Eさまは以前、格子に緯吉野を入れた『入り江の波』シリーズの着尺を作らせて頂きまして。 「次回は無地ライクな着尺も」と嬉しいお言葉を。そしてこの度ご注文頂きましたのは紺色系。。。地紋のマルのサイズは、やや大きめです。
『地紋のある』シリーズの魅力は、無地でありながら見る角度によって・・・こうしてゆらゆらと気球のようなマルが浮かび上がったり、タテ糸とヨコ糸の色の違いから玉虫のように見える色が変わるところです。 Eさまのこちらは、タテがチャコールグレー。ヨコには赤味のある紺です。写真では紫っぽく見えますが、グレーのようにも見えるけど、やっぱり紺です(笑)。 こういった深みのある無地は、お召しになる方の持ち合わせた本来のお色、ピンク系だったり黄色系だったりを引き出して見せたり。また、合わせる帯も赤味、青味、反対色それぞれに合ってしまう寛容さがあると思っております。 何色ともいえない、織りでしか出せない色があるとしたらこういった事なのだろうと。 Eさまのこの着尺を織りながらつくづくと。この不可思議で曖昧で寛容な(!?)織りのチカラに突き動かされ続けている幸せを実感した私です。
by senshoku-iwasaki
| 2020-09-01 22:25
| 着尺・帯
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岩崎 訓久・悦子
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