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利休 カンドウ 2
もう、20年も前のことになってしまった・・・。
私は 郡上八幡というところで紬を勉強しまして。
18歳の私が、初めて郡上のまちの人とお話したのが齋藤さん。
齋藤家は、由緒正しき郡上の名家でして、確か今14代前のご先祖さまが
当時の郡上のお殿様と一緒に、茶人としてやってきたとのことで。
代々齋藤家に伝わる、お茶道具の数々を美術館として展示しています。
郡上のメイン通り、新町にある齋藤家は、表の格子戸も美しくて・・・。
ポカーンと口をあけて・・(きっと、バカ丸出しで)自転車を押しながら眺め歩き・・
齋藤美術館」の看板に、掃除をしていたオジサンに「入り口はどちらですか?」とたずねたのが
きっかけで・・・。気がついたら、齋藤さんのお屋敷の中でお抹茶をいただいておりました。
そのオジサンこそ、齋藤さんのご主人でして。以来、郡上の学校にいた2年半、私は
「齋藤美術館」で、アルバイトさせてもらっていたのですけど。
家族のようにかわいがってもらって、いまでも大切にしていただいています・・。

私はそれまで・・・茶事なんて全く知りませんでした。
でも、齋藤家のお道具のひとつひとつが、なんか違うのはド素人でもわかりまして・・
ホンモノとかニセモノとかは、鑑定士が知るところのものだけど。
気が入っている、というのかしら。
たとえば、全然高価そうに見えないものにも・・しみじみと豊かさを感じるような・・・。
私にとって、もう一人の母、齋藤さんの奥さんが
「茶事は深~いんなぁ。利休さんはスゴイわぁ。炭に火をおこすような下ごしらえこそ肝心やと。
あんたが今、勉強しとる織りもんもきっとそうやろ。ナマカワしとったらダシカンでぇ。」


今日からやっと、Kさんのコート地を織り始めました。
先週、このコート地の経糸を準備するのに、夫はまだ帯地を織っている途中。
仕方なく(!?)私が、久し振りに経糸をグルグル・・・。
調子よく手早くグルグルするためには、糸のカセをキレイにパンパンとはたきまして・・・
糸の綾を乱さぬよう、ゴコウに丸くキレイにかけ・・・
おぉ~。なんか一つ一つ美しいわぁ~!
すぅーと難なく糸が巻けると、キモチの良い作業なのですが、ひっかっかってばかりだと
ものすごく時間のかかる作業。
イライラは禁物。
「よいオテマエでした」と自分に言えるように、下ごしらえにも気合を入れたいと思ってます。
あらためて・・・・。
by senshoku-iwasaki | 2008-09-09 20:47 | 骨子・背景
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