<< 新しい保護紙(包装紙)に包まれて。 久々の『メンデストライプ八寸帯... >>
じっと見が止まらないイチイチの野蚕の紬着尺出来ました。
秋の染織こうげい・神戸展さんでの作品展に向けて
iwasaki らしい(⁉︎)一見どうってことの無い、されど
こっくりと味わいと糸ぢからのある、ざっくりとした
平織りの紬を制作しました。

イチイチとは、濃い色と淡い色を1本ずつ交互に経て
たモノのことで一筋の糸のチカラを感じて頂けるかと。

じっと見が止まらないイチイチの野蚕の紬着尺出来ました。_f0177373_19100425.jpeg
タテ糸には野蚕のタッサーシルクを使いました。
ギラっとした輝きと、独特の粘りと質感のある野蚕
の糸は。以前は安価な糸でしたが、今は国産の家蚕
糸と価格的に変わらないものとなりまして。
iwasaki では特性を活かして…帯揚げにもなるストール
には野蚕糸を使っておりますが。

この光沢感とコシと粘り、着尺でも使ってみたくて。
単衣ならさらりと、長い期間楽しめて。
袷であれば軽くて温かく楽しめる、どうって無いけど
愛おしい日常にそっと寄り添ってくれそうな。

じっと見が止まらないイチイチの野蚕の紬着尺出来ました。_f0177373_19112169.jpeg
ヨコ糸にはまわたのつむぎ糸と、赤城の玉糸を。
こちら先週織り上がったばかりの小格子タイプ。
偶数の8越しずつグレーの玉糸を入れると、表にグレー
がヨコ線で出たり、裏目に出てタテ糸が出たり。
心電図みたいです。「裏目に出る」ってあんまりイイ
意味で使われることはないけど、このぼわーんとした
裏目、私は好き(笑)。



じっと見が止まらないイチイチの野蚕の紬着尺出来ました。_f0177373_19105225.jpeg
こちらは第1弾で作ったもの。イチイチの縞の大小で
構成しました。ヨコ糸はまわたのつむぎ糸で、所々
ヨコも濃い淡いでイチイチで段を入れました。

じっと見が止まらないイチイチの野蚕の紬着尺出来ました。_f0177373_19110535.jpeg
こちら第2弾のものは、やはり大小のイチイチの縞
にヨコ糸にまわたつむぎ糸を無地で。草色のような
グリーンの無地が、タテの縞を浮き出しています。

どれもこれもぱっと見よりもじっと見で。
iwasaki永遠のテーマでもある
作家モノというより、産地モノのような風情で。
どこか山奥で、老婆がせっせと手織りをしている
ようなイメージで。老婆には近づいてきたけれど、
なーんか落ち着かない(笑)、蔵前の工房で。
脳内は幕末?いや宇宙?素敵な過去から未来を
旅しながらの3部作です。。。







by senshoku-iwasaki | 2024-10-01 22:58 | 着尺・帯
<< 新しい保護紙(包装紙)に包まれて。 久々の『メンデストライプ八寸帯... >>