コラボを進めている森くみ子さんの阿波藍染めの絹糸に、今年最後の糊付け作業。 来年は新色グリーンが入ります。 iwasakiで先に刈安で黄色に染めた上に藍をかけてもらったものです。 「そんなに濃い黄色ではなかったのですが、藍を乗せたら思った以上に黄色が強くて・・・。」森さん。 ![]() 『阿波藍とアイボリー』シリーズでまだ制作していなかった九寸帯地を、この糸を使って。 このシリーズは、ベースになるのが主にヤマモモで染めたアイボリーでして。 この藍を、時にぼんやりかき消してみたり。時に際立たせてみたりして。 いつでも少し物足りないかも(!?)なiwasakiの織物の中でも このシリーズは特に腹八分(!?)を意識しているシリーズでもあります。 それはやっぱり。 森さんの藍の色が美しいから。 やり過ぎてしまうと見えなくなってしまう小さな神様たちが宿っている気がして。 余計な手を加えられなくなってしまう、神々しいような森さんの藍染め糸。 来年の『日本の夏じたく』展では、 森さんが今年出版された本『阿波藍のはなし』のお話し会を予定しております。 それまでに 森さんの藍の糸を使った新作を、モリモリ作りたいiwasakiなのですが・・・。 さーて。どれだけ作れるかしら?(汗) たくさん作れないのが手織りのいいところ。 見え隠れする小さな神様たちと一緒に、今年も(いつもと同じ)大晦日も元旦も。 チョットでも機に座ることが出来たらいつも通り。 仕事をしながら年越えが出来たら本当に幸せ。 ▲
by senshoku-iwasaki
| 2018-12-27 22:28
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クニヒサが元旦に準備していたのは、この絹糸を精練するための灰汁でした。 蚕が放った絹糸は、大体25%ほどのセリシンと呼ばれるたんぱく質で覆われていまして。 そのままでは硬いので、石鹸や灰汁などのアルカリで練って使うのですが。。。 iwasakiでは作る織物によって、練り具合を変えておりまして。 夏用ならセリシンは残して、そうでなければ柔らかく・・・。でも、練り具合って難しいのです。 ![]() 着尺用の生糸など・・・たくさん頼むときは、プロに精練までお願いすることも。 その場合は酵素練りが一般的ですが。こうやって少しずつ練るときは、灰汁で。 灰汁も、使う灰によってアルカリ度が違うので・・・藁灰、樫などの堅い木の灰、雑木灰・・と。 iwasakiの場合は、その都度手に入ったもので臨機応変に。 今回は、郡上に暮らす友人が以前送ってくれた桜の灰で。 この灰には思い入れもありまして。ある日、友人のご近所で・・桜の樹がかなり多く伐採されて。 「ホカすって言うから、なんかもったいなくて・・貰って灰にしたんやて。けど、結構大変やったわ。」 と、20㎏ほど送ってくれたもので。20㎏の灰といったら、そりゃ大変な量の桜かと。 なので大切に、ケチケチと(笑)使っていたのですけれど・・とうとう残り僅かとなってしまいました。 木灰の灰汁だと、どうしても灰汁の茶っぽい色がつくので、濃い色を染める糸に向きます。 この糸は、森くみ子さんに藍で染めて頂くものです。 今季の藍の仕込みは、昨年よりも遅く1月下旬から・・・と聞きまして、お願いする絹糸を振り分けて。 森さんに今までに染めて頂いた藍の糸も、1,2年寝かして色が落ち着いてきましたので・・・。 これから少しずつモノにしたいと思っています。 織物になるまでに・・・。 精練をして目方は減るけど、物語や思いは増えまして。 さまざまな人や、植物のキモチも乗せて・・・更に、森さんの藍まで纏って!私たちの元に戻ってくる のを楽しみにしています。 ▲
by senshoku-iwasaki
| 2018-01-12 21:43
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極太のガッチガッチのコレ、国産のキビソ糸です。 iwasaki定番の山形斜文の八寸帯地のヨコ糸にしているキビソ糸の約3倍くらいあります。 現在iwasakiでは中国のキビソを使っているのですが、国産のものもお願いはしてあるのですが・・・。 他からの注文も多くあるそうで、ナカナカ使いやすい太さのものが手に入りませんで。 ならば。 この極太でしか出来ない、手織りでないと扱いきれない規格の、新作にして次なる定番を目指したく。 ![]() ガッチガッチは、絹のたんぱく質であるセリシンによるもので。 これをどれくらい落とすかが、大きな大きなポイントになります。 