1 sunriseは、移りゆく時の色。ココロの色。 織りでしか表現できない、絶妙な色の変化です。 二度と同じモノが出来ないのは、エスキースも 何も作らず、ただ心のままに杼(シャトル)を 走らせるから。 iwasakiにしか作れないと自負しているのは・・。 使う絹糸は全て、今までに着尺や帯地、ショール に使った糸たちで形成するということと。 何より私(エツコ)が織るわけなので、ほんの 少し残っている糸も確実に、更に効果的に・・ 使い切るということも重要なポイント(笑)。 今回は秋冬向けの『sunrise』なので、まわたの つむぎ糸も多めに入れようかと。。。 ![]() 大管に、ベースになりそうな残り糸を巻いて。 ここに同系、反対色の細め太め生糸に玉糸・・。 あれもこれも・・と大体8~10色の杼が並び。 ほぼ一越ずつ変化するので・・・。 一枚約2メートルのショール、本体を一枚織る のに二日~三日かかりまして。 更に房のヨリヨリまで入れると・・・。 あらあら、iwasaki織物の中で 採算度外視枠ダントツの横綱です(笑)。 それでも作り続けたいと思ってしまうのは、 やっぱり。 自分でもキレイだなぁ、幸せだなぁと一番実感 させてくれるのも『sunrise』だったりするのです。 50を過ぎてから。 始末良く生き切ることが目標の私。 つくることと、生きることが一緒の私にとっては 糸も食材も道具もココロも全部一緒。 無駄にしない、無理をしない、ムキにならない、 今この一瞬の、移ろいゆく景色を閉じこめて。 ▲
by senshoku-iwasaki
| 2020-06-23 22:48
| 纏う布・暮らしの布
染織こうげいさんでの作品展から戻ってきた 帯、着尺などを仕舞うために巻き直しながら。。 今回も実は(!?)結構新しい試みがイロイロ。 しみじみ眺めて、自分で作っておきながら・・ おぉぉそうだった!と改めて(笑)。 新型コロナウイルスの影響で。 残念ながら今回の作品展では、あまりご覧いた だくことの出来なかった新作たちでしたが。 今現在制作中のモノたちも含めて、近いうちに 蔵前の、年に数回のiwasakiのshop「増孝商店」 でもご紹介できたらと思っております! また日程が決まりましたら、このブログでも ご案内させてくださいませ。 ![]() イワサキ式ドロップスは、空羽の緯吉野。 少し透け感のある爽やかな縞の部分は、徳島の 森くみ子さんに阿波藍で染めていただいた玉糸 です。 ![]() 50歳の年のときに50本の半巾帯を作ろうと、 どうにか作り終えてふと。 iwasakiの半巾を組み立てている、八寸帯地 のときの残糸が底を尽き始めたことに気づき。 あれれ、私たち今年51歳ということは? 来年はiwasaki結成30周年になるのかぁ。。。 ふむむ。 『30周年に30本の八寸帯地つくる!』企画を したらまた半巾もいっぱい作れるなぁ。 かがるだけの八寸も。 半巾と同じ、織りっぱなしでも帯になる織地。 ミミもカワイイ見どころのひとつ。 うむむ。。。 性懲りもなく(!?) 新たな目標が、生まれてしまったかもかも。 ▲
by senshoku-iwasaki
| 2020-06-17 23:04
| 着尺・帯
『ゼリーのミルフィーユ仕立て』な緯吉野の着尺を 織り上げてすぐに。 クニヒサとあれこれ考えながら、今度は経吉野着尺。 今回は実験的に小さな縞をたてまして、その上に ちょうど組織がかかるように・・・。 静かな雨音の拍子のような着尺です。 ![]() 縦長な楕円が、雨垂れのようにも雫のようにも。 タテ糸が飛ぶ部分と、そうでない部分の光沢が 違うので緯吉野とはまた違う奥行きがあります。 本格的な梅雨入り前日の晴れの日に。 ひと月ぶりに千葉の実家のお掃除に行きまして。 一人暮らしの母は、今年米寿を迎えます。。。 2ヶ月間お休みをしていたリハビリテーション。 出掛けることが面倒臭くなって、このまま やめようかな・・と言う母に、頼むから週1で いいから行って欲しいとお願いして。 布団に洗濯もの・・干せるもの全て干して(笑)。 草だらけの庭の草刈りと。 クッタクッタにくたびれて。 コロナの影響で2月から行けていない山梨の、 南部町の家も。草が凄いことになってるのだろ うなぁ。。。 実家のあじさいを一枝貰って帰って。 南部町の町の花は、紫陽花だったなぁ。 この『雨音拍子』の着尺が織り上がったら 梅雨の晴れ間をめがけて何としても! 一度、150歳の南部町の家のお掃除にも 行かないと。。。 ▲
