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森くみ子さんとのプロジェクト・報告3・4
森さんに染めていただいた絹糸、その後。
今回は写真上が、前回の紺よりやや青寄りの『瑠璃紺・るりこん』。
下がさらに青寄りの『御納戸色・おなんどいろ』だそうです。

糸は、森さんの生紬用にiwasakiで用意したもの。
「60中x3玉糸」とは中というのが絹糸の太さのことで、60デニールの
3本合わせで180デニールの玉糸という意味です。
玉糸とは、二匹の蚕が一つの繭を作ってしまって糸口が二つあることから
節のある・・・味わい系の糸のことです。
なので、「42中x5玉糸」のほうは、210デニールの玉糸。
同じ太さの糸でも、撚りの回転数や、何本合わせかで風合いは異なる
のでイロイロ染めていただいて、縞や段を考えましょう・・・というコトで。
お色のほうは、すべて森さん任せです。

糸たちが森さんより届いて、箱を開けた瞬間から感じたことなのですが。
いわゆる、『藍の匂い』がほとんど無いのです。
臭いくらいにプンとくる、藍の匂いがホンモノなのかと勝手に思い込んでいた
私にとって、ちょっと意外でした。
発酵状態が良好だからなのでしょうか。腐敗臭と発酵臭は違うということ
なのかもしれません。この辺りもこれから森さんに教えていただこうと思います。
灰汁のミネラルをいっぱい食べている、森さんの藍菌だからこそかもしれません。

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報告3
『今日、「60中x3玉糸」「42中x5玉糸」を染めました。
ゆっくり2回染めたのですが「千草色」(鮮やか青)くらいの色目に染まりました。
両方とも色の発色はよいと思います。
濃淡2種類をどのようなバランスにするのか悩むところです。
布染めと違い、小さなコントラストは織られてみないとわかりません。
初めての糸なので本当に実験という感じです。』   
11月13日

報告4
『今日、「42中x4」を染めました。
今回もゆっくり2回染めたのですが、少し不思議な色です。
セリシンの堅さからの斑も多いですが、「新橋色」(緑みの鮮やかな青)と
「御召御納戸」(暗い灰青)の混ざった綛に染まりました。
白い糸なのに濃い染液では微妙な色分けはできませんので、
今回は濃い色の濃淡にします。
乾いてからじ〜と見ていると興味深い色です。細い糸ではありますが、
表面の色が落ちやすい可能性もあります。
今後薄い色を染めてテストしてみると面白いかも知れません。
昨日染めた糸が完全に乾き(絹は乾くのが早くていいですね。
綿はなかなか乾きません)セリシンが少し取れ柔らかくなった感じですが、
「60中x3玉糸」の方が柔らかくなったような気がします。
色は透明感もあって綺麗です。
早く岩崎さんに状態を見ていただきたいです。
12日から今日までおよそ1Kgの糸を染めたのですが、
やはり染液のPHの低下が早いです。
セリシンのたんぱく質が染液の中に溶け出すのは想像していましたが、
綿糸や麻糸の管理とも違いそうです。
糸染めをした場合と布染めの場合とでは、染液の管理が違うように思います。
綛を動かすので酸素が多く入るからなのか、布と糸の染まる表面積が違うから
なのか、この10年布ばかり染めていましたので、はっきりと比較する事はできま
せんが、これから観察しながら試行しますね。
とはいっても、藍菌は今日も元気にしています。
灰汁のミネラルをいっぱい食べていてくれるうちは大丈夫です。』 
11月15日

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by senshoku-iwasaki | 2016-02-03 21:42 | いわさきのつながり
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