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by senshoku-iwasaki
| 2020-08-11 22:32
| 着尺・帯
6月に織りました着尺は、経吉野。 チャコールグレーとシルバーグレーの小さな縞ですが、 タテの密度がたつので、シボ感と独特の光沢感が魅力 の織物になりました。 渋い江戸小紋の織りバージョンのような風情でして、 自分たちで作っておいてなんなんですが・・・。 iwasaki夫婦、かなり気に入っております! これは満場一致で(って、たった二人ですが・笑) シリーズ化決定となりそうです。 iwasakiにとって、定番をつくり出すということが 何よりの作品づくり。 いろんな意味で「ちょうどいい」が「定番」という ことだと思っていまして、いつだってそれを目指して いるものの。それは結構ムズカシイのです。。。 まるで幸福論みたいに。 つい、これも出来るんじゃないかなぁとか。 もうひと色添えてふくらましたほうがもっと良くなる んじゃないかなぁとか。足し算をしてしまいがち。 でもやり過ぎは着にくいモノ。 だからといって、引き算ばかりじゃなーんかつまんない モノになってしまいがち。 あれやこれや考えて作っても。 う~ん。もうちょっと考え直すか・・・ということの ほうが多いのだけど、これは。 色違いがイロイロ・・目に浮かぶ。帯が映えるお召し姿 もイロイロ・・目に浮かぶ。 単品で見ても単調じゃなく、奥行きがある。おぉぉ。 目に見えないウイルスに、信じられない大雨災害。 心がふさぐ出来事ばかりが続く日々。 こういうときにいつも思うのは、織物は何の役にも立て ないということで・・・。 それでもiwasaki夫婦に、織物制作以外に出来ることは 何もなく。。。 次に繋がる微かな希望の光を、この地味な新作に感じて。 ▲
by senshoku-iwasaki
| 2020-07-15 23:29
| 着尺・帯
コロナ禍で作品展が中止になったり、町会のイベント も取り止めとなったりで。 iwasakiいつもよりもじっくりと、時間のかかる組成 の仕事に取り掛かっておりまして。 5月はこの緯吉野の着尺、6月は経吉野の着尺を織り 上げて。湯のしも上がって、トロンと良き風情です。。。 ![]() 『ゼリーのミルフィーユ仕立て』は(前回のタイプ のもそうでしたが)着尺となれば特に。 組成の凹凸感と、色数はあるものの「うるさくない」 を念頭に制作いたしました。 着物は、たっぷりと織り地が見えるもの。 お手持ちの帯にも合うように、そして何より・・・ 飽きない着物となるように。 永くお召し頂けるものとなるように。 単調ではないけれど、やり過ぎにはならないように。 それはiwasaki結成のときからのテーマ。 織りの着物の魅力は、日によって明るさによっても 見え方が違うことだと思っていまして。 一番シンプルな平織りであっても、糸味の違いや 色、縞や格子によってもかなり変化します。 それが綾織りになったり、こうやって緯吉野の組成 だったり、経吉野となれば尚。。。 それぞれの織りの特徴を、出来れば最大限引き出し たいのです。それもやり過ぎないで(笑)。 キモノは、着る人と着物と帯と、帯揚げ帯締め履物 にバッグといった小物類・・全部のバランスのモノ。 やっぱり着る人が一番輝かないと。 この緯吉野の『ゼリーのミルフィーユ仕立て』とは 対照的な感じで、経吉野で無地ライクの渋い『織り 小紋』も。色違いでシリーズ化出来るような第一号 を次回はご紹介いたします! ▲
by senshoku-iwasaki
| 2020-07-12 22:21
| 着尺・帯
