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前回に引き続きまして・・・・。
今回は、iwasakiの八寸帯をお召しでお出でくださった方々。 八寸帯はキホン、織ったまんまの一枚の布なので。 だけに組成や密度、生地のコシやハリには気を使いますが、 iwasaki的には大好きなジャンル(!?)なのです。 ![]() 昨年の『増孝商店』・冬場所でご覧頂きまして、場所後に 「来年の春場所のときに頂きたいのですが・・・。」とご連絡くださったNさま。 『アカギブシノコブシ』、コブシ大盛りバージョン!?節糸の節がかなり多め の帯地でした。Nさま、「冬場所でとても惹かれたのですが、ひょっとして 以前『日本の夏じたく』にも出品されていました?私、そのときに手にとらせて いただいたことを・・・なぜかたった今、思い出したのですが。」 そーなんです、そーなんです。糸味のお好きなNさま、そのときも愛おしい ように丁寧にご覧下さったのがこの帯地でした。 ふとした瞬間に、はっと思い出す・・・掌の心地、織りの断片、色の記憶。 私(エツコ)は、年中ボケているくせに(笑)、幼児のときの母の割烹着の下 のカーディガンの網模様まで・・・突如に思い出す癖を持ち続けています。 きっとNさまと私、同じ何かがあるのかも!?あったらウレシイなぁ。 ![]() 『アカギブシノコブシ』を作った頃、ほぼ同時に生まれたのがコチラ。 『キビソノアミガサ』。ボコボコとしたキビソ糸をタテヨコに、模紗織りでニット のような風情で作ったシリーズでして。 Hさま、そのときにご覧になった瞬間に「私、コレ好きです!!」と選び取って くださったものでして。「やっぱり気に入っていますよ。」と。何よりのお言葉を いただきました(涙)。来年の『日本の夏じたく』までに、青木間道をモチーフに したシリーズで、Hさま仕様の八寸をお作りさせていただくことになりました。 今現在は、コレにピッタリの太さの糸が手に入らないので・・・ 最近は作れておりませんが。手づくりの糸ですから、またピッタンコの糸 がiwasaki工房にやってきたら・・・ぜひ、また作りたいです! ![]() 『ヘリングボーンの八寸』を締めてお出でくださったSさまは、山本きもの工房 さんで和裁を習われておられていて。「ここに来るために、大急ぎでかがって きました!」と。この帯の副題、『夢の中へ』な感じがSさまにとてもお似合い でした。Sさま、昨年の『日本の夏じたく』でスウェーディッシュレース織りの 『クリームソーダ』をお求めくださって、それにあわせるなら生紬は、iwasaki で見送りとなった『マンゴーシャーベット』がイイ!と。お色違いのライチと、 スターフルーツを見ながら、全部iwasakiにお任せでご注文くださった方で して。「思ったとおり!マンゴー、よかったですっ!これからクリームソーダを 仕上げて、マンゴーにかかりますねっ!来年のこの会ではセットで着てきま すね。」と、嬉し過ぎる一言を・・・。 『日本の夏じたく』は作家企画の販売催事。 これだけいろんなジャンルで、大人数でのグループ展、それも9年も続いて いる・・・たぶん、これって相当稀有な事だと思うのです。 リーダーの、アトリエ紀波さんに10年前にお声をかけていただいいて。 運営のスタッフとしても関わらせていただいておりますが。 経費もかかるコトなので(笑)。毎回・・・来年は出展できるかなぁ・・・?と (実は今でも・笑)不安なのですが。それでもこうして作り続けるコトで、やはり いろいろな方々に見ていただいて、使っていただいて、育てていただいている のを痛感いたします。 『日本の夏じたく』が無かったら、今のiwasakiじゃなかったかもしれない・・・ そう思うと。 ボケてる場合じゃないですねっ!(汗)。来年は、もう少し成熟させたiwasaki を・・・ご覧いただけるように今から・・・頑張ります。 ▲
by senshoku-iwasaki
| 2015-05-30 23:18
| 着尺・帯
iwasakiの織物をお召しくださって、お出でくださいました。
