秋の新作八寸は落ち着いた赤系の、菱とクロスの秘密裏です。
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きものサロン秋冬号に掲載して頂いた新作の帯地。『西方の布』と名付けたiwasakiでは珍しく(!?)赤系なのです。。。 2022年はiwasaki結成30年の節目の年でしたが。新型コロナウイルスや、気候変動による自然災害、そして戦争・・・と。心穏やかではない日々。 病も災害も争いも。長い長い歴史の中で幾度となく繰り返されたことだけど。お金もチカラも無い小市民は、一所懸命に生きて祈ることくらいしか出来ないもので。 幾多の時を経て有るような、深みの赤に・・・現世もそして来世でもの幸せを、伝統的なクロスの入った綾織りに願いを込めて制作したシリーズです。
 太古の昔より人が暮らす上で無くてはならない布は、織機が確立される以前から獣毛で糸を紡ぎフレームに糸を張り、縫うように布を作り出していました。 アンデスの遺跡から発掘された、ワリ文化のそれは小さな布を赤や青、緑に絞り染めをし、はぎ合せて死者を葬ったというもので、力強いその布に魂の再生を願う人々の強い思いを感じます。
iwasakiにとってこのアンデスの布は、生きることと、織物を作り続けるということ、日々精一杯、イッパイイッパイ手一杯(!?)で過ごしきれと檄を飛ばしてくれたり、全然ダメだわ自分(涙)と落ち込んでいるときは「もっと大らかでええで」(なぜか関西弁!?)で励ましてくれる不思議な布。 この頃は励まされてばかりの私(エツコ)ですが、ひょっとして1000年ほど前にこの布の一部を織ったのかもしれない・・・なんて思ったり。これにくるまれていた高貴な人物では無いことだけは確かな気がする・・・(笑)。
by senshoku-iwasaki
| 2022-09-06 22:39
| 着尺・帯
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岩崎 訓久・悦子
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