キビソは、練りすぎるとホワホワになり過ぎて・・・帯には使えなくなりますので。 また、染めるときにも気を付けないと柔らかくなってしまうから。 そのあたりも考えて・・・灰汁で練りまして。 ![]() 染めあがった、紺と白茶。 この規格を思ったのは、Aさまからもう・・・10年近く前からリクエストされている三つ崩しの八寸。 フツーに作ってしまうと、三つ崩しは糸の細さからよーく見ないと・・・三つ崩しに気づかない 無地のようになってしまうから、Aさまがイメージしている三つ崩しのサイズ感と合わず。。。 ずっと考えあぐねていたもので。 iwasakiにリクエストくださるときには、定番として制作しているものならばご注文としてお受けさせ ていただくのですが・・・。まだ制作したことの無いものですと、考えさせていただいて。 それがこうして長引くことも多々(笑)。でも決して、忘れて長引いているわけではないのですっ。 新たな糸を目にする度に、これはあれに向くかな?と大体二人して同じコトを考えていまして。 このキビソを手にしたときに、イケルかも!と同時に・・・でもチョット難しいかなぁ・・・?とも。 でも。いまだに、やってみないとワカラナイことだらけなので。 かなーり味わい深い、でも好き嫌いが分かれそうな(笑)、魅力的な新作がちょうど今・・・。 生まれ始めております。染織こうげい・神戸店さんでの展覧会で初お目見えとなりそうです。 ▲
by senshoku-iwasaki
| 2017-10-03 22:05
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by senshoku-iwasaki
| 2017-03-09 22:07
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![]() 先日、宮坂製糸所でわけて頂いた・・・特別な糸。 節がとにかくあるので、かなり太く、そして毛羽立ちを抑えつつしっかりと丈夫な織物にしたいので・・・。 手織りの絹織物のセオリーでは、ありえなーいくらいの撚りを撚糸屋さんにしていただきました。 未精練の状態で一部送ってもらいまして、目標は八分練りでクニヒサが精練を。 今回は、3年前の大雪でバキバキ折れた・・・裏山の樫で、暖を取った灰を使って。 八部練りが目標なこれらは、森くみ子さんに藍染めしていただこうと・・・。 藍液は、アルカリが高いので少しセリシンが残っているくらいがベストかと。 セリシンアレルギーのクニヒサなので(笑)、精練中は『適度な距離感』が大切らしく。 染め小屋に籠ることなく、糸を繰ってつけ込み外に出て。 手入れを怠っていた・・・庭木をチョキチョキ。 合間合間に・・・精練終了時には、庭木もスッキリに。 ![]() 絹の手織りといえば、絹は撚りが無いほど光沢があるので、 (無撚りの『銀河シルク』が光るのはそのためです。) 甘撚りにするのがセオリーのひとつだったりします。 撚りを強くかけるというのは、初めの光沢感があまり無いということになります。 これほど贅沢な糸なのに。 始めの絹らしさより、使ってゆくいくうちに糸が馴染みあって光沢感が生まれる・・・。 ヘヴィーデューティで、ハードなデニムのような絹織物を目指します。 染織こうげい・神戸店さんでの展覧会がいよいよ明日から始まりますが、 iwasaki工房では、来年の仕事に取り掛かりはじめました。。。 14日・15日・16日と、クニヒサが染織こうげい・神戸店さんに行っている間も。 どっさりと。宿題を置いていくつもりとしか思えない(笑)・・・クニヒサの今日の動き。 自分の仕事回りだけはスッキリさせて(!?)神戸に出かける気のようです(笑)。 明日13日から17日まで、染織こうげい神戸店さんでの展覧会です。 関西方面での作品展は、ほとんど無いiwasakiなので・・・お近くの方々にご覧いただけましたら 大変嬉しいです!! ▲
by senshoku-iwasaki
| 2016-10-12 21:56
