手でワーク。
入学式の前日に緊急事態宣言が出て、念願の(!?)
高校生活がまだ一日も始まらない娘。

推薦試験で一足早く、2月末から春休み状態にも
かかわらず・・ちょうどその頃から新型コロナウイルス
が影を落とし始めて。
小2の時に罹った川崎病の体験からか、日頃から
健康にかなり気を使っている娘は、卒業式からほぼ
家から出る事無くSTAY HOME.。
ヘルマンリクガメの万年(まね)ちゃんのお世話に
高校からの課題をこなしつつ・・・。

iwasakiはいつでも「手でワーク」なのでいつも通り
1階の仕事場でクニヒサと機を織っていると・・・。
上の階からトンカントンカン・・・あれれ!?
景気がイイねぇ、大工さんでも入ってるかい?ってな
具合のサウンドで(笑)。
あら、またお嬢さんの工作が始まったわねぇー。

年明けには始められる・・と聞いたはずのここのビル
の下水管の工事が、業者さんの都合がつかず進まず。
1階のトイレが使えないので(笑)、一日に何度か
自宅階に階段を駆け上がるのが唯一の運動の私。

「かぁつん、出来た~!これで火傷知らずよ」娘。

毎朝使うミルクパン、火加減によっては取っ手がもの
凄く熱くなるコトがありまして。
あちゃちゃ~!と定期的に大騒ぎな私(エツコ)。

「おぉぉ。イイじゃん!あーた才能あるねー。」私
「STAY HOMEの才能でしょ(笑)。」娘
「あら、わかっちゃった?」私
「自分でもチョットそう思ってた(笑)。」娘

滑らない革の鍋つかみは、朝から気分も
上がりそう。どうってないけど、あると
ココロが満たされる、どうってあるモノになる
かもしれない「手でワーク」。
うっかり者の私への心遣いもウレシイ
娘の「手でワーク」。


手でワーク。_f0177373_21240462.jpg

# by senshoku-iwasaki | 2020-04-27 23:12 | 岩崎のある日
染織こうげい・浜松店さんでは。
今年もiwasakiの作品展のオファーを、
昨年から頂いていて。
この半年間、基本的に休日は無く取り組んで
きました。

新しい試み、『糸ぢから春帯夏帯編』。

こんなときでなければ、ぜひ!と言いたいところ
ですが。

染織こうげい・浜松店さんでは。_f0177373_18494511.jpg

写真は『イワサキ式ドロップス』の阿波藍とアイボリー
バージョン。
スカッと爽やかなキモチのよい五月の風のような。。。

皐月といえば、旧暦だったら梅雨のころ。
子供のころ、近所の旧家のお庭に雨の中にぼわんと
幟を立てているお宅がありまして。
描かれた鍾馗さまが怖かったのを覚えていまして。
それに対してこどもの日のころ上がる、
幼なじみのコウちゃん家の、黒と赤と黄緑の大中小の
ナイロン製の鯉のぼりがとても明るく見えて。

そのときに「五月晴れ」の由来を母から聞いたような。。
今は幟を見る機会は無いけれど、
旧暦の皐月の頃のイメージが『ぼわんとストライプ』
新作の八寸だったのに対して
この『阿波藍とアイボリー』は新暦の五月のイメージ。
時代は移っても。
我が子の健やかな成長を願う親のキモチは同じ。
蔵前に来てからは、こいのぼりも見られませんが。。
仕事中、外の通りをマスク姿でベビーカーのママさん
の姿を見るたびに、赤ちゃんを持つ不安に更にこの
不安な事態・・つい、心の中でこいのぼりを振って
エールを送ってしまいます(笑)。
はやく本当の五月晴れになりますように。。。

染織こうげい・浜松店さんでは細心の注意を払って
営業をされています。
今回はクニヒサの在廊は取りやめになりました。
『岩崎訓久・悦子作品展・糸ぢから春帯夏帯』
4月23日(木)~4月27日(月)

# by senshoku-iwasaki | 2020-04-22 23:22 | 展示会・お知らせ
itonosakiさんの企画展のお知らせ。
『大人の半幅帯・初夏揃え 2020』と題して、
itonosakiさんセレクトの手仕事の品々が並びます。