染織こうげいさんでの作品展から戻ってきた 帯、着尺などを仕舞うために巻き直しながら。。 今回も実は(!?)結構新しい試みがイロイロ。 しみじみ眺めて、自分で作っておきながら・・ おぉぉそうだった!と改めて(笑)。 新型コロナウイルスの影響で。 残念ながら今回の作品展では、あまりご覧いた だくことの出来なかった新作たちでしたが。 今現在制作中のモノたちも含めて、近いうちに 蔵前の、年に数回のiwasakiのshop「増孝商店」 でもご紹介できたらと思っております! また日程が決まりましたら、このブログでも ご案内させてくださいませ。 ![]() イワサキ式ドロップスは、空羽の緯吉野。 少し透け感のある爽やかな縞の部分は、徳島の 森くみ子さんに阿波藍で染めていただいた玉糸 です。 ![]() 50歳の年のときに50本の半巾帯を作ろうと、 どうにか作り終えてふと。 iwasakiの半巾を組み立てている、八寸帯地 のときの残糸が底を尽き始めたことに気づき。 あれれ、私たち今年51歳ということは? 来年はiwasaki結成30周年になるのかぁ。。。 ふむむ。 『30周年に30本の八寸帯地つくる!』企画を したらまた半巾もいっぱい作れるなぁ。 かがるだけの八寸も。 半巾と同じ、織りっぱなしでも帯になる織地。 ミミもカワイイ見どころのひとつ。 うむむ。。。 性懲りもなく(!?) 新たな目標が、生まれてしまったかもかも。 ▲
by senshoku-iwasaki
| 2020-06-17 23:04
| 着尺・帯
『ゼリーのミルフィーユ仕立て』な緯吉野の着尺を 織り上げてすぐに。 クニヒサとあれこれ考えながら、今度は経吉野着尺。 今回は実験的に小さな縞をたてまして、その上に ちょうど組織がかかるように・・・。 静かな雨音の拍子のような着尺です。 ![]() 縦長な楕円が、雨垂れのようにも雫のようにも。 タテ糸が飛ぶ部分と、そうでない部分の光沢が 違うので緯吉野とはまた違う奥行きがあります。 本格的な梅雨入り前日の晴れの日に。 ひと月ぶりに千葉の実家のお掃除に行きまして。 一人暮らしの母は、今年米寿を迎えます。。。 2ヶ月間お休みをしていたリハビリテーション。 出掛けることが面倒臭くなって、このまま やめようかな・・と言う母に、頼むから週1で いいから行って欲しいとお願いして。 布団に洗濯もの・・干せるもの全て干して(笑)。 草だらけの庭の草刈りと。 クッタクッタにくたびれて。 コロナの影響で2月から行けていない山梨の、 南部町の家も。草が凄いことになってるのだろ うなぁ。。。 実家のあじさいを一枝貰って帰って。 南部町の町の花は、紫陽花だったなぁ。 この『雨音拍子』の着尺が織り上がったら 梅雨の晴れ間をめがけて何としても! 一度、150歳の南部町の家のお掃除にも 行かないと。。。 ▲
by senshoku-iwasaki
| 2020-06-12 22:51
| 着尺・帯
iwasaki夫婦、ともに50歳のときに 50本の半巾帯を作ろう!と始まった企画。 iwasakiにとって半巾帯は特別な存在。 なんといっても iwasakiの大好きな『何でもないフツーの日』の とびっきりのアイティムだと思っていて。 着尺や帯地を織った残りの糸から生まれることが多々。 白洲正子さんの著書の中で 「織物の魅力は良くも悪くも同じものがないことだ」 という一節があって。 私たちが目指す自家織物は、まさにそれでして。 定番としてシリーズ化して似たようなモノを作ること はあっても、全く同じは存在しない。 それは 今日と昨日は似てるけど違うのと同じなのです。。。 この50本の中でも。「以前制作したあの感じで」など お客様からリクエスト頂いて作ったものもカウント しています。 この50本目も。Tさまにリクエストされていたタテ糸 の姉妹です。 