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![]() 先月、宮坂製糸所さんでお願いしてきた糸たちが・・・。 撚糸屋さん、精練屋さんを経て・・・一部(といっても、20キロほど!)届きまして。 着尺用、九寸帯地用なのですが、『ざっくり糸味系』にしたいのか『ノーブルなキレイ系』でいくか・・・。 原糸もかなり節の多い玉糸だったり、節少なめの玉糸、キレイな生糸・・・原糸の太さも違うので、 作りたいものによって太さも撚りの具合も変えて、規格を変えるのですが。 基本的にクニヒサが担当している規格、この部分を考えるのが面白くて、悩ましくて(笑)。 なんてったって難しい・・・。生地として『ちょうどイイ』を見つけるわけですから。 密度、厚さ、・・・きっとそれだけじゃない・・・う~ん・・・きっと、糸という素材感がどれだけ『自然に』 引き出せているか、が重要なのかも。。。とか。 宮坂さんの魅力的な糸たちを、何種か・・・結構な量頼んじゃいました~(汗)。 この中には、お世話になっている・・・染織こうげいさんで、昨年からご注文いただいている杉綾織の 紬着尺用にと思ってお願いした生糸も。 神戸のHさまからの「デニムっぽい紬」のリクエスト。これから取り掛かり、サンプルをお送りする予定 なのですが。ヨコ糸もiwasaki定番の杉綾織の紬よりも・・・チョット太めのつむぎ糸にしてみようか・・・ とか。イロイロ考えている時間も楽しくて、悩ましくて(笑)。 今日届いた糸は、まだ一部(汗)。まだ第二弾が近日中に届く予定。 こんなに頼んでも、今すぐ足りない別の糸もありまして(涙)。また注文しないと・・・・。 今すぐ使えないのはわかっているのに、買い占めたくなる糸がもっとあったけど。 支払いはこれから・・・。国民健康保険の支払い通知も来てたなぁ。車も車検だったなぁ。 作りたいモノはあるある、けどお金はないない・・・(笑)。これもまた楽しくも悩ましいiwasakiあるある。 ▲
by senshoku-iwasaki
| 2016-07-21 23:04
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![]() 家の居間で、増孝商店で、私(エツコ)がいっつも繋げているのは 織物をすると出る、切り糸。 銀河シルクの山形斜文の八寸帯のシリーズは、これまでにイロイロ作ってきたので、 銀河シルクの切り糸もかなり貯まってきました。 『結びのシリーズ』新作は、この銀河シルクを中心にした繋ぎ糸を使っての八寸帯地を、 クニヒサと考え中なのです。 『再生』なんだけど、『新生』じゃなくちゃ。 『リサイクル』のコンセプトだけじゃ、この糸に対してもったいない。 この繋ぎ糸あっての、この糸じゃなくちゃ出来ない織物にしなければ 本当の再生にならないんじゃないかなぁ・・・なーんて思えば思うほど・・・ 今度は手が止まってしまうので。 「バカの考え休みに至り」と、小さい頃から母によく言われた私(笑)。 とにかく手指は休めずに、まずはせっせと・・・もっと繋げます。 そもそも。 『手織り』に『生産性』はどうやってもナカナカ大変なのですが。 それでもキモチだけは、作家というよりiwasaki織物を作っているという気概な私たち(笑)。 なので、日々のチョットした工夫や、工房の動線は一寸でも一分でも織り進められる ように意識していたりしますが。 だからといって、さっきまで機にかかっていた最後の最後のタテ糸を、織り上がって 切ったからって捨てるなんて、どーしても出来ないのです。 今iwasaki一家が暮らすこの家は、明治時代に建てられたもので、トイレは外にありました。 今は潰して庭になっておりますが、階段状になった二箇所で馬小屋と続いており、 排泄物を取り出せる仕組みになっていました。 何も無駄にしない、全てがグルグルと繋がっていた・・・チョット前のご先祖さまたちの暮らし。 さすがにそこまではマネできないiwasakiですが(汗)、 その思想だけでもマネをして、現代の暮らしの中で生きる織物を作っていきたいと思っております! ▲
by senshoku-iwasaki
| 2015-01-12 21:05
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![]() 繋ぎも繋いだ・・・何年分の内職(!?)かしら。 1,27メートルの1000回転のカセにして8カセほど・・・。 結び糸の着尺といえば、フツーはヨコ糸使いにしたもので、ポチポチと結び目が 段のようにヨコに出ているものですが。 タテにしようとなると、どう考えても結び目から抜けるリスクがあるのだけれど、 クニヒサ、今回Mさまにタテにも入れる提案を。 ・・・なのでいつもよりちょっと強めにふのりをつけて。 これだけの大量の繋ぎ糸、着尺を織った時に出る、切らなければならないタテ糸 織り上がりのときの約20センチと、織り付けの約6センチ、それがタテ糸本数1000本~1400本ほど。 それを暇をみつけて繋げるのが、私(エツコ)の趣味といいますか、生甲斐といいますか・・・。 