライヤーよりもっと原始的な方法で手指で糸を紡ぐコトもしますし、
昭和45年製のモーターフライヤーも、きつつき工房さんにメンテナンスしてもらっていつでも稼動できますが。
僅かにまだ残る、中国のまわたつむぎ糸も使えるうちは・・・使っていたいのです。
私たちがこの織物の世界に迷い込んでしまった、一番のお手本は・・・どこか山の中のおばぁちゃんが、家族のため
に・・・何もかも自分であるもので作った、自家織物でしたが。
そんな、ソウルフルで力強い織物を、たくさんの人の『手』を通してチョットだけ家族向けよりも生産性を高めて作りた
いと願って止まないのです。
手指の感覚と、関わっていないとわからない勘・・・糸偏の仕事はそれらの集大成。
貯金はないけど、今回ガンバッテ仕入れた糸たちは、必ずやiwasaki的に『良い織物』にしてゆく予定です。
着尺にかかっていると、毎日毎日写真を撮っても、ほぼおんなじ景色(笑)。
地味に地道に・・・今日もHandsな織物を、制作中。
by senshoku-iwasaki | 2013-07-13 21:40 | 骨子・背景
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