by senshoku-iwasaki
| 2020-06-12 22:51
| 着尺・帯
iwasaki夫婦、ともに50歳のときに 50本の半巾帯を作ろう!と始まった企画。 iwasakiにとって半巾帯は特別な存在。 なんといっても iwasakiの大好きな『何でもないフツーの日』の とびっきりのアイティムだと思っていて。 着尺や帯地を織った残りの糸から生まれることが多々。 白洲正子さんの著書の中で 「織物の魅力は良くも悪くも同じものがないことだ」 という一節があって。 私たちが目指す自家織物は、まさにそれでして。 定番としてシリーズ化して似たようなモノを作ること はあっても、全く同じは存在しない。 それは 今日と昨日は似てるけど違うのと同じなのです。。。 この50本の中でも。「以前制作したあの感じで」など お客様からリクエスト頂いて作ったものもカウント しています。 この50本目も。Tさまにリクエストされていたタテ糸 の姉妹です。 紺とピンクのはっきりとしたツートンで以前制作 した『色硝子』のサンプルからお好みを伺って。 今回はグレーを挟んだのはTさまの雰囲気がそんな 感じだったから。 柔らかで優しいTさま仕様の『色硝子』のタテに。 ヨコ糸の配色を変えて。 リクエストといえば。 iwasakiの半巾を何本もお持ちのSさまも。 昨年制作した『阿波藍とアイボリー』の半巾帯を リクエストしてくださいまして。 緊急事態宣言が解除された先日、お着物姿で お出でくださいました。それもiwasakiの緯吉野 の半巾帯を締めて!! ![]() うは~!ウレシイですぅ! とってもお似合いでした。 Sさま、お仕事もずっとテレワークだそうで。 お家でも毎日お着物生活なのだと伺いまして。 「半巾、大活躍です」Sさま。 ありがとうございます! ![]() Sさまの『山形斜文の阿波藍とアイボリー』は菱が 細かく変化するタイプ。 この『山形斜文の阿波藍とアイボリー』は、ほぼ 同じように阿波藍の段が入ったものがもう1本作り まして。それは若干菱が大きく変化しています。 ものすごく似ているけれど、やっぱり違うのです。。 ![]() Sさまの後ろ姿。 私(エツコ)の、半巾帯が好きな理由のひとつに 織りっぱなしでそのまま(仕立てることなく)帯に なることでして。こうして生地感のある締め方は、 より織物の全貌が見えるようで・・・しみじみと。 あぁ。やっぱりヨカッタなぁ。と自画自賛してしま います。。。 Sさま、ありがとうございました。 ▲
by senshoku-iwasaki
| 2020-06-07 00:34
| 着尺・帯
緯吉野のミルフィーユな着尺を、私(エツコ)が 掛かっている横の機では。。。 クニヒサが取り掛かっているのは、経吉野。 吉野織りには、タテ糸が密になる経吉野と。 ヨコ糸が密になる緯吉野。 そして タテヨコともに密になる吉野格子があります。 どれも凹凸が出来る組成になるので、仮に無地 であっても無地ではない、糸味の出せる魅力が あります。 ただ経吉野、実はiwasakiではまだシリーズ化 したことがありませんで。 新しいシリーズの開発中なのです。。。 ![]() ただのサンプルではつまらないので、ならば! 織り半襟を作ろう・・となったのですが。 随分と前から Aさまから江戸小紋にある「茣蓙目」のような 地紋が出来ませんか?とリクエストを頂いていて。 そんな文様が織りで出来たらイイなぁ、と。 Aさまは永らくiwasakiの織物をご愛用頂いている ユーザーさんのおひとり。このブログも始めた頃 よりずっとご覧いただいておりまして。 トホホ過ぎる子育ても仕事も、iwasakiの歴史も まる見えのこのブログですが(笑)。 iwasakiの憧れだったり、持ち物だったりに被る コトが度々。学生の頃から憧れていて結局買えな かった鳥取民芸家具や、つい先日も。 山陰のリアルな亀の絵絣の、全く同じ亀の絣の 座布団をお持ちと知り・・・。ビックリ! iwasaki夫婦と同じツボを持つ!?Aさまの イメージに近いものが出来るとイイなぁ。。。 ▲
by senshoku-iwasaki
| 2020-06-02 22:53
| 着尺・帯
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