「穿き込んだジーンズのようなイメージなんですけど・・・作ってもらえませんか?」 昨年の染織こうげい浜松店さんでの作品展で、 iwasakiの『御柱織りシリーズ』の第一弾をご覧になって・・佐浦店長さん。 『御柱織りシリーズ』はiwasakiの着尺の規格のなかでも最太、重量級のもの。 デニムだったらヘビーオンスと言われるような、ハードタイプです。 なんといっても糸ぢから全開で、その贅沢な太さの絹糸一本の存在感を重視しています。 なので。 通常の着尺の規格では小さすぎて見えなくなってしまう、三つ崩し(算崩しともいいます) で小さな籠目を、無地感覚で色違いでシリーズ化したいと思っておりまして。 佐浦店長さんも。職業柄とはいえ・・・いやいや、相当マニアックな織物好き(笑)。 これは結構タイヘンなリクエストをお受けしてしまったかもかも。。。 まず初めに経てたタテ糸のブルーが綺麗すぎてしまいまして。 どうもイメージと合わなそう・・・。 佐浦店長さんのユーズドデニムのイメージを伺っていくと・・・。 淡いブルーはグレー寄りのものと若干黄色味のもの。濃いブルーは茶味を入れて・・・ 三つ崩しになる縞ですが、淡いブルーは2種使いまして。 ユーズド加工のジーンズのようにはいきませんが、若干くすませながら。でも絹ならではの 透明感も大切にしつつ。悩ましいせめぎ合いを自分たちの中でしつつ。。。 更にヨコ糸の色と、入れ方を変えたサンプルを数種類織り、選んで頂きました。 結果、当初三つ崩しの予定でしたが。崩しではあるけれど三つ崩しではなくなりまして。 確かに・・・。縦落ち感のあるデニムのような風情になりました。 ~浜松に颯颯紬有り~ 学生の頃読んだ、古い『民藝』で紹介されていたその織物は、『ざざんざ織り』でした。 そのヘヴィーデューティーで、硬派で、ストレートにカッコイイ織物にずっと憧れていました。 いつかこんなふうに、素材力を活かした力のある織物を作りたいと思っていました。 それから30年経って。。。 ざざんざ織りが好きで、着潰すほど好き過ぎる(笑)佐浦店長さんのような方に、 ざざんざをリスペクトした『御柱織りシリーズ』を作ることが出来て・・・。 本当に。織物を続けてこられて幸せだと実感した一品となりました。 気掛かりは。 佐浦店長さんが心から気に入ってくださるかどうか・・・なのですが(汗)。
by senshoku-iwasaki
| 2019-03-17 19:21
| 着尺・帯
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