生産性の無いコトこの上なしな(笑)愛おし過ぎる仕事なのです。 お菓子屋さんでかわいいクッキー缶を見つけると、食べた後は切り糸を入れようと・・・ つい買ってしまうので(笑)、我が家にはクッキー缶だらけ。それも糸入りの(笑)。 本日クニヒサ、グルグル・・・木枠にあげて、整経の準備の予定だったので、 「糸が抜けてイライラしたら、罰金だからね~!」 サマーバージョンの新作sunriseショールを織りながら・・・私。 「イライラ禁止ですか~?」クニヒサ。 「あーたがタテにするって言ったんだから、イライラして空気悪くしたら罰金!」 「えーえー。オトナですからどっしり構えて挑みますヨ!」クニヒサ。 整経、たて巻き、織り・・・とまだまだ・・ゆったりまったり、オトナの余裕で(笑)。 タテにもヨコにもポチポチと結び目のカワイイ、愛おしい自家織物を目指して・・・。 糸は抜けても気は抜けない、Mさまの繋ぎ糸だらけの着尺・・・楽しく取り掛かります! ▲
by senshoku-iwasaki
| 2014-05-15 22:02
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![]() ば次にかかる吉野格子の着尺のヨコ糸に糊付けを。 雨なら木枠に上がった余り糸を、カセ上げ作業。 そうだ!ついでにコレも。 綾織りの紬に取り掛かる前に、10日ほどひたすらに 繋ぎまくった糸。着尺を織るときに出る、織りつけの際 の10センチ、織り上げの際の25センチの切り糸。 Mさまに以前から・・・私(エツコ)が、暇をみつけては ちまちま繋げている糸で着尺が欲しいと言ってもらっ ているので。今まで繋げた糸と合わせてどれくらいに なったのか、カセに上げるコトに。 今回は、お正月にMさまと打ち合わせさせていただい て、この繋ぎ糸をタテ糸として散らそうという計画。 これだけ繋げてあると、どうしても繋ぎ目からぬけ易い ので・・・古い自家織物でもタテ糸に使われているモノ は、あんまり見た聞いたりしたコトがないので。 カセに上げてから、糊付けをしてトライする予定。 このカセ、枠周1.27メートルで1000回転。 それで・・・。出来上がったカセは、合計5カセ。一反 分で使うタテ糸の、だいたい3分の1ほど。 ![]() これだけでざっと計算すると、21,000回は繋げている コトになり・・・。18反分くらいの切り糸を、はた結びし てこれだけ、ってコトかぁ・・・。 グレー系の多いiwasakiらしい繋ぎ糸。生糸だったり 玉糸だったり、太さや撚り具合も微妙に違います。 この間、息子には『三浦雄一郎さんとは違うんだねぇ』 ってつくづく言われたけれど(笑)。 この繋ぎ糸の全長を考えると、エベレストだって近づ いちゃうかも!? いやいや・・・まだまだ、ちゃんと織物になるまでは! なんせ、体力が無いですからね、大きく迂回しまがら ゆっくりゆっくり・・・山頂を目指します! 命の危険は、全く心配要らない機織り登山ですが。 ▲
by senshoku-iwasaki
| 2013-06-27 22:16
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![]() 4月から5月にかけて、愛知県のギャラリー・雅趣kujiraさん での展覧会に向けて制作中。 この節糸、宮坂製糸所さんのもののように『ちゃんと』してな いのが特徴!?。農閑期に内職のように、お母さんたちがひ いてる糸だから、ものすごく太かったり細かったり・・とにかく 味わいはあるのだけれど、扱いはタイヘン。 タテ糸を木枠に巻き上げるのも、整経するのも、こうして機に 二人がかりでタテ巻きするのも・・。 この節糸を使った八寸、今までにも作ってきましたが・・。 今回は前回よりも太いところが多いみたい。 クニヒサ、筬目を再検討。 精製されていない・・荒削りなんだけども、ミョーに魅力的。 素材感!の存在感!を、150パーセント引き出したいのが 今回のシリーズ。それとは別に、脱・素材感!だけど 織物らしい和モノが作れないかとも思っています。 織りのキモノは、元々普段着だもの。洋服で言うなら、 『 Street系』。43歳になるiwasaki夫婦、今更だけど 『 Rockな魂』も持って(!?)この、『 Street系』に 取り掛かっていきたいと思っております! ▲
by senshoku-iwasaki
| 2012-02-23 22:36
| 素材
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