生きていると、思わぬ出会いがあるもので。 徳島で阿波藍の研究をされながら、阿波藍染めをされている、櫻庵 森くみ子さん との出会いは、iwasakiにとって今まで謎だらけだった・・・藍についてを、少しずつ ひも解くキッカケとなりそうです。 平成の自家織物を目指すiwasakiに、阿波藍は到底使えるシロモノではございませんで。 なんでかというと、まず藍を(建てるというのですが)染められる状態にする難しさに加えて、 藍染の素である、蒅(すくも)は大変高価。とてもとても・・・藍染めの素人に、そのリスクまで 抱えながらいつ売れるかわからない(笑)織物にして、その分を価格に乗せられる実力も 勇気も無いものだから・・・。今までに、タデ藍を育ててインド藍の要領で沈殿藍を作り、 それで青味が欲しいときだけ染めていた時期もありましたが。 その自家製の藍と、染め方が原因なのか・・・絹糸との相性が良くないコトもあって、 着尺や帯をつくる比率が増えてきた頃からブルーは、酸性染料(化学染料)にしてきていたのですが。 昨年、森さんからiwasakiに「生紬を作っていただけませんか?」とご依頼いただきまして、 糸はこちらで何種か用意して・・・森さんに染めていただいて。出来たお色で考えましょうと いうコトになりまして。 森さんの、灰汁とふすまだけで阿波藍を建て染める、そのお色味の美しさは知っておりましたので。 これはぜひとも!森さんの生紬と、私(エツコ)の分も作らせてくださいっ!とお願いをして。 糸から藍染にしたものを着物にして、汗や摩擦にどれだけ色が移るのか・・・水洗いをして ゆくうちにどう変わっていくのか・・・森さんと試してみたいと思いました。 昨日森さんから届いた糸たちの美しいこと! ちなみにこのお色は、褐色(かちいろ)というのだそうですが、紺よりも濃く、赤味が深く。 こんな藍の色は、初めて見ました。 それもそのはず、とても贅沢なお色だったのです・・・。そのあたりもこれから・・・。 森さんは、とても理知的。 なかなかデータのとりにくい、藍に向かい合い生きている人。 森さんからの報告のメールも、大変・・・森さんらしくて。興味深く。 森さんのご了承もいただきましたので。 そのまんま、これから少しずつご紹介していきたいと思っております。 報告0 『今日、藍の仕込みをしました。 使用の蒅は「新居製藍所 新居修」の2000年のものです。 藍の仕込みで一番大切なのは灰汁です。醗酵の妨げになり困るのは、 灰のなかのミネラルに藍菌増殖にとって必要な成分が足りなかった場合です。 灰の段階で調べることは弱小工房ではできませんので、採集時期の違う いろいろな所で頂いたものを15種類くらいブレンドして平均した灰の成分を 維持できるように努めます。(飽く迄も推定ですが‥‥) 30Kgの灰に60ℓのお湯(60℃くらい 水道水・湯沸かし器)を入れ灰汁を取ります。 3日おきに5番灰汁まで取ります。藍建て完成までに瓶の容量が270ℓなので、 まずおよそ230ℓは使います。1番灰汁のPHは13以上必要です。 藍建ての上手くいかない原因は、推定ですが1番は灰汁の良し悪し、 2番は中石後かさ上げが早過ぎた、3番は染液のPH管理が的確でない。でしょうか。 問題が起こらなければ、大体の藍建て完了は11月7、8日ころです。』 10月28日
by senshoku-iwasaki
| 2015-12-05 23:35
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