織り上がった『縞花』はこんな感じです。タテに経てたランダムでカラフルな縞が、菱綾で浮き立ってくるとイイなぁ・・・と。 20日から始まる、染織こうげい・浜松店さんでの展覧会に向けて制作しました。浜松は古くからiwasaki夫婦の大好きな、自家織物的な産地の織物が根付いている土地。こうげいさんのお客様も、織物好きな方のとても多いのが特徴で・・・。 iwasakiらしい織物を、ご覧頂きたいなぁ・・・と常々思っておりまして。う~ん、iwasakiっぽいとなると。さっぱりとした・・豊かな無駄かもしれない・・・(笑)。 タテ絣だと、こんな風になりません。絵絣だと際の縫い目のポチポチは出ません。まだまだ。やってみないとワカラナイことがいっぱいあります。 iwasakiは、クニヒサとエツコの二人っきりの、たった25年の新参の織物工房です。親たちから受け継いだのは・・・健康な身体と、不器用な手先(笑)、チョット温かめ(!?)のオツム。失敗は、今まで数知れずなので(トホホ・・・)。ただ、織物は。織る、というところに辿り着くまでに、やたらと工程が長いものだから。長い工程の中での失敗は、とにかく落ち着いて失敗する前の工程まで戻ってやり直す!に尽きます。何でもアリのiwasakiに。特徴があるとしたら、どれも不確かな『自家織物』であるというコト。工程の長い織物は、一人で制作するのと二人でするのとでは、出来る量が3倍違います。なので、熟練の職人さんの手がたくさん関わって生産される、西陣を代表するような織元の手織物とはその完成度と、量が決定的に違います。分量や、精巧さ、技能は、どう頑張っても敵いません。でも少量ずつだからこそ、織元の職人さんはしないような生産性の低い技法が出来ます。個人規模なので、廃棄する糸はほとんど無く、必ず次に活かすコトが出来るのも『自家織物』の強み。 小規模ならでは生まれる、まだ知らない技法がひょっとしたら、あるかもしれない。あったら是非とも取り入れたい!芸術作品ではなく、使うモノとして使える価格で少量生産したい・・・。1970年代には出機(でばた)と呼ばれ、内職仕事として各地で盛んに作られた産地の織物のような・・・。その土地土地と、家々の空気や気配も織り込んだ、産地の織物のような「健全ななんてことなさ」と。無駄かもしれないけど(笑)、創意と工夫と時間をかけて無駄を作らない「今だからこその豊かな時間」を。豊かな無駄を持つ『自家織物』をiwasaki、目指しております!
by senshoku-iwasaki
| 2017-04-17 22:40
| 着尺・帯
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岩崎 訓久・悦子
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