ですが、今年は。
新たに出された緊急事態宣言を踏まえて、南青山の
itonosakiさん店舗は、5月のGW明けまで臨時休業
となっておりまして。

「イトノサキ・エキシビジョン」として
instaglamネット展示会という新しいカタチで
開催中です!@itonosaki_exhibition
itonosakiさんの企画展のお知らせ。_f0177373_19313700.jpg
昨年に引き続き・・今年もイトノサキさんから
iwasakiも半巾帯の出品依頼を頂きまして。
今年の『日本の夏じたく』で並べようと制作し
ていた「半巾50+」の中から10点をお預けして
おります。
昨年から「夏じたくまでに半巾を50本織りためる」
ことを目標に制作してきまして。
今年2月の段階で『日本の夏じたく』の中止が
決まり、いつもよりイロイロなバージョンの
半巾が生まれておりましたので。

itonosakiさんの企画展のお知らせ。_f0177373_19125138.jpg
例えばこんなレアなタイプも。
普段の素材は、ほとんど絹なiwasakiですが。
これはタテがリネン、ヨコは茶綿の杉綾織り。
茶綿は手紡の糸なので不均一さが良くて。
織りの切り返しで菱を出したり、リネンと
茶綿を一越ずつ入れることで、ぐしぐしと
運針のように見えるのも気に入っております。
デッドストックの昔の手織物のような。

実はこう見えて。
このタイプは制作に時間がとてもかかるので
4本しか作らなかったうちの1本です。

「半巾50+」。正直なところまだ40本しか
織り上がっておりませんで(笑)。
このレアタイプの兄弟(!?)を含めて
染織こうげい・浜松店さんでの作品展にも
お預けいたします。。。

・・・結局。
半巾50本ズラリと並べた姿は、私たち自身
今年も見るコトが出来ませんでした(笑)。
来年の夏じたく展までには・・・!?




# by senshoku-iwasaki | 2020-04-20 23:21 | 展示会・お知らせ
新作の夏九寸帯地『ギンガムチェックと眼鏡』。
今年のiwasakiの新シリーズ、透ける夏帯地として・・・。
前回ブログに登場した『白い雲 藍の雲』と
『白い雲 銀の雲』の前に取り掛かったもの。

ミントグリーンのギンガムチェックに浮かぶ雲?
もしくは眼鏡?
新作の夏九寸帯地『ギンガムチェックと眼鏡』。_f0177373_19310669.jpg
この夏帯地シリーズ制作のためにお願いした糸は、
タテヨコともに宮坂製糸さんで双子の玉繭を、
座繰りで引いて頂いたものです。

雲の部分は『御柱織り』で使用している、やはり
iwasakiにとって・・・宮坂製糸さんのとっておき
の玉糸です。


新作の夏九寸帯地『ギンガムチェックと眼鏡』。_f0177373_19312851.jpg
糸ぢから全開で。
だけどふわーっと軽ーくなるように。。。
あれやこれや考えながら浮かばせた雲たちです。

日傘が似合う、夏のお着物姿を思い浮かべて。


# by senshoku-iwasaki | 2020-04-18 22:59 | 着尺・帯
新しい山形斜文は、『ぼわんとストライプ』です
ザーッと、スーッと、ほわーっと落ちる滝の
ようなイメージの縞です。

小さめの山形斜文の大小で。
今回の山形斜文八寸帯地、タテもヨコも群馬県の
碓氷製糸さんの絹糸です。。。
新しい山形斜文は、『ぼわんとストライプ』です_f0177373_18120437.jpg
タテ糸は『ふい絹』という、無撚りの絹糸で。
iwasakiの銀河絹シリーズは、長野の宮坂製糸さんの
『銀河シルク』を使っていますが。
糸のつくり方は、どちらも同じように沢山の繭を、
ゆっくり旋回させながら撚りをかけずにひくそうなの
ですが両者はやはり違いがありまして。
今回はこのために碓氷製糸さんに細めにつくって
頂いたものです。

新しい山形斜文は、『ぼわんとストライプ』です_f0177373_18113738.jpg
ヨコ糸はキビソということなのですが、とても
綺麗に揃ったキビソ(緒糸)です。
タテもヨコも細めの糸で構成してますので、
繊細な感じの仕上がりになりました。

キラッとしつつマットな落ち着きもあって。
今回のタイプも絹のさまざまな表情が楽しめます。
素材のチカラ無くしてiwasakiの織物は出来ませんで。

沢を上って美しい滝を見つけたときのような
静かに織物力を感じるような八寸帯地に・・・
なったらいいなぁ。と思いながら織りました。





# by senshoku-iwasaki | 2020-04-13 21:49 | 着尺・帯