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秋の新作八寸は落ち着いた赤系の、菱とクロスの秘密裏です。
きものサロン秋冬号に掲載して頂いた新作の帯地。
『西方の布』と名付けたiwasakiでは珍しく(!?)
赤系なのです。。。

2022年はiwasaki結成30年の節目の年でしたが。
新型コロナウイルスや、気候変動による自然災害、
そして戦争・・・と。心穏やかではない日々。

病も災害も争いも。長い長い歴史の中で幾度とな
く繰り返されたことだけど。
お金もチカラも無い小市民は、一所懸命に生きて
祈ることくらいしか出来ないもので。

幾多の時を経て有るような、深みの赤に・・・
現世もそして来世でもの幸せを、伝統的なクロス
の入った綾織りに願いを込めて制作したシリーズ
です。

秋の新作八寸は落ち着いた赤系の、菱とクロスの秘密裏です。_f0177373_17544468.jpg

太古の昔より人が暮らす上で無くてはならない布は、
織機が確立される以前から獣毛で糸を紡ぎフレーム
に糸を張り、縫うように布を作り出していました。

アンデスの遺跡から発掘された、ワリ文化のそれは
小さな布を赤や青、緑に絞り染めをし、はぎ合せて
死者を葬ったというもので、力強いその布に魂の
再生を願う人々の強い思いを感じます。

秋の新作八寸は落ち着いた赤系の、菱とクロスの秘密裏です。_f0177373_17543591.jpg
iwasakiにとってこのアンデスの布は、生きること
と、織物を作り続けるということ、日々精一杯、
イッパイイッパイ手一杯(!?)で過ごしきれと
檄を飛ばしてくれたり、全然ダメだわ自分(涙)
と落ち込んでいるときは「もっと大らかでええで」
(なぜか関西弁!?)で励ましてくれる不思議な布。

この頃は励まされてばかりの私(エツコ)ですが、
ひょっとして1000年ほど前にこの布の一部を織った
のかもしれない・・・なんて思ったり。
これにくるまれていた高貴な人物では無いことだけ
は確かな気がする・・・(笑)。


by senshoku-iwasaki | 2022-09-06 22:39 | 着尺・帯
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