昨年からご依頼いただいておりまして、6月にお納めした『あかい八寸帯地』に引き続き・・・。 Rさまからのリクエストの格子は、健やかで真っ直ぐ。 古き良き時代の自家織物そのままの、iwasaki的にはどストレートな格子でもあります。 『あかい八寸帯地』のときもとても悩んだのですが。 平織りで無地であったり、今回のようなたった2色だけで構成する格子というのは・・・。 すっぴんで、洗い髪のままブローもせずにいても「美しい人」をつくるみたいに(!?) 素を問われるような難題でもありまして。 ![]() こういったシンプルな格子でも。 もし、iwasakiのシンプルシリーズとして作るならばきっと・・・私ならもう1色、おそらく 白茶を入れて・・遠目に見ても少し変化をつけたくなるだろうなぁ・・とか。 いや、タテの縞に一本違う色を添えるかも・・・とか。 要は、健やかな自家織物好きなiwasaki夫婦でも、自分たちが商品として作ろうとすると・・・。 あれやこれやと考えて(笑)、ここまで潔い格子をつくる勇気(!?)はないかなぁ・・と。 織物制作は、気長でないと出来ないコトだらけ。 それでいて、「新しい」と思ったコトでも必ず過去に似たようなモノは存在しまして。 ならば古今東西、手織物にあるあるな「心地イイ感じ」の縞、格子を目指して日々制作している iwasaki夫婦なのですが・・それでも今回またひとつ改めて!ここまで潔いのもイイなぁ・・・。 10代で織物づくりに出会ってしまった私たちですが。 何の後ろ盾もなく、これを仕事にしようと思った2,30代が一番キツかった時代で(笑)。 40代は、お陰様で帯着尺をイロイロと制作できるようになりまして。 そして50代に突入の今年。 Rさまのお蔭をもちまして、更に『素』を磨きたいと心から思いました。 カンタンなシンプルではなくて、これまで織物に関わった30年分の(僅かかもしれないけれど) スキルを詰め込んだシンプルを。 でもこれは性分なので・・・寄せては返す波のようにあれやこれやとやっぱり悩んで(笑)。 あと30年作り続けることがもし出来るとしたら、 今回のような「真っ直ぐ」な『素トレート』ばかりを放れる老夫婦になってると思います! 中3の娘が、大真面目に子ガメを飼う準備を始めておりまして・・・。 我が家の25歳のミドリガメのミドリちゃんを眺めつつ、 娘のカメの成長をどこまで見届けられるのか、カメより自分が心配な私(笑)。
by senshoku-iwasaki
| 2019-08-27 23:54
| 着尺・帯
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