制作者にとっては何よりも嬉しく、また、有難く・・・。 いつもいつも思うことなのですが、本当にこの仕事をしてきて ヨカッタと・・・しみじみと幸福なキモチになる瞬間なのなのです(涙)。 ![]() 増孝商店・春場所で、『青木間道をモチーフにした八寸帯地・メンデストライプ』 をお選びくださったSさま。スカっとした大きなストライプが、5月の陽気のように 爽やかで・・・。ストライプを掻き消す段にいれた、こげ茶色のタッサーナーシの 天然色が、まるでお召しのお着物のお色とリンクされているようでした。 ![]() 昨年からiwasakiの地紋のある紬に、飯島桃子さんの雪花の刺繍を散したお着物 をご注文くださっているKさま。 この日はiwasakiの『貝殻色の紬』に(背中には飯島桃子さんによる、小さな花紋入り) のお着物に、同じくiwasakiと飯島桃子さんとのコラボで生まれた『亜麻と苧麻と絹の 八寸』帯に飯島さんの半襟という、スペシャルな装いで! ![]() 「今日はちょっと暑かったのですけど、せっかくなので岩崎さんに見ていただきたくて・・」 と。『杉綾織りの紬』に、『青木間道をモチーフにした半巾帯・メンデストライプ』を 締めてお出でくださったOさま。この日は午後からぐんぐん気温が上がって。 綾織りの紬は、高密度で糸量が多いので・・・小柄なOさまはお辛かったのでは!? と恐縮しつつ。でも本当にお似合いで。本当に嬉しく、感謝しております。 Oさま、遠いところお出でくださいまして・・・本当にありがとうございましたっ! ![]() 『十二色の天然の灰色の格子の紬』をお召しくださったOさまは、スラリと長身なので。 桜、梅、茶、車輪梅、矢車附子・・・で染めた天然染料の12色のグレーと、3色の乳灰色 で計15色で構成された大きな格子のお着物が、ふんわりと軽やかに映ります。 この紬は、私(エツコ)が心底・・・楽しくて苦しくて(笑)、でも出来上がったときには最高 にiwasaki的な、自家織物になったと・・・自己満足に浸った一品でして。 こんなふうにさりげなく、ステキにお召し頂いて・・・。感激でした!! iwasakiユーザーの、心ある(!?)皆々様に支えられて・・・またまた、やる気と勇気が 湧きました!!心より感謝申し上げます。ありがとうございます。 三渓園から戻った翌日の、月曜日から・・・いつもの大好きな『フツーの』制作の日々が 始まっております。クニヒサは緯吉野の入った、格子の紬を。私(エツコ)は、ショール 『sunrise』の新色を。今回の『sunrise』は、タテが濃色で縞には節糸が散してあるので。 早くも夏を飛び越えて、初秋の趣です。チカラをいっぱい頂きましたので、これから・・・ 暑さにめげずにがんばりマス! ▲
by senshoku-iwasaki
| 2015-05-28 22:04
| 着尺・帯
![]() お天気にも恵まれて、大変充実した4日間でした。 今回も多くの皆様と、楽しい時間を過ごすことができましたこと。 とても有難く思っております。 お運びいただきました皆々様・・・出展者ならびに関係者の皆様に 心より感謝しております。 ありがとうございました!! 今回の『夏じたく』、私(エツコ)はずっとボケボケでして・・・(涙)。 いろんなモノ、コトを忘れっぱなしの失念だらけ。 落ち込みっぱなしの45歳(笑)。 直前にクニヒサが図書館で借りてきた、『村上海賊の娘』が面白過ぎて。 時間が無いくせに、夜な夜な上下巻を一気に読んだ寝不足のツケが・・・。 そういえば学生時代、テスト期間中ほど長編小説が面白かったような・・・? 学生時代以来の大失敗に、反省しつつも、昨晩遅くに南部町に戻り。 寝過ごしたい願望も叶わず(涙)、子供は学校に。 ぼけーっとしてるのは、母親だけではありませんで。 大甘の祖母宅で、ゲームとマンガ三昧のバカ息子。 あさってから中学入学後初の中間テストなんですが・・・。 あーあ。 彼もきっと・・・そんな自分に、落ち込む日が来るんだろうなぁ・・・と思いつつ。 『計画的な仕度』という大きなテーマ(!?)を、今からでも遅くないと信じて 母親のほうは取り組みたいと思いますっ! 来年こそは!(笑)。 ▲
