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土間の円盤。
土間の円盤。_f0177373_2015522.jpg

iwasaki工房の、最近の稼働時間は・・・。
朝8時ころから始まって、夕方は5時半~6時の実働9時間といった
ところでして。土日もキホン、開始時間はちょっと遅くなっても、何も
なければこんな感じに仕事が出来る・・・子供たちが保育園の頃から
すると、かなり濃密に仕事に専念できるようになりました。
日が短くなってくると気になるのは、仕事場脇の土間が暗いことでして。
ここの土間も、この家を手に入れたときからずっと考えているエリア。
ボコボコの、手作り感たっぷりのヒビだらけのモルタルなので、本来の
三和土の土間に戻すのがイイかとか、石にしてもらおうかとか、
はたまたシンプルにタイルがお掃除しやすいからイイかも!?とか。

「まずはさぁ、照明じゃない?」私。
「エツコさん・・・やっぱりアレですか。」クニヒサ。
芹沢銈介の自邸で使っていた、円盤のような『スカイフライヤー』。
フィンランドのデザイナー、ユキ・ヌンミが1960年に住宅用にデザイン
したもの。アクリル製で、とても軽いのも魅力的。

織も染めも何もワカラナかった私が、10代の終わりに死ぬほど憧れた
のは、故・千葉あやのさんの暮らしでした。
先祖伝来の土地に、野菜と苧麻、そして藍を植え、味噌を作るように
藍は自家製のスクモを作り、真夏の暑さを利用してその時期だけ藍建て
をして、績んだ麻糸、織った麻を染める・・・自給自足の暮らしです。

一人で手織りをする以上、京都の職人さんの技術の結晶のような、
美術工芸のような織物をつくるコトはできないし、そういった緻密で繊細
で美しいモノとは違う、健康的で日常的な自家織物を売って生活する
ことはできないかしら?そう思ってはじまったiwasaki。
平成のこの時代ならどんな織物を作れば、着物を着る人にも着ない人
にも受け入れてもらえるかしら!?
郡上で学んだ紬以外に、クニヒサと今までにいろんな織物を作ってきました。

気がつけば。
憧れの千葉あやのさんのような、染織が暮らし、暮らしが染織。になっていて。
もともとONとOFFをハッキリさせるとか・・・が苦手な夫婦なので(笑)。
ここまでが仕事で、ここからはプライベート!なーんてのが無いこの生活が
この上なく幸せなのです。
この土間を、3歩歩けばリビングですから(笑)。
ただ、暮らしのなかでの妄想の世界旅行から生まれてくる・・・iwasakiの
商品たちなので(笑)。
この土間の円盤は、妄想の『ザワセリ(芹沢)先生』が私のなかに降りてきそう!
「今回の旅は、いい織物にいっぱい会えたんじゃ・・・見たいかね?」とか言いな
がら・・・大きな革製トランクから出てきたものは・・・?
そーんなテーマで、新しいiwasakiの八寸や、半巾帯、ストールが、近い将来
登場するかも。

土間床は・・・。どうなるのかなぁ?
結局、ずっとこのまんまだったりして(笑)。
by senshoku-iwasaki | 2015-11-19 23:05 | 工房改築
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