紺とピンクのはっきりとしたツートンで以前制作 した『色硝子』のサンプルからお好みを伺って。 今回はグレーを挟んだのはTさまの雰囲気がそんな 感じだったから。 柔らかで優しいTさま仕様の『色硝子』のタテに。 ヨコ糸の配色を変えて。 リクエストといえば。 iwasakiの半巾を何本もお持ちのSさまも。 昨年制作した『阿波藍とアイボリー』の半巾帯を リクエストしてくださいまして。 緊急事態宣言が解除された先日、お着物姿で お出でくださいました。それもiwasakiの緯吉野 の半巾帯を締めて!! ![]() うは~!ウレシイですぅ! とってもお似合いでした。 Sさま、お仕事もずっとテレワークだそうで。 お家でも毎日お着物生活なのだと伺いまして。 「半巾、大活躍です」Sさま。 ありがとうございます! ![]() Sさまの『山形斜文の阿波藍とアイボリー』は菱が 細かく変化するタイプ。 この『山形斜文の阿波藍とアイボリー』は、ほぼ 同じように阿波藍の段が入ったものがもう1本作り まして。それは若干菱が大きく変化しています。 ものすごく似ているけれど、やっぱり違うのです。。 ![]() Sさまの後ろ姿。 私(エツコ)の、半巾帯が好きな理由のひとつに 織りっぱなしでそのまま(仕立てることなく)帯に なることでして。こうして生地感のある締め方は、 より織物の全貌が見えるようで・・・しみじみと。 あぁ。やっぱりヨカッタなぁ。と自画自賛してしま います。。。 Sさま、ありがとうございました。 ▲
by senshoku-iwasaki
| 2020-06-07 00:34
| 着尺・帯
緯吉野のミルフィーユな着尺を、私(エツコ)が 掛かっている横の機では。。。 クニヒサが取り掛かっているのは、経吉野。 吉野織りには、タテ糸が密になる経吉野と。 ヨコ糸が密になる緯吉野。 そして タテヨコともに密になる吉野格子があります。 どれも凹凸が出来る組成になるので、仮に無地 であっても無地ではない、糸味の出せる魅力が あります。 ただ経吉野、実はiwasakiではまだシリーズ化 したことがありませんで。 新しいシリーズの開発中なのです。。。 ![]() ただのサンプルではつまらないので、ならば! 織り半襟を作ろう・・となったのですが。 随分と前から Aさまから江戸小紋にある「茣蓙目」のような 地紋が出来ませんか?とリクエストを頂いていて。 そんな文様が織りで出来たらイイなぁ、と。 Aさまは永らくiwasakiの織物をご愛用頂いている ユーザーさんのおひとり。このブログも始めた頃 よりずっとご覧いただいておりまして。 トホホ過ぎる子育ても仕事も、iwasakiの歴史も まる見えのこのブログですが(笑)。 iwasakiの憧れだったり、持ち物だったりに被る コトが度々。学生の頃から憧れていて結局買えな かった鳥取民芸家具や、つい先日も。 山陰のリアルな亀の絵絣の、全く同じ亀の絣の 座布団をお持ちと知り・・・。ビックリ! iwasaki夫婦と同じツボを持つ!?Aさまの イメージに近いものが出来るとイイなぁ。。。 ▲
by senshoku-iwasaki
| 2020-06-02 22:53
| 着尺・帯
緯吉野の『ゼリーのミルフィーユ仕立て』。 今までに九寸帯地の他に、淡いグリーン系の着尺を 制作しました。 そうそう、贅沢な織り半襟も。。。 今回は秋に向けて。 タテ糸は茶に、こげ茶、紺色等々いろんな色。 ヨコ糸には、3種のチャコールグレーに、 マダムグレーにピスタチオ。 この組成は。 織りならではの、糸と色の交差で生まれる奥行き のある不思議な色味が生まれます。。。 ![]() 今回タテ糸に使った糸は、座繰りの玉糸や生糸。 着尺や帯地の時に使った残糸を中心に構成しまして。 ヨコ糸は、かなり節のある座繰りの玉糸に生糸を 絡めた糸がメインです。 色だけじゃなくて、糸味も見どころ。 このシリーズ、キレイな色のゼリーがキラキラと層 になっているイメージなのです。 緯吉野は楕円のように出る部分と、ヨコ糸が詰まって 見える部分が、主旋律と副旋律のようで・・・ 同じヨコ糸でも見え方が変わります。 それを全体で捉えると、きっと感じ方で印象の色が 人によって違うのも面白いのです。 着尺のように長い面積で纏うと、絹量の多さからの 光沢感が、垂れモノのような贅沢感です。 ・・が、ヨコ糸をしっかり食べる組成ですから・・ 織り進みはとってもゆっくり(涙)。 機は腰板と呼ばれる板一枚に乗って織るのですが。 私(エツコ)のお尻の付け根、太ももの上には。 真一文字にあざが。。。 「お尻が痛いんだわよ。」私 「知ってますよ。 つい3分前にも言いましたよ。」クニヒサ 「水着の仕事が入ってなくてよかったわ」私 「ハイハイ。よかったですね。」クニヒサ こんなしょうもない会話もミルフィーユのように 積み重なってゆくコトになってしまいます。。。 ▲
by senshoku-iwasaki
| 2020-05-28 22:35
| 着尺・帯
今年の夏の新シリーズ、透ける九寸帯地です。 染織こうげい・浜松店さんでの作品展に向けて 『ギンガムチェックと眼鏡』を制作しました。 糸感と、透け感がとても気に入っていまして。 今回は、『白い雲 銀の雲』の第二弾として ターコイズの空も・・・。 ![]() 今回もタテ糸ヨコ糸ともに、宮坂製糸所さんの 座繰りの玉糸です。かなり節のある、味わい深い けれどかなり織りにくい(笑)糸です。 今回は地に、アイボリーバージョンと 水色のようなグレーの2種を制作中です。 今回のほうが糸が前回よりも若干細く・・・。 クニヒサ、ため息をつきながら織っています。 いろいろなことがあるけれど。 こんな時こそ、空を見上げて。 キットソノウチイイコトアルサと天の声(笑)。 第一弾の 『白い雲 銀の雲』『白い雲 阿波藍の雲』と 『ギンガムチェックと眼鏡』は、引き続き 染織こうげい・浜松店さんで 5月7日(木)~17日(日)まで第二部として ご紹介いただいております! ▲
by senshoku-iwasaki
| 2020-05-08 22:42
| 着尺・帯
昨年からご注文頂いていたNさまの御柱織りは。 赤味を帯びたチャコールグレーと、 やや青味のシルバーグレーの三つ崩しです。 赤味と青味でからか、遠目に見ると紫っぽい 上品なグレーの無地にも・・・。 そういえば私(エツコ)にとって・・・ このお色こそが、Nさまそのもののように感じて。 ![]() 初めてお会いした時からずっと変わらず。 いつお会いしても穏やかで、優しくて、ユーモアが あって、ナチュラルで。 ご注文で制作させて頂く場合、いつもこうして・・ その方のお顔を思い浮かべながら。 染織こうげい・浜松店さんでの作品展のための 新規格の帯地制作に、ギリギリまで時間がかかり。 こうげいさんに無事納品が済んでから、じっくりと 取り掛かりたいと思っていました。 iwasakiいつものことでたいへん恐縮なのですが、 長らくお待ち頂いて。 この秋にはお召し頂けるように織り進めております。 染織こうげい・浜松店さんでの 『糸ぢから・春帯夏帯』ですが、第二部として 5月7日(木)~17日(日)まで延長してご紹介 して頂けることになりました。 こうして織物制作を続けさせて頂けていること、 本当に感謝しております。 少しでも良い仕事をしたいと思っております。 ▲
by senshoku-iwasaki
| 2020-04-30 22:11
| 着尺・帯
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