by senshoku-iwasaki
| 2015-05-25 21:23
| 展示会・お知らせ
例年搬入日が一日あって・・・。翌日から初日。だったのだけど。
今年は午前中に搬入を済ませて、午後1時からのオープンに。 iwasaki、毎年のことながら・・・しつらえには時間がかかりまして(涙)。 今回はモタモタしていられないっ!となると。 我が家の、手狭な和室でシュミレーション(!?)。 これまた我が家の、手狭な車で一家のほかに載せられる最大限の 什器と、商品と、一家の着替えと荷物。 こちらのほうも、荷物の大きさをチェックしながらシュミレーション(笑)。 『日本の夏じたく』は、今年9年目を迎えますが、iwasakiは第2回から なので8年目になります。 8年前は幼児だった子供らも、今じゃ座席いっぱいで暑苦しく・・・。 じゃ、車を大きくしよう!という気にはナカナカなれず・・・。 あと数年もしたら、勝手に留守番をしてくれるんだろうけれど。 今度は火事でも出されたら・・・と、こっちが落ち着かず(笑)。 夜逃げのようなこの大移動、まだしばらく・・・繰り返しそうです(トホホ・・・) 三渓園でみなさまのお越しを、出展者一同心より・・・お待ちしております。 ![]() 『日本の夏じたく』 横浜・三渓園 鶴翔閣 白雲邸 旧燈明寺 5月21日(木)~24日(日) 21日13:00~16:30 23日・24日10:00~16:30 ▲
by senshoku-iwasaki
| 2015-05-20 14:57
| 展示会・お知らせ
![]() スウェーディッシュレースの八寸帯地は、昨年『クリームソーダ』という シリーズで、もう少しグリーン系で作りました。 今回のほうがより、クリームソーダっぽい!?かもしれません。 昭和な香りのする喫茶店なら・・・必ず入ってる、缶詰のさくらんぼが 今回は入った感じもします(笑)。 真っ白いエプロンがトレードマークのママさんに、「ハイ!『クリソ』」って、 店名の入った紙製のコースターに出されたみたいなイメージです(笑)。 ちょっと大人っぽくて、ちょっと可愛くて、ちょっとノスタルジックな・・・。 レースのように見える部分の組織が、地糸で入れるのと同系の色でも 光沢感のある、銀河シルクを入れるのとでは見え方が違うので・・・。 凹凸が出て、シュワシュワ・・・炭酸が弾けているようにも見えます。 今回はこのストライプのタイプと、大きな格子のタイプを作っています。 『日本の夏じたく』・・・来週の木曜日からですので。 なんとか両方間に合わせたく・・・。オヨヨ・・・。 iwasaki、シュワシュワと(!?)土日もフルで回転中でーす(汗)。 ▲
by senshoku-iwasaki
| 2015-05-16 20:16
| 着尺・帯
![]() タテ糸は、宮坂製糸所の銀河シルクを墨色に染めて。 先日織り途中だった・・・ヨコ糸も黒っぽいタイプのほかに、 ヨコ糸に白茶を入れたバージョン。 大好きな、古いこぎん刺しのような風情もありながら 銀河シルク特有の光沢が、いつもの宝石シリーズのように パワーストーンのような気品も感じます。 黒、白黒・・・といったらオニキスでしょうか。 iwasakiの引き出しは、あんまり多くはないけれど(笑)。 やっぱり古今東西・・・。 フツーの日に、フツーの人が、フツーに着用していたような、 日常着であり、仕事着などをリスペクトしてしまいます。 それはアイルランド!?いや、対馬の漁師さんだったり。 東欧のニットのモチーフかもしれないし、佐渡の鉱山用の 刺し子であったり。北欧のレースのようであって、東北の 汗はじきであるかもしれないし、アフリカのハンモックかも!? 世界中のどこででも。 暮らしのなかで人と一緒に生きてきた織物は、とても普遍的。 キモノは、日本民族の衣装なんだけど。 織ったまんまに限りなく近い状態で、身に着けることの出来る キモノや帯。 今回のこの帯地も、糸をつくるところから『手指のチカラ』を 無くしてはうまれませんで。iwasaki夫婦の『手指』ももちろん。 いろんな『手』を通して出来ております。 毎日じゃなくても。 特別の日じゃなくても。 たくさんのハンドパワーが織り込まれているのだもの、 これを身に着けるコトで、キモチだけでも『特別な』とっびきり のフツーの日になりますように! ▲
