Aさまに「こんな感じの八寸帯が欲しいのですが・・・。」と見せて頂いた雑誌の切り抜き。 それは確か・・車のコマーシャルで。 女優さんがお召しのその帯は、三つ崩しに見える染めの九寸帯のようでして・・・。 「う~む。これを織りにするとなると・・・。」クニヒサ。 「糸ですねぇ。」私(エツコ)。 なんといっても。八寸の最大の魅力は、ヨコ糸の渡りの『ミミ』にありまして。 昨年ようやくこれに向く糸に出会いまして、もう少し明るい紺と生成り、茶で制作しました。 それらをAさまに見て頂きまして。 「あぁ。ほんと。この感じ。網代の大きさもイメージ通りです!」と嬉しいお言葉。 そしてじっくりとお色味のご相談をさせていただいたのが昨年末。 写真では白っぽく見えるのですが(涙)、実際はベージュと渋めの紺との組み合わせです。 このヨコ糸は、極太の国産キビソ糸で。 糸の状態では、ガッチガチ(笑)。これをちょうどいい硬さに灰汁で煮て練るのですが。。。 その「ちょうどいい」がムズカシイ(汗)。 iwasakiがリスペクトしているものは、織りならば世界中で昔から愛されている、伝統的な技法 である菱綾だったり、こういった三つ崩しであったり。 こういうシンプルなものほど素材力が問われるのです。 素材のチカラを、いかに最大限(か、キモチはそれ以上・笑)引き出すかを考えて。 時間はかかってしまったけれど、Aさまのお蔭で新しいiwasakiの定番が生まれた気がします。 ただこの定番。 精練がムズカシイのと、カセが大きく嵩張ることから・・東京では手狭過ぎましてムリかと・・・。 これに掛かる精練と染色は、この南部町の工房にやって来ないと! 願わくばこれも。 iwasakiの愛される八寸帯地の定番となって、蔵前⇔南部町の極太のパイプになりますように!
by senshoku-iwasaki
| 2018-03-08 22:00
| 着尺・帯
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