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娘のファーストシューズ
2週間前、崩れた裏の土手を片付けに半年ぶりに
戻った山梨・南部町の家は、手に入れてから暮らす
ようになるまでに10年近くかかった家。

それまでの借家では、息子が生まれてから仕事場が
狭くなり・・縁あって築100年以上の古い家を破格
で購入したものの。修繕するところがかなりあり・・
仕事場として使いながら手を加えながら。
その間に娘も生まれて。

「お山のお家」に一家で引っ越したのは娘が小学校
に入学したとき。山のふもとの町営バスのバス停まで
徒歩で1キロ。朝は下って、帰りは上って。
お陰様で息子も娘も今もとても健脚(笑)。

息子の高校入学のタイミングで東京に戻ることになった
ので、娘は中1までここで過ごし、家の中は当時のまま。
壁に貼ってあったのは

娘のファーストシューズ_f0177373_18222091.jpg
小学校3年生のときだったかしら。初めての木版での
娘の図工の習作。その頃から靴職人に憧れていて。

アルバイトは基本的には禁止ということになってる
らしいのだけど。一本焼きの鯛焼き屋のバイトを
やってもいいかと高校入学してから相談されて。
作る現場のタイミングやらお客さんとの間合いとか。
職人を目指すなら、学校では学べないコトも多いん
じゃないかなぁ。。と容認。
週に2日ほど1年続けて、最近は焼き方のほうの仕事
も任されるまでに成長したらしく(笑)。

バイト代は彼女のペットのカメの飼育代と、靴貯金。
彼女がチビッコのとき「カッチョイイ」と思った靴
は全行程を一人の職人が作るというスタイルのもの。

「やっと貯まったから、直営店で買いたいの。でも
見た目お子ちゃまの私じゃ、敷居が高いのよー
とぉつんか、かぁつん、ついてきてよー」
そんな機会も滅多にないかと思ったものの残念。
私(エツコ)、今取り掛かっている杉綾の紬着尺。
タテ糸が切れていたのに気づかず織って、1尺ほど
ほどく作業中だったもので(久々の大ミス!涙)
ここは元シティボーイ(!?)のクニヒサに。


娘のファーストシューズ_f0177373_18220133.jpg
早速今日から学校に履いて行って、帰宅。
娘はコレを徹底的に履きつぶすつもりなんだそうで。
「ただいつものスニーカーに比べたら重くてぇ」
と言いつつも嬉しそう。

なるほど。それもイイかもね。
まだ何者にもなれていない、もうすぐ17歳。
同じくまだ何者でもないもうすぐ19歳の息子と。
その途上の感じも眩しくて。

それにしても。
8万円の靴なんて、私は買ったことないなー。
たぶん私より、時給のいい彼等なのに。なんでか
フツーに、もうすぐの誕生日のプレゼントを期待
している二人に。シューキーパーとブラシでも
探してみようかなぁ。。




by senshoku-iwasaki | 2021-07-19 23:01 | 岩崎のある日
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