by senshoku-iwasaki
| 2015-05-13 21:20
| 着尺・帯
![]() ご注文いただいた、格子のサンプルをお送りさせていただきまして。 ヨコ糸にクリームっぽい白茶バージョンと、ブルーグレーバージョン を入れたものでしたが。 Sさまからは、「もう少し白茶を白っぽくすることは可能ですか?」と。 お手持ちの、スカッとした白が効いた・・・リネンの格子のワンピース のお写真が添付されておりまして。 iwasakiとしましては、タテ糸ももう一度経て変えることも考えつつ。 とりあえずヨコ糸に、白っぽい白茶を入れたサンプルをお送りさせて いただきましたところ、「これでお願いします!」といただきました。 たしかに、Sさまのおっしゃるように・・・この白茶バージョンのほうが 組織で入った、『いろどり繭』の生糸が馴染みつつも輝いて見えます。 クールなんだけどやわらかみもある、Sさまの格子の着尺。 GW前半のキモチイイお天気の日に、ヤマモモで白茶を染めまして。 これまたイイ感じの五月の風に、カラリと糊付けも上がりまして。 クニヒサ、少しずつ織り進めております。 いよいよ・・・2週間後に迫ってきた『日本の夏じたく』。 まだまだ・・・つくりたい織物は次から次にありまして。 息子の部活の朝練も始まったこともあって・・・仕事開始時間も職人 タイム!?の8時入り。お陰でお尻が痛くてぇ~(涙)。 機の腰板を、どーにかもう少し快適に改造出来ないものかしら!? ざぶとんじゃ、どうもダメなので・・・。真剣に!?改造計画中です(笑)。 ▲
by senshoku-iwasaki
| 2015-05-08 21:44
| 着尺・帯
![]() 黒っぽい・・・がテーマなのです。 もともとは、お客様からのご注文なのですが。 以前、銀河シルクを今回くらい濃い色に染めたことがありまして。 どうしても染色により・・・銀河シルクのセリシンがかなり取れてしま ってやわらかくなってしまい、以来この八寸のタテに使うときには 濃色は封印(!?)しておりました。 それと、綾織りの紬のときにもそうなのですが。 織物になったときに、タテ糸は濃い色よりも、淡い色のほうが絹らしい 光沢感があるように思うので。無撚りの銀河シルクなら尚更かと。 でもでも。 リクエストには、なるべくお応えしたいし。 それでなくても固くなってるアタマ、経験とはいっても数回の失敗で 思い込みを強くしてしまうようなオトナになってはいけないと(笑)。 iwasaki、なんのご加護も保障も無いかわりにどこまでも自由ですから。 40を過ぎてから、益々・・・小学生目線でモノをつくるコトにしています。 今回クニヒサ、なるべくセリシンを落とさずに一発でこの墨色に染めまして。 これなら結構イイんじゃないのぉ~?と、私(エツコ)が織っておりますが。 タテ糸の銀河シルクも、ヨコ糸のキビソ糸も。残っているセリシンの付着量 の違いから・・・所々白くムラに染まります。 それが深みも出してiwasaki的には気に入っているところでもあるのだけ れど、これでもあんまりムラの強いところは取り除いて織っていたりします。 黒っぽい、といっても黒はいろんな色を孕んだ色なので。 クニヒサ、今まで使ったことの無い黒の染料も今回取り寄せてみました。 今回の色のサンプルと、次回新しい染料でのサンプルを織ってみてから お客様にはお選びいただこうと思っております。 この新色の八寸帯地は、21日からの横浜・三渓園での『日本の夏じたく』展 に出品予定です。 黒っぽい・・・黒といっても。 その日の場所や、気分、人によって・・・見える色はイロイロ。 三渓園で、皆さまにはどんな色に見えるのかしら!?そんなお声を伺うのも 楽しみに・・・がんばって織り進めますっ! ![]() ▲
by senshoku-iwasaki
| 2015-05-04 21:36
| 着尺・帯
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