仕事場の、タテ糸を木枠に巻く道具『ゼンマイ』に。 ホコリ除けも兼ねて、いつもはクニヒサのお気に入りの スカッとしたストライプの久留米絣を掛けているのですが。 今日は久しぶりに亀柄の絣の布団表を掛けました。 おそらく明治期の山陰のものかと思われるモノで、 産地のモノではあるのでしょうが限りなく自家織物の 匂いのするモノで。 新婚時代の20代の頃、当時暮らしていた千葉の県営 住宅の壁を飾り・・iwasakiを自家織物の道に導いて くれた(!?)カメなのです。 亀がモチーフの絵絣というのは、割と一般的なのですが。 その場合もっと図案化されて縁起良く、しっぽが長く苔 がはえた(簑亀・みのがめ・というらしいです)立派な タイプが多いのです。婚礼用の布団だったりするので、 鶴亀は定番といえば定番なのです。。。 ただ、これは。 縁起が良さそう・・というよりかは、リアルの追求と いいますか、いやしかし、こんな布団で寝たいのか? という素朴な疑問はゼッタイあるあるだろうけど(笑)、 そんなコトを言ったら、明治という摩訶不思議な時代 は語れないのかもしれない・・・とか。 織りの工程を知る人間からすると。 途轍もなく手間のかかるモノであるにも関わらず、 へ?このデザインでイイのぉー?な力の抜け感と、 亀好きには堪らない(!?)リアルな沼亀感に・・・。 私(エツコ)はもう、この作者の方に対して敬意と、 嫉妬すら覚えるくらいの大好きな逸品なのです。。。 全長で24cmくらい。 ちょうどこの布団表を手に入れた頃我が家に やって来た、ミドリガメのミドリちゃんは3㎝ほど でしたが。25年経ってちょうどこのサイズです。 この時期の布団表の見どころは、愛おしさに尽きる ところかもしれません。。。 センスがイイとか悪いとかを超越して。 ただただ健やかで。 それなのに傲慢さが無くて。 作る、という行為自体がどうしても独りよがりで 傲慢でもある事だと常に思っていて。 それでも作る事に仕え続けたいと、強く背中を押し てくれた・・力強い亀に感謝を込めて。
by senshoku-iwasaki
| 2020-05-23 19:14
| 